BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【現地の大学に通いながら】通訳者にふさわしい教養を身につけるには。

『通訳者』になるために必須な資格は存在しない。DELEやスペイン語検定を受けたことがなくても、実力さえあれば誰でもなれる。

日本人でスペイン語の通訳をしている人の数は、英語通訳に比べると少ないが、それでも結構いるし、今後、需要は増え続ける。通訳者たちの専門分野 (スポーツ、医、法、ビジネスなど) は一旦横へ置いておき『実力を得た経緯』にフォーカスを当て、分類すると、以下の3グループに分けられる。

・日本で外国語/通訳学部 (コース) を出た

・国際結婚をし、現地で長く住んでいる

・単身で渡西をし、数年〜数十年経った

日本で通訳になるための勉強をした人たちは、現地で長年生活している人に比べ「スペイン語」の細かなニュアンスをよく出来ていないことが多い上、直訳になりやすい。しかし、綺麗な日本語を操れる力を持っている。

国際結婚がきっかけとなり、スペインへ渡ってきた人の強みはなんと言っても「日常」における語彙の豊かさだろう。現地の小中学校、小児科、民法などに関する知識も持っている。だが、特定のスペイン人としか話さないため、その人たちの言い回しや訛りに慣れてしまうケースがある。

3番目の私が当てはまるグループの特徴は「知識」と「流暢なスペイン語」である。日本語から離れた生活を送っているだけに、意識を怠って通訳を行うと語順がおかしくなってしまうが、そこさえカバーすればかなりのもの。スペイン人はもちろん、南米の人たちとも言葉を交わす機会が多く、学術的なテーマにも対応可能。

語弊があってはいけないので、最初に断っておくが、私は誰一人に「ライバル心」を抱いていない。どのグループが最も優れているか、それは私たち通訳者が判断することではないから。

 

【現地の大学に通いながら】
これからスペインの大学進学を目指す上、「通訳」という仕事に興味がある人に向けて。

私は「ライバル心」を抱いていないと言いつつも、別の2グループの方々に負けない「自信」は相当持っている。

・知識
・若さ
・経験

この自信は、ライバル心のはるか上。それくらいこの6年間、真面目に何事にも取り組んできた。今の自分にとって最大の武器であるスペイン語力は、最初の2年半、超ストイックに日本語から離れていた時に身についた。そこから様々な分野の語彙が、その時々の興味に導かれ、枝分かれしていった。

この自信の根本を辿ると、これまでに何度も書いてきた『大学受験』がある。今はもう形式が変わってしまっているが、それでも努力しなければ合格出来ないという点は同じだ。将来、言語と知識で勝負したいなら、絶対にこれを乗り越えて欲しい。最低限の知識と語力を身につけた状態で大学へ。

受験をして入学した人と、そうでない人の開きは、徐々に広がる。クラスメイトの学力の高さは、授業の質を左右する。理解度は楽しさに繋がり、テストは単位取得に直結する。コミュニケーションが上手く取れれば、仲間も信頼も増えて行く。

文系のテストは筆記で、真っ白のA4用紙を数枚配られるだけ。そこにひたすら答えを自分で展開していく。選択形式のテストを作り、機械的に丸付けをし、生徒の理解度をはかる教授はいない。言わずもがな、この国の国公立大学の教授は本物。

【大学1年目の勉強量】
一昨日、過去の自分のツイッターを遡った。2015年の9月にバルセロナ大学哲学部に入学し、半年が過ぎたあたりのつぶやき ⬇︎ とても苦労してレポートを書いているスクリーンショットが複数あった。受験で良い点数を出せたとしても、入学後は毎日想像を超える「努力」が求められたことを思い出した。

f:id:kaedetaniyoshi:20200204014056j:plainf:id:kaedetaniyoshi:20200204014100j:plainf:id:kaedetaniyoshi:20200204014055j:plain

【大学2年生】
2年目になると少し余裕が出てくる。授業やテストのスタイルを知り、どう勉強すれば良いのかを見つけ、やっと『趣味』に時間を使い始められる時期。私はテニスをしていた。朝9時から16時半まで連続で授業を取り、17時半から夜22時半まで、ひたすらスペイン人男子と真剣勝負。利き手である右手がマメだらけになり、シャーペンが握れず、左手でノートを取っていた時もあったほど、楽しかった。この期間で、テニスの専門用語やスペイン人のスポーツに対する姿勢を学んだ。友達の輪が「現地」になったのもこの頃。30代〜70代の知り合いの数が一気に増えた。

通訳は、人と人とが直接関わる、非常に人間味のある仕事だから「今」を楽しんでいれば、全ての経験が将来に生きてくる。スペイン人と一緒にする筋トレも、笑い話も、昨日見た試合の感想も、美味しいレストランの話も、共に語った夢も、全て。

大学2年次までは、脳を完全に『スペイン語』にしておくべきである。ノートもメモも日本語では取らない。授業中は全てスペイン語で理解する。ネットで用語を調べる時もそう。分からない単語は類語辞典で意味を想像するか、友達や教授に聞く。そうすれば自ずと語彙が増える。各ニュアンスの違いも学べる。日本語とスペイン語は、構造も語源も全く違う二言語であるから、最初の大事な時期の『徹底』がポイント。

大学4年生までは「通訳」を意識せず、がむしゃらに目の前の勉強をすれば良い。「4年生」というのは「4年目」ではない。3年次までの全単位 (180 ECTS) を取得するその日まで。

【大学4年生】
ラッキーなことに、私たちは自分のタイミングで「いつもの授業」を「特訓の場」に変えられる。パソコンを開いて、教授の話を全て日本語で打っていけば同時通訳の練習になる。カタルーニャ語で行われる授業ならそれをスペイン語に訳しても楽しい。全文でなく、大事な箇所だけ訳せば『要約』の練習になる。スペイン語をそのままスペイン語で打っても良い。そうすれば速くタイピングする練習に。➡︎「翻訳・通訳学部で学ぶこと」は、必要条件ではない。

好きな分野の講演動画を聴きながら訳してみるのも良し。サッカー選手のインタビューや解説を訳してみるのも良し。

【徹底】
私は自分に甘い性格だが、スペイン語に対してだけは常に厳しかった。それくらい本気で学びたかったのだと思う。C1レベルあたりに「線」があると考え、そこを目指していた。越えてしまえば日本語を日常で話すようになってもスペイン語力が落ちない線。

本当にあった。

母語シャットアウトして、スペイン語だけの生活を送っていると、そこへ早く到達出来る。「早い」のが必ずしも良い訳ではないが、早いのに越したことはない。時間には限りがあるのだから。

現地の学生たちに負けないように勉強していれば、自然とC1-2レベルのスペイン語を習得出来る。文法書を買う必要もなければ、ノートに単語をひたすら綴って覚える必要もない。

負けず嫌いな性格の人ほど、この学生生活を通して大きく成長する。どこまで行っても「満足」出来ない環境が楽しい。

 

【大切にしていること】 
2019年の8月、全国通訳案内士の試験 (5科目) の中にある「スペイン語」に合格した。このスペイン語試験は『DELEのC2と西語検定1級』と並ぶレベルと言われている。が、勉強してみて一番に感じたのは、

+α の必要性

『スペイン語能力だけでは不十分』ということ。

・綺麗且つ正しい日本語の運用能力
・幅広い教養
・コミュニケーション能力
・異文化理解
・異国の地で生活した経験
・世界の時事問題への理解
・自分の専門性
・言語を好きであること
・日本まつわる全般知識
・話し手の性格に合った言葉選び

これらを持っていれば「通訳を担当させてもらう相手」からも「通訳の依頼をくださる方」からも認められるようになる。

上の太字にしてある4項目は、独学でいける。あとの6つは、大学で。重要なのは、確実にステップを踏むこと。まずは、あの「線」へ。

私が大切にしていることは、2つ。

① 綺麗な日本語と生きたスペイン語

② 自らの専門分野を広く

どの言語においても言えることだが、勉強すればするほど、どんな分野の人とも対等に話を楽しめるようになる。それがまた自分の教養になる。この循環がとても好き。

【まとめ】
通訳者にふさわしい教養は、努力しなければ身につかない。知識は勉強した時間に比例する。だから好奇心を持って学び続けよう。

バルセロナ生活 記事一覧

スペインの大学情報 記事一覧

つぶやき 記事一覧

言語学や言語比較 記事一覧

おすすめ記事:

【スペイン語らしさとは】話す言語によって性格は変わるのか。

「あー、これ英語には訳せないな」「この表現、日本語にしようものならかなりの意訳になってしまうな」と思う文章に出会う度、スペイン語の良さをしみじみ感じる。

例えば、

Hay muchos con quien estar pero pocos con quien ser.

この一文。

f:id:kaedetaniyoshi:20191217040045j:plain

【なぜ訳しにくいのか】
いずれも、A1-A2 (初級レベル) で習う単語で構成されている。スペイン語を不自由なく使っている人であれば、スッと理解は出来るだろう。

Hay muchos con quien estar pero pocos con quien ser.

しかし、パッと訳せる人は少なくない。

なぜか。

この文脈にぴったりの、estar と ser の訳が日本語にないから。

自分なら、どう訳すか。

ちょっと考えてみると面白い。

 

私は…

『日々の生活の中で一緒に過ごす人は多けれど、自分らしくいられる相手は数少ないものである。』もしくは『一緒に過ごす人はたくさんいるが、ありのままの自分 (素の自分) でいられる相手は僅かに過ぎない。』とする。けれど、どちらもしっくりこない。

意味は、

(estar) 普段一緒に遊んだり、飲みに行ったり、ランチを取ったり、楽しく過ごす仲間/友達はたくさんいるが、その中で、(ser)「自分らしく」いられる、自然体を見せられる相手というのは、少ない。と言うこと。

【話す言語と性格】
バイリンガル、トリリンガル、多言語話者の中には「話す言語によって性格が変わる気がする」「使う言語によって自分の人格が変わっているような」と感じる人が多いらしい。

 

2019年12月18日の私は「話す言語によって性格は変わらない」と考える。少し前までは「スペイン語だとハッキリ物事が言える」とか「イタリア語を話すと楽しい気分になる」とか「英語はどこかフォーマルな気分に」と、感じていた。が、最近『いや、違う』と思った。性格が変わっているのではなく、スペイン語の表現に浸ってしまっているだけ、だと。

スペイン語を話すと…

『ハッキリ物事が言えるようになる』と、錯覚していた主な原因は、語順の違い。そして、相手の質問に対して必ず Sí/No で答える習慣と、口数の多さ

・語順
・SÍ/NO
・口数

日本語は相手の質問に答える時、あまり文頭に「はい」や「いいえ」を持ってこない。

Q. バルセロナに興味ある?
A. 特集を見て以来、めちゃくちゃ行ってみたい!

Q. 年末、うちに来れる?
A. 休み取ってでも行くよ!

Q. スペイン語話せるようになりたい?
A. うん、難しそうだけど、日常会話くらいは話せるようになりたい!

一方で、スペイン語はクローズ質問に答える際、必ず「はい」か「いいえ」が文頭に来る。それから理由を付け足す。だから、スペイン語漬けの生活から急に日本語を話すと「良いですよ!じゃあ…」「そうしよう、その方が…」「いや、行かないです!だって…」「はい、おすすめです!その理由は…」と、語順に違和感が出てしまう。

最初に肯定か否定か断言することで、あたかも『ハッキリ』意見を述べているように感じる上、相手に「ダイレクト感」を与えてしまう。

スペイン語: Sí/No ➡︎ 理由や感想

日本語: 理由や感想 ➡︎ Sí/No

「〇〇だと思う」も、同じ。日本語の「前から欲しがってたんだから買えば良いと思うよ」は、スペイン語で「買えば良いと思うよ、だって前から欲しがってたんだから」となる。

『最初にドンッと文の核を、それから理由』

5ヶ国語 (日本語、スペイン語、英語、イタリア語、カタルーニャ語) を話す上で、唯一語順を意識しているのは、日本語。…母語なのに。あとの4ヶ国語の文構造は、ほぼ同じ。

【口数について】
私は、日本で友達と歩いている時「あのカフェテリア行ってみない?」と言われたら『良いよ、行こ!』と答える。基本的に、一言で。しかし、スペインでは『Qué bien! Pues tomamos café o algo para calentarnos. (良いね、じゃあコーヒーか何か温まるものを飲もっか。)』と、二言以上で返事をする癖がついている。

これは、性格が外向的になっているわけでも、明るくなっているわけでもなく『多弁』が、この土地ではフツウだから。

スペイン語 (言語) が原因で性格が変わるのであれば、日本でスペイン人と話した時にも同じことが起こるはず。

無論、個人差はあるが、私は日本に帰れば口数が元に戻る。スペイン人相手にスペイン語を話していても「日本仕様」になりがち。

だが、日本は日本でも、大勢のスペイン人が集まる空間でスペイン語を話すと、スペインにいる時と同じくらい多弁になる。

だから、言語ではなく、環境が性格を変えている

海外生活が長い人は、だいたいフレンドリー。しかしこれは、言語云々の性格の変化ではないと思う。バスの乗り場を携帯で調べるより周りに聞く方が早い&普通というお国柄、知らない人と話すことに抵抗を感じない環境が影響しているだけだと。

【表現に浸ってしまう】
「今日、大量にトラバッホ (trabajo: 仕事) がある。」や「コンプラ (compra: 買い物) 行かないと!」のように、日本語を話していてスペイン語が混ざることは絶対にない。が、スペイン語ならではの表現を、日本語でつい言いそうになってしまうことはある。特に "ver (見る)" 系…。

A ver.
➡︎ どれどれ。
  えーっと。

Nada que ver.
➡︎ 全く関係ない。

Vamos a ver.
➡︎ どうなるかな。
  様子を見てみよう。

Vamos hablando.
➡︎ 相談しながら行こう。

Ya me dirás.
➡︎ まあ近々教えて。

Te repito.
➡︎ もう一回言うね。

No hay problema.
➡︎ 問題ないよ。

Ahora te digo.
➡︎ 今すぐ言うよ。

「すみません、もう一度言っていただいて良いですか?」に対し、スペイン語なら "Claro, ningún problema, ahora te repito." と言うから、その癖で先日『もちろん、もう一度言いますね!』と言ってしまった。日本語なら嫌味っぽく聞こえてしまうことがあるから気をつけないと…。

つぶやき 記事一覧

スペイン語 記事一覧

バルセロナ生活 記事一覧

おすすめ記事:

【名前か苗字か】日本人のあの感覚とスペインのTUTEARの共通点

スペイン人とは、初対面でも下の名前で抵抗なく呼び合えるのに対し、日本人同士は大体の場合「苗字+さん/くん」からスタートする。

私の名前を例に挙げると、

⬇︎ 谷吉さん
  谷吉
  楓さん
  楓ちゃん
  楓

たまに、出会った当初から『呼び捨て』あるいは『〇〇ちゃん』『〇〇くん』と下の名前で呼ぶこともある。その方がお互い距離を縮めやすいし、どのタイミングで下の名前呼びに変えようか考えなくて良いから楽だ、と言う人もいる。

Googleで「下の名前」と検索すると予測に出るのは…

・下の名前で呼ぶ 女性心理
・下の名前 さん付け
・下の名前で呼ばれたい
・下の名前で呼ぶ

私たちにとって「名前呼び」=「少し特別」であることが伺える。この『心理』と『言葉』の関係性を面白いと思う。

下の名前で呼ぶのはいつがベストなのか

好きな女性への名前の呼び方を変える方法

下の名前で呼ぶ男性・女性心理とは?

トップに上がるブログの記事のタイトルはどれも日本人らしく、微笑ましい。(この類の相談やページは、スペイン語でもイタリア語でもヒットしないはず。)

実は、

この「下の名前で呼ぶか、苗字で呼ぶか」の何とも言えない気持ちに似た感情を、スペインでも感じることがある。それは、初対面の相手を前に『TUTEARするかどうか』を頭の中でパッと考える時である。

【Tutearとは】
スペイン語には、"Tutear (トゥーテアール: túで話す)" という動詞が存在する。分かりやすく言えば、敬語ではなく、タメ口で話すこと。

Tú (君)

Usted (あなた)

基本的にスペイン人は、初対面の人、上司、年配の方、に対しては丁寧に『Usted』で話す。いきなり『Tú』でも「失礼・無礼」と思われることはあまりないが、それでも相手への敬意を示すべく、敢えて『あなた』を使う。

年配の方から「Túで話してくれて良いんだよ」と言ってもらえたら「いえいえ…」と言わず、素直に「え、本当?ありがとうございます!」と受け取り、"Tú" に切り替えて話を続けるべきだ、とスペイン人は言う。"usted" は『距離』を感じるから、スペイン人の多くは好まないよ、と。

"Me puedes tutear, eh!"

この一言で、一気にバリアが解け、

一歩、近くに寄れたような、

日本人の「苗字呼び」から「名前呼び」に変わった時のような感覚になる。

 

【USTEDを止める時】
"tú" で話して良いよ!と言われ、切り替える時の会話例。

A: "Me puedes tutear, no hay problema."
(「君」で話してくれて大丈夫だよ。)

B: "Pues muchas gracias!"
(えー、ありがとうございます!)

【USTEDを続けたい時】
"usted" を続けたい時の会話例。

A: "No me digas usted."
(「あなた」って言わないで。)

B: "Usted es la manera de llamarlo de forma respetuosa!"
(「あなた」は、尊重を込めた呼び方ですから!)

A: "Sí lo sé pero me puedes tutear!"
(それは知ってる、でも「君」で良いよ!)

B: "Gracias pero prefierso el usted, me siento más cómoda."
(ありがとうございます、でも「あなた」の方がしっくりくるので。)

B: "Pues como quieras."
(じゃあ、お好きなように。)

f:id:kaedetaniyoshi:20191216004914j:plain

【最近の話】
つい先日、とあるレストランの経営者の女性と初めて話す機会があった。その時、頭の中で一瞬「tú」で行くか「usted」で行くか、を考えた。相手は50代半ば。私は24歳。

いつもなら敬語で行くところだが「この人とは "tú" の方が良い」と思った。そう判断したメインの理由は、

今後、関係が続きそうだから。

その日だけ話す相手であれば「usted」を使っただろう。でも、これから親しくなり、上下関係を持たない状態で連絡を取り合って行くのなら「tú」の方が、円滑な関係を築いて行き易いと思った。…それで正しかったのか、20分後には "cielo" や "cariño" と呼ばれるようになった。ありがたい。

呼び方はどうであれ『親しき仲にも礼儀あり』の精神は、今後も大切にしていきたい。誰に対しても。

バルセロナ生活 記事一覧

つぶやき 記事一覧

海外生活 記事一覧

おすすめ記事:

【第二言語習得における】真のギブアンドテイクとは。

私が思う言語の醍醐味は、ギブアンドテイク

外国語を習得すると「自己」の世界だけでなく「他者」の世界も広がる。

自分はこの世界に1人、他者は無数
➡︎ 自らが得る利益や幸せより、誰かに与える利益や喜びの方が何倍も多い。

第二言語学習者の多くは「ネイティブレベルに到達するメリット」として…

・良い条件の仕事に就ける
・資格を取得し、給料が上がる
・海外生活や旅行がしやすくなる
・友達が増える
・膨大な情報にアクセス出来るようになる

などを思い浮かべる。が、これらはいずれも自分の「利」であるため、ギブではなく、テイクと言えるだろう。

f:id:kaedetaniyoshi:20191130033857j:plain

【言語のギブとは】
インテルカンビオの決まり文句『日本語を教えるから、スペイン語を教えて』のような「言語交換」だけが言語におけるギブアンドテイクではない。

ギブ: 話せる言語が多ければ多いほど、たくさんの人に影響、新しい知識、情報を与えられる。社会貢献や、感謝される行い、仕事をすることも可能。要するに、ギブとは、〇〇語が話せるという大前提の元、誰かの役に立つこと。

テイク: 日本語には翻訳されていない有意義な講義や講演、本、論文から豊富な知識をリアルタイムで学ぶことが出来る。学問的視野が広がるだけでなく、ネイティブの友達や知り合いが増え、その土地へ「歓迎」してもらえるようになる。そうすると、身を以て文化や習慣を感じられる。自分が生まれ育った国の外でも通用する人間になれる。

 

最近、私が日常生活で使用する言語の割合は、スペイン語5.5割、イタリア語4.5割。(半年前は、7:3くらいの割合だった。) イタリア語しか話せない人と関わる時間が増えた。

【ちょっとした使命感】
1ヶ国語しか話せない人と会話をすると「日本人と話をしてみたかったんだ」と、嬉しそうにあれこれ話や質問をしてくれる。

彼らは、日本人と話したくても、

・共通の言語がない
・出会いがない

学生や、国際企業に務める人であれば、二言語以上話せたり、外国人と関わる機会があったりするが、そうでなければなかなか。

・年配の方
・地方在住の方
・外国人がいない学校や職場

そんな中、出会えた。

・共通言語 ➡︎ ある!
・出会いのチャンス ➡︎ あった!

「せっかくだからいっぱい話そうよ」

これまでにこう思えた相手のほとんどが、

ご近所さん。

バルセロナのピソでは、1階に住むおじいさんと週に2,3回、玄関近くの階段で立ち話をしていた。2階に住む60代のご夫婦とは、晴れの日に屋上の洗濯干し場で。

1階のおじいさんは、ペトリチョル通りでギャラリーを営んでいる。美術や文学にとても興味がある方で、立ち話にしては濃い内容 (日本の義務教育期間で習う美術や、文学作品、哲学、神道と水墨画の関連性など)。とても楽しかった。ご夫婦の方は、娘さんの旦那さんのご兄弟が東京で仕事をされているらしく、日本とスペインの治安・文化・習慣・仕事スタイルの違い、が主なテーマであった。

f:id:kaedetaniyoshi:20191130045319j:plain

カラブリアのピソでも、立ち話をする頻度が増えてきた。隣に住む50代後半の猫好きなおじさんとは、動物、写真、旅行の話を10分ほど。今日は、私が外で空の動画を撮っていると車で帰ってきた。空の色、対流圏の厚さについて話した。昼過ぎ、買い物から戻ると、裏に住む80代半ばのおじいさんが「久しぶりだねえ」と話しかけてくれた。彼も「若い頃から日本人と話してみたいと思いつつ、チャンスがこれまでに一度も無かったんじゃ」と語る一人。あっという間に30分。先日、ローマの教皇 (パパ) が、日本を訪問し、新天皇陛下と会った話から始まり、日本人がスペインやイタリアで働く難しさ、カラブリア生活の感想、1940年代のヤマモトと言う軍人。

f:id:kaedetaniyoshi:20191130045953j:plain

「言語が壁で...これまで出来なかった」こう聞くと、少し使命感を感じる。「これまで」が「数ヶ月」なのか「数十年」なのかは分からないけど、その時間と思いを「今」にギュッと凝縮出来るように、全てに応える。

【言語と知識と教養】
日本を離れて以来、幾度となく感じてきたこと、それは…

『対等に話をする』ため、

『相手に何かを教える』ために、

必要なのは言語だけではない。

知識・教養も、不可欠。

だということ。

上に挙げた会話以外にも、高校生の頃の自分では上手く答えられなかったであろうテーマについて、毎日話す機会がある。

相手に喜んでもらえたら、自分も楽しめたら、『これまでの学び』の価値がグッと上がる。そして、これからもいっぱい勉強しようと思える。

英語で『感謝』を意味する appreciate (アプリシェイト) には「価値を上げる」と言う意味もあるが、まさに。

 

【技術や文化も】
不自由なく現地の人とコミュニケーションが取れると、日本で得た技術を正しく伝えることも出来る。スポーツ技術、IT技術、医療技術、そして日本食、建築、書道、金継ぎなどの文化的なテクニックも。

【もうひとつのギブ】
まだ日本にない技術を海外で学び、自国に持ち帰ったり、日本語に翻訳されていない情報をスペイン語から日本語に訳して、シェアする行為は、言語のギブアンドテイク (例: 自分⇄スペイン人) の、もうひとつ上な気がする。反対方向にもGIVEが現れるような。

日本人⇄自分⇄スペイン人

あるいは、

Y人⇄自分(X人)⇄Z人 も可能。
(例: イタリア人⇄自分⇄スペイン人)

f:id:kaedetaniyoshi:20191130030040j:plain

海外生活中、幅広い年代の人と、たくさん話をした方が良い。せっかく「共通言語」と「出会えた縁」があるのだから、一対一で、時間を気にせず、ゆっくりと楽しい対話を。

【動画の和訳】
これからたまに、好きな講演のダイジェスト動画を和訳し、シェアしていく。主にスペインの著名人・教育者たちが、自らの「哲学的思想」を語る1時間が、5分前後にまとめられたもの。面白くて、つい見入ってしまうチャンネル ⬇︎

「聴く」を学ぶことが大切な理由 ⬇︎

「今を生きる」を学ぶ ⬇︎

偉人になるのに「天才」である必要はない ⬇︎

「幸せ」は存在しないが、毎日を幸せに過ごすことは可 ⬇︎

人生とは生きるのではなく、いかに記憶し、語り伝えていくか ⬇︎

「謝罪」は痛みを癒せるか ⬇︎

スペイン語のビデオ和訳 記事一覧

つぶやき 記事一覧

おすすめ記事:

【言わなきゃ伝わらない】気持ちを汲み取る文化が無い世界。

日本とスペインとイタリアにおけるハイコンテクスト文化ローコンテクスト文化について。(「言わなくても察してくれる文化」と「言わないと何も伝わらない文化」のこと。)

f:id:kaedetaniyoshi:20191119014535j:plain

【前書き】
異文化コミュニケーション学の先駆者と呼ばれるアメリカ人の文化人類学者、エドワード氏 (Edward Twitchell Hall) が1970年代に提唱した2つの概念;

① ハイコンテクスト文化
➡︎ 察する / 曖昧な表現

② ローコンテクスト文化
➡︎ 言葉で伝える / 直接的な表現

日本人は、ハイコンテクスト文化の代表である。日本語には、直接的な表現が少なく、互いに相手の気持ちを察そうとする。「言わなくても伝わるよね」「なんとなく言いたいことは分かるよ」私たちからすればフツウなこの2フレーズを、西洋人は理解し難いようだ。

f:id:kaedetaniyoshi:20191119015848j:plain

ローコンテクスト文化代表は、ドイツ・アメリカ・スイスの3ヶ国。主な特徴は2つ;

・ネイティブ間に共通の価値観・感覚が少ない
・相手が言語で表現した内容のみを理解する傾向

意外にも、南ヨーロッパの国々は、世界的に見ると『ダイレクトに言葉を発しない文化』に入るらしく、スペインとイタリアは日本と同じ、ハイコンテクスト文化に分類されている。

が、実際に生活をしていてそうとは思えない。 

 

【スペインとイタリア】
両国とも『言わなきゃ伝わらない』文化を確実に有している。中には、空気が読める・気持ちを察してくれる人もいるが、やはり日本人特有の『言わなくても分かってくれる』アレには到底、敵わない。

海外生活5年半が経過し、だいぶストレートに物事を言う習慣が身についてきた。自分の時間が欲しい時には、カフェのお誘いを正直に断れるようになったし、全く興味がないジャンルの映画に誘われた時には「あんまり興味がない」とそのまま言えるようになった。「こう言ったら失礼かな?」と、変に相手を気遣うことが無くなった。

スペインもイタリアも『本音を伝えること』に重点を置いている。そこから信頼関係が生まれる。

例えば、友達の家に招待されたとする。その子のお母さんは自分をとても歓迎してくれ、張り切って夕食を作ってくれた。食卓に並ぶ数種類の料理。どれも美味しそうだが、特に自信作だと言うメニューには自分の大嫌いな食材が入っている。

この場面、

日本人の多くは『黙って食べる』だろう。嫌いということがバレないように、気を遣って、美味しくなくても美味しいと言いながら。

スペイン人とイタリア人ならどうするか。

まず、その食材が「あまり好きではない」ことを正直に伝える。「苦手なんだ、ごめんね」と言い、全く手をつけない子もいれば「嫌いなんだけど、ちょっと試してみるよ」と、味見する子もいる。

特に、イタリア人は『偽善』を嫌う。何よりも失礼だと考える。確かに、ここで嫌いな食材を言わなければ、またご馳走になる機会があった時にも「ウソ」をつかなければならなくなる。2回目で「実は…」と口を開くと、お母さんは前回騙されていた気持ちになってしまうだろう。もし、私が後からこっそり「実は嫌いだったんだよね」と友達に言うと、その子は必ず「なんで?嫌いなら嫌いって言うべきだよ!」と非難する。「お母さんにバレなくて良かった」と返す子は誰一人いない。

【男女のやり取り】
日本人同士だと「絶対あの子オレのこと好きだ」とか「脈なしかも」と、なんとなく分かる。それ故、好意を寄せる相手にストレートな気持ちを伝える必要がない時もある。逆に、相手のチャットの文面が明らかに素っ気ない時には「あれ?何かしたかな?」と心当たりを探したり「連絡しすぎかな…」と反省してみたり。だから、

・「好き」と言わなくても好意は伝わる
・しつこい相手は無視をしておけば次第に止む

一方、スペイン&イタリアは、真逆。どちらの気持ちも言葉にちゃんと乗せないと…。

【仕事の場面】
大事な契約や給料に関して曖昧な内容があれば自分から言い出そう。「お金の話をダイレクトにするのはいやらしいかな」と、自分の判断で (日本の常識で) 言葉を省いてしまうと、誤解が生じ、問題が起こってしまう。だから「ここまで言わなくても分かるだろう」という考えは、捨てるべき。

シフト: 入りたいのか入りたくないのか
能力や技術: 出来るのか出来ないのか
自信とやる気: あるのかないのか
前提条件: 納得か不服か

辞める時も、文頭で「辞める」と断言し、それから理由を述べる。最初に感謝の気持ちを述べたり、エピソードを入れたりすると上司は『…で、結局何?』状態になりかねない。

【役所等オフィシャルな場面】
朝の8時からビザの手続きで警察署に行っていたとする。待てど暮らせど、呼ばれる気配がない。もうすぐ15時。事務の人とは何度も目が合っているし、午前に会話も交わしている。忘れられていることはない…はず。

➡︎ このシチュエーション、日本人は「朝から待っていることは認知されている」と思い込み、待ち続ける。或いは、周りもみんな待っているし、自分も待っていよう、と我慢するだろう。そもそも日本なら、こんなに待たされないが、数時間待っていれば、警察署の人が「すみません、だいぶ待たれていますよね?」と話しかけてくれるだろう。「用件を伺ってもよろしいでしょうか」と。…だからその時を待つ。しかし、海外では自分から言い出さないと、向こうから聞きになど来てくれない。お客様をあそこまで大切に、丁重に扱う国は日本だけ。

【まとめ】
スペインやイタリアで、現地の人と対等な関係を築いていくのに大切な3点は、

① SÍ / NO をハッキリと
② 自分の本心を述べる
③ 気遣う一言を添える

日本人の相手の心情を推察する力は、生かし続けて良い。が、相手に「読む力」を期待してはいけない。もっと自分を知ってもらいたい、もっと相手を知りたい、と思うのであればたくさん会話をしよう。言葉で伝えよう。この意識の元、生活を送っていれば、自然とコミュニケーション能力が身につき、グローバルの波の中でも、良い人付き合い・仕事が出来るようになる。翻訳者や通訳者だけでなく、海外で生活をする人たちは皆、ハイコンテクスト文化ローコンテクスト文化について正しい認識を持っておく必要があると思う。

バルセロナ生活 記事一覧

つぶやき 記事一覧

海外生活 記事一覧

おすすめ記事:

【500記事目】私の生い立ちと家族

キリの良い記事数の時には「自分のこと」を少し書いてみよう!と、300本目では、これまでのキッカケをテーマとした。あれから8ヶ月ちょっと経ち、500本目に到達。今回は、私の生い立ちと家族について。

【生い立ち】
1995年4月26日香川県生まれ。父と母は大学時代からの大恋愛の末、結婚したが、その2年後、妊娠中に父が浮気をし、調停離婚となる。(その後は、祖父が全面サポートをしてくれ、今に至る。) 母の再婚をきっかけに3歳から岡山県で暮らし始めたが、小学校を卒業するまでは毎週末、アンパンマン号に乗って瀬戸大橋を渡り、香川県の祖父母の元へ遊びに行っていた。だから自分の中にある第一の故郷は、岡山ではなく香川で、家ではバリバリの讃岐弁。

母が書道の先生と言うこともあり、物心ついた頃からえんぴつと筆を持って文字を書いていた。2歳から始めた日記は、今も自宅の勉強机の上にあり、帰国の度に書き続けている。(さすがに2歳の頃はまだ文字ではなく、読める字になったのは3歳の七夕の短冊あたりから。) 

f:id:kaedetaniyoshi:20191114010014j:plain

言葉遣いや行儀作法は、小さい頃から厳しくしつけてもらった。でも、自分の好きなことは自由にやらせてもらえる家で、心地の良い「期待」をいつも感じていた。「勉強しなさい」と言われた記憶はない。そのおかげで、勉強は嫌いじゃなかった。むしろ好きだった。

f:id:kaedetaniyoshi:20191027195908j:plain

【家族紹介】
私の性格は、以下の4人のものが見事に混ざっている。

: 物事が上手く行こうが、そうでなかろうが、全てを「縁」だと考える。明るくて面白くて、サバサバした性格。1人の時間が大好き。バトミントンと料理と刺繍が上手。もちろん字も。母とはお互い女友達の感覚で何でも言い合え、昔からとても仲良し。この世界で唯一、以心伝心が出来る相手。車はオールドミニ (今は深緑色) に、バイクはベスパに乗っている。キャンディキャンディの時代。好きな色は若草色。

実の父: 超プラス思考。他の人が絶対に思いつかないような面白いアイデアをすぐに思いつく。視力が悪くてもメガネはかけない。見えないものは見えなくて良いと言うタイプ。(一緒に生活をしたことはないが、赤ちゃんの私を抱っこしている写真は数枚持っていた。18歳の冬「高校を卒業してスペインへ行く」という人生の節目を機に、初めて会った。笑った顔も、話し方も、ポジティブ過ぎる考え方も、笑いのツボも、困った時に動く眉毛も、全てが自分に似ていて不思議だった。DNAってすごい。)

母方の祖父: めちゃくちゃ頭が良い学者。数学、設計、理科、哲学、天文学、パズル、電気系、語学、プログラミングなど。出来ないものはない。CPU (人間で言う脳の部分) が、ものすごいパソコンを自分で作ったりもする。ゲームも好きで、ファミコン時代から買い揃えていた。「ゲームも文武両道の一貫!」と、毎週土曜にソフトを1つ買ってくれた。小さい頃から何を聞いても真面目に答えてくれるし、どんな遊びにも付き合ってくれる。何時間でも一緒に語ってくれる。本当に本当に優しい人。働き者で、まだ現役 (今年79歳)。何事に対しても「なぜ?」と思える好奇心はじいちゃんから受け継いだ。

母方の祖母: 陽気で誰とでもすぐに友達になれる人。いつも笑顔。温泉と掃除と洗濯が大好き。料理上手で、何を作っても美味しい。歌もすごく上手い、演歌歌手。人を見極める力に秀でていて、パッと見ただけでその人のことをどんどん当てていく不思議な力を持っている。お金を貯めるプロでもある。私の無駄遣いをしない性格と運動神経の良さは完全にばあちゃん譲り。あと、異様に相手を読めてしまう変な力も。口癖は「かえちゃん、帰ったら温泉行こで!ご飯も行こで!」と「勉強しょんな?」と「真面目な人、選びよ」(笑)

そして、

: 4歳下で、私にない要素を全て持っている: 真面目、素直、忠実、積極的、優しい、人の悪口を言わない。でも、…いわゆるアホ (笑) このブログの「効率よく学ぶスペイン語シリーズ」は、もともと弟のために作ったもの。名前は私と同じで、漢字一文字。未だに喧嘩はするけれど、年に2,3回は2人で旅行する仲。高校を卒業後は、短期寿司職人養成コースを出た。2018年の夏から1年間バルセロナで、午前は語学学校、夕方から深夜1,2時までは仕事というハードな生活をやり遂げた、頑張り屋。今は、ダブリンにいる。

育ての父は、弟と同じ性格。岡山でセブンイレブンを経営していて、この20年間、365日働いている。休んでいるところを見たことがない。(帰宅して柿ピーを食べている時を除く。) 頑固で気分屋で融通が利かない。マニュアルを100%守るタイプではあるが、犬が1匹増えてても気づかなかった。動物嫌いなのが犬にも伝わっているのか、未だに毎晩帰宅時、泥棒が来たレベルに吠えられている。サーフィンが好き。海外旅行は、ジェスチャーで乗り切るタイプ。

f:id:kaedetaniyoshi:20191113175758j:plain

ペットは、犬が2匹 (ワイヤーフォックステリアと、レイクランドテリア) と、うさぎが1匹 (ロップイヤー)。去年からうちの家族に仲間入りしたうさぎは、今年の夏に脱走歴有。名前は、テリー、レック、ロップ。テリー (白と黒の方) は、私が12歳の時に家に来た。その翌年にレック (茶色い方)。ずっと見てられるほど可愛い。

f:id:kaedetaniyoshi:20191027212340j:plain

【幼少期の習い事】
4歳の頃から高校生になる直前までピアノを習っていたためか、絶対音感を持っている。中3の合唱コンクールではクラスに伴奏を弾ける子がおらず、…引き受けることに。(髪の毛はずっと長く、ポニーテールをしていたが、中3の冬にバッサリ切った。それ以来、今もボブ。)

f:id:kaedetaniyoshi:20191112180615j:plain

サビと最後の伴奏が特に綺麗な曲だった。

硬式テニスは、7歳の頃、母の勧めで始め、すぐに自分に向いているスポーツだと分かった。空手は楽しさを感じず、1,2年で辞めた。最も気に入って、長く続いた英会話の先生は、NYのダンサーCEBO (シーボ)。

 

勉強は授業中だけで、塾には通ったことがない。ソフトボールは小学校高学年から始めた。背番号は13番で、ポジションはファースト。アメリカに渡り、女子プロ野球選手になりたいと本気で思っていた時期があった。同時に、プロテニスプレーヤーにもなりたかったけど。 

f:id:kaedetaniyoshi:20191027210624j:plain

【スポーツ】
水泳とマット運動は大の苦手。球技と陸上は全部得意。中学では、女子ソフトテニス部に所属し、地区のブロック大会優勝、市の大会優勝、〇〇カップ優勝、県大会上位など好成績を毎年残した。テニスの好きなブランド (メーカー) は、ウィルソンとアディダス。野球なら、アンダーアーマーとミズノ。

【本棚】
三丁目の夕日、こち亀、コロッケ、コナン、ちびまる子ちゃん、の漫画がいっぱいある。あとは東野圭吾さんの小説。ゲームは、キューブなら、牧場物語ワンダフルライフ for ガール、どうぶつの森、ピクミン、スーパーマリオサンシャイン、が大好きだった。アドバンスやSPなら、メイドインワリオシリーズ、さくらももこのウキウキカーニバル、トマトアドベンチャー、テトリス、スーパーマリオアドバンス3。

f:id:kaedetaniyoshi:20191113202346j:plain

【天体観測】
じいちゃんに天体望遠鏡を買ってもらって以来、真冬でも月や星を何時間も見ていた。天文学に目覚めた2011年。⬇︎ せっかくの写真になんでこんなに大きく変な文字を入れたんだろう。月より目立ってる。

f:id:kaedetaniyoshi:20191109074331j:plain

【高校】
高校に入る前の春休み、ソフトボール部の練習に参加し、右手中指を複雑骨折。入学式は右手に包帯を巻いていた。式の終わりに、硬式テニスの先生から勧誘の猛アタックを受け、テニス部も視野に。先生は中学までの戦績を知っていて、100%テニス部へ入ってくれるものだろうと思っていたが、全く見学にも来ないから、焦っていたらしい。結局どちらにするか決められず、入部届けの締切日「最初に会った顧問の先生の部にしよう」と決めて登校。テニス部になった。シングルスでもダブルスでも団体戦でも中国大会へ行き、最高に充実した3年間。岡山城東高校は県内で有名な進学校でありながら、テニス部はかなりの文武両道で、1年に休みは数日しかなく、土日は全て試合と県外遠征。「朝練へ行くのに始発、帰宅と同時に晩御飯」という生活を送った。部活は大好きだったけれど、高校自体は好きじゃなかった。グローバルを謳う割に、スペイン行きを全く応援してくれなかったところと、文化祭での妙なはっちゃけが…どうにも好きになれなかった。国際教養学部卒。

f:id:kaedetaniyoshi:20191027205724j:plainf:id:kaedetaniyoshi:20191113234501j:plain

【これまでに抱いた将来の夢】
小さい頃: お花屋さん
小学校前半: テニスプレーヤー
小学校後半: 外国で人の役に立つ仕事
中学校前半: 女子プロ野球選手
中学校後半: 天文学者か裁判官
高校: 言語を使った仕事 (通訳や翻訳)

現在の夢は「結婚して子育てをしながら平凡に、幸せに、暮らす」こと。仕事は、必要であればする。住む場所は、旦那さんの仕事や、やりたいことに合わせる。だからスペインとか日本とか絶対的な希望は持っていない。(…と言いつつも、まだ相手探しの段階。)

【嫌いなもの】
① タバコ (臭い+自分にも周りにも害になるものに対してお金を払うことがそもそも理解出来ない)
② 中途半端に何かをやること (どうせやるなら本気でやりたい)
③ 時間を無駄にすること

【お金の使い道】
欲しい物は無い。安い物をいくつも買うより、高くて質の良い物を1つ買ってずっと使う派で、滅多に買い物をしない。バック、ネイル、化粧品、アクセサリーに魅力を感じることは今後もない気がする。自分の「内側」を高められるもの (例: 旅行、本、誰かと外食、美術館、スポーツ観戦など) には、あまり躊躇せずお金を使っている。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112182233j:plain

今回はテーマを「生い立ちと家族」 としたので、価値観についてはまた次回。

つぶやき 記事一覧

私の好きな〇〇 記事一覧

おすすめ記事:

【合格率9.8%の国家試験】全国通訳案内士スペイン語を受けた感想と結果

2019年8月18日(日)、初めての国家試験である「全国通訳案内士試験」を受けた。先日結果発表があり、今日やっと通知が自宅に届いたので、記録がてら1本書いておくことにする。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112063214j:plain

【どんな資格か】
日本に存在する唯一の語学系国家資格で、全国通訳案内士は、プロの観光ガイドとして報酬が得られる他、プロの通訳としての仕事も広がる。2018年1月以降、残念なことに観光ガイドは、無免許でもお金を儲けれるように法が変わってしまったが、この資格保持者は、大手の旅行会社や企業から仕事がもらえやすい。無論、フリーランスとしても活動の幅が広がる。

【合格率】
ここ3,4年は特に合格率が低下していて、2018年度はなんと10%を切った、9.8%だった。

【難易度】
国家資格難易度ランキングによると…

f:id:kaedetaniyoshi:20191113022127j:plain

【なぜ難しいのか】
試験は、計5科目。

① 日本地理
② 日本歴史
③ 一般常識 (産業/経済/政治/文化)
④ 通訳案内の実務
⑤ 外国語

これらが免除となる資格を見てもられば、何となく難しい理由が分かるだろう。

日本地理: 総合旅行業務取扱管理者
日本歴史: 歴史能力検定1級
一般常識: 大学入試センター現社80点以上
通訳案内の実務: 免除なし
外国語 (スペイン語): DELE C2

いわば民間外交官であるため、どの分野においても高い知識と教養を持っていなければならない。

・合格基準は原則として各科目70点
・1科目38問前後で試験時間は40分
・外国語のみ120分
・英語以外の言語はマークシート方式ではない
・試験開始は朝の10時で終了は17時

【外国語】
この試験のスペイン語は上に記した通り、DELEのC2 (最上級) と同等。英語で言うと、英検1級もしくは、TOEIC 900点以上 (スピーキング160点以上、ライティング170点以上)。非常に高いレベルが求められる。

① 外国語と日本語、両方のわずかなニュアンスまでも理解し、文章やスピーチを自然な言い回しでパパッと翻訳する力

② 日本の文化、習慣、歴史、建造物、産業、医療に関する知識と説明力

③ 完璧な文法と正書法

読解力に加え、①②③の能力が必須で、C2を取るよりも難しいと思われる。

 

【過去問の一部】
日本地理 ⬇︎

f:id:kaedetaniyoshi:20191112030325j:plain

日本史 ⬇︎

f:id:kaedetaniyoshi:20191112030213j:plain

一般常識 ⬇︎

f:id:kaedetaniyoshi:20191112030602j:plain

通訳案内士の実務 ⬇︎

新教科のため過去問なし

スペイン語 ⬇︎

f:id:kaedetaniyoshi:20191112030726j:plain

f:id:kaedetaniyoshi:20191112030749j:plain

【感想】
外国語(スペイン語) に関しては、絶対に合格している自信しかなかった。今年 (2019年) の翻訳は、安倍総理のスピーチや、令和のという名前の由来等、旬なテーマが出た。例年と同じく、言語のレベルだけでは突破できない内容で、文化はもちろん、地理と歴史の知識も多く含まれていた。面白かった。

日本史は、過去最高にマニアックな問題がズラーっと。いくつかの予備校が試験後に出す『解答速報』の発表予定時刻が遅れるという前代未聞な事態になるほど。難易度を何かに例えるなら、日本全国でかくれんぼ。範囲が広過ぎてキリがない、細かい。答えを4つから2つに絞れても…なかなか。

日本地理は、自分の県の問題を二問とも外してしまった... ⬇︎ けど、過去問通りのレベルだった。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112032050j:plain

般常識は、大問ごとにジャンルが分かれている。観光データ、法律、世界遺産、日本文化は、ほぼ満点だった。が、時事問題には疎く、解きながら、もっと日本のニュースを見ないといけないと思った。例えば、東京に出来る新しい2つの駅の名前 (高輪ゲートウェイと虎ノ門ヒルズ) は、両方とも知らなかった。鉄道系の問題も苦手。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112033102j:plain

通訳案内の実務は、世界の宗教に関する正しい知識 (例えば、それぞれの礼拝の時間・用語・食生活・思想など)、ガイドや通訳業の法律全般、災害が起こった時の対処、救急救命、食事制限、旅行業の知識、旅程管理など、これも範囲が広かった。新しい科目だから過去問は無かったが、好きなジャンルだから楽しく学べた。

 

【どうやって勉強をしたか】
独学で。過去問は数年分ネット上に出ているし、出題範囲となる資料も全て観光省のHPにあるから、PDFで勉強可能。唯一買った対策本は ⬇︎ とても良い。もっとよく読んでおけば良かった…。

全国通訳案内士試験「地理・歴史・一般常識・実務」直前対策 [ 植田一三 ]

価格:2,640円
(2020/2/29 06:40時点)

一般常識と通訳案内の実務に向けては、超分厚い観光白書を全て読んだ。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112034507j:plain

まず、全教科 (通訳案内の実務を除く) の10年分の過去問を解き、分からなかった問題や用語を調べ、そこから更に関連項目を学んでいくという、発展式勉強法を続けた。スペイン語は、出題されそうなテーマから書く練習をした。精進料理、懐石料理、黒衣、文楽、枯山水、無形文化財、神道、義理、年功序列、葵祭、建前、終身雇用など。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112061553j:plain

日本史は中学校以来。とりあえず時系列に沿って一から勉強をした。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112061549j:plainf:id:kaedetaniyoshi:20191112061550j:plain

日本地理に対しては当初、全く興味が持てず、勉強が捗らなかった。しかし、今度帰国した時の『国内旅行の行き先探しをしよう!』と思えば楽しくなり、…本当に最後の最後、意欲が湧いてきた。

f:id:kaedetaniyoshi:20191113023805j:plain

【悟りと出会い】
試験当日の朝9時前、立命館大学いばらきキャンパスの最寄り駅に到着。その瞬間「あ、…こういう感じか」と悟った。ズラーーーっとキャンパスに向かって歩く人たち。その4割は、50代後半〜70代手前で、腰をかがめて歩いている人も数名。もう4割の人たちは40代〜50代くらいで、いかにもな雰囲気を漂わせている方々。背筋を伸ばして、自信に満ちた顔で歩いていた。私の年代は、駅に着くまでに10人見かけたかどうか。

セブンイレブンでお昼ご飯を買い、外に出るとおじいさんが「通訳案内士の会場はこっちかな?さっぱり分からん」と困っていたので『そうですよ、私も行くので。もし良かったら一緒に。』と言い、歩きながら過去の試験のお話を伺った。その方は、7回目のリベンジだ!と、はにかんだ。

駅とキャンパスを繋ぐ道は、異様な熱気だった。「うちの予備校は、試験後に解答速報をどこよりも速く出します!」「うちは二次試験のコースを!」「うちは昨年度の合格率が予備校界イチです!」「ぜひうちに!」「うちの解答速報もお願いします!」「頑張ってください!」と、卒業式の花道のようにバーっと向こうの方までパンフレットやビラを持った人たちが並んでいて、要りもしないチラシを永遠に手渡された。

f:id:kaedetaniyoshi:20191026164841j:plain

受験番号別に教室に入り、着席。その部屋にいた70人前後は、全員がスペイン語受験者なのかと思いきや、中国語と韓国語を選択している人もいた。私の席は一番前。周りの人と話すような空間ではなかったため、休み時間はノートを見返した。お昼ご飯を食べ終わると、後ろの席のおばあちゃんと右隣に座っていた50代の女性に話しかけらた。

「すっごい若いけど、あなた何歳?」

24です。と答えると驚かれ、学歴を聞かれた。

やっぱりこの世界は『縁』で出来ていた。おばあちゃんは岡山県在住、女性は20年バルセロナに住んでいたことのある金沢在住の方。

そこから一気に、お二方との話に花が咲いた。

バルセロナも岡山も私の地元

「この試験は、数年かけて合格するのが一般的。」と、この日お話させていただく機会があった方々は口を揃えた。10年かけてやっと去年合格出来た知り合いがいるほどだ、と。やっぱり、駅での悟りは正しかった。

f:id:kaedetaniyoshi:20191026165039j:plain

若いうちに知識を詰め込みたい。

【結果】
スペイン語通訳案内の実務の二教科は、合格!でも、三教科がダメだった。まだまだ勉強しないと。特に日本歴史。日本地理と一般常識は、もう一息。

f:id:kaedetaniyoshi:20191112035357j:plain

観光ガイドという職は視野にないため、外国語に受かって十分満足している自分がいる。でも、2019年の夏の上を行きたい自分もいる。この結果を見て久々にモチベーションが上がった。と、同時に受けて良かったと思えた。来年は、二教科が免除で、三教科受験となる。

【スペイン語対策】
これ、すごく良かった。過去問を解けば出題傾向が読めてきて、ばっちり予想が的中した。何より解答例がありがたかった。 自信を持っておすすめ出来る一冊。

全国通訳案内士スペイン語過去問解説(平成30年度公表問題収録) [ 高松朋子 ]

価格:3,630円
(2020/2/29 06:46時点)

プロフィール: Kaede Taniyoshi

つぶやき 記事一覧

スペイン語 記事一覧

海外生活 記事一覧

おすすめ記事:

【年齢は時に縛りとなる】日本と西洋の概念の違い。

日本とスペイン、日本とイタリア、どちらの国と比べても圧倒的に日本が好きだ。

そう思う要素は日に日に増える一方だが、これまでの海外生活の中で1つだけ「西洋の方が良い」と感じることがある。

それは、年齢の概念

f:id:kaedetaniyoshi:20191110041240j:plain

「今、歳はいくつ?」

この質問を日本でされるのと、こちらでされるのとでは何かが違う。日本ではこの質問の答えを聞いた瞬間から何かが変わる。…話し手と聞き手、両者の中で自動的にカテゴリーが生まれる。

年下・タメ (同い年)・年上

日本人は、相手が1歳でも年下だった場合、自分の位の方がやや上に。相手が同い年だと、仲間意識を感じる。相手が年上だと、言葉遣いだけでなく、心まで少しへりくだってしまう。

これまでになかったはずの距離が生まれることもある。お互いに。

スペインイタリアでは何も変わらない。

私が年下であろうが年上であろうが、相手の態度・言葉遣い・顔色、何も変わらない。敬語を使うこともないから、1秒前と同じ距離で会話が続けられる。

だからきっと、自分が自分で居やすいのだろう。

 

 

日本には2種類の「尊敬」が存在する。

① 年齢に関係なく憧れる尊敬 (尊重)
② 年齢の上下での尊敬 (謙遜)

前者はどこの国にも存在するが、後者の方が色濃く、空気化している国は少ない。1歳下なだけで、1歳上なだけで、言葉遣いが変わる、珍しい風習。

なぜ、ここまでハッキリと線引きをするのか。

それは、年齢が日本社会における重要な概念の1つになっているからだ。

しかし、時にこれは「縛り」と化す。

4歳なのに上手く話せないの?

14歳で留学に行くの?

17歳でまだ将来の夢がないの?

20歳でまだ大学入ってないの?

24歳で学部を変える?

35歳なのに音楽で食べて行こうと?

40歳なのに転職?年収はたった〇〇?

50歳なのに新しい恋人ができた?

60歳なのに新しい言語を学び始めるの?

70歳で世界一周旅行?

「で」と「なのに」

この言葉の裏には社会が形成した年齢の縛りが隠れている。

: まるで世間 (常識) からズレているかのよう
なのに: まるでその行動が無駄になるかのよう

 

 

スペインやイタリアでは、大学に入学する年齢も卒業する年齢もバラバラで、同級生の歳が10以上開いていても全く驚かない。バルセロナ大学では、60-65歳以上の方が授業を受けていることもよくある。

建築を専攻していたけど、哲学が本気でしたくなった、と19歳から始めた学部を24歳で変更する人もいる。この選択が就職で不利になることはない。

籍を入れない事実婚が多いせいなのか、40歳後半〜70歳近くになっても「新恋人」ができる人が多い。が、『え、その年で?』みたいな反応をする人は日本ほどいない。

【日本の競争心】
海外に住んでいると、良くも悪くも日本の「競争心」を忘れてしまう。

世界が国際競争を繰り広げている中、

日本は『内より外』を比べ過ぎてはないか?

争いを好まない国民性。

その蓋を開けてみれば経歴や歳で争っているような、ベクトルが他国とは逆方向を向いているような、そんな印象を受ける。

『どこでどのくらいの期間△△を学んだ』より『何歳で△△をしたか』

『何がしたいか』より『企業/ブランドの知名度』

『どんな素質を持っているか』より『新卒かどうか』

スペイン人やイタリア人は、何に対して「競争心」を持っているのだろう。こちらにきて6年近くなるのに、思い浮かばない。

【どう生きたいか】
日本に帰国するたび、私にこう聞いてくる人たちがいる。

「将来何になるの?」

スペインやイタリアでは、答えに職業がくる質問の仕方はあまりされない。

「将来何がしたいの?」
「どんな生き方をしたい?」

西洋の思想ではではなくに重きを置いているのか、ただ単に聞き方が違うだけなのか。

「何になるの?」って。小さい、狭い。もう既存している枠に収まらないといけない感じ。

どれだけ上手に収まりきれるか

じゃなくて、

どれだけ個性がはみ出ているか

だと思ってるんだけどな。

…そうとは言えず、少し質問に沿って『〇〇になりたいっていう夢はなくて、幸せな家庭を持てたらそれで。』と答えている。

つぶやき 記事一覧

おすすめ記事:

【人生の選択】これまでに私が決断をしてきた方法

2017年の5月、人生の選択 (正確には進路選択) にやや悩んだ時期があった。その時、カテドラルの前に座って、ゆっくりと過去の「選択肢」「選んだ道」を書いた。なぜ、自分が今ここに辿り着いたのか、整理した。

f:id:kaedetaniyoshi:20191105160923j:plain

(当時のメモだから字が汚く見にくいけど、ご愛嬌と言うことで。。。)

【自分の歩んできた道を整理】
未来の計画を立てるより、過去を振り返る方が好きで、よく「あの時、あの道を選んでたら今は…」なんてことを考える。こうなると分かっていても果たして過去の自分は同じ道を選んだだろうか?あそこで Sí と言っていたら?あの人と会っていなかったら?…。過去を視覚的に見ることで『今』に特別感を感じるようになる。こうやって自らが選んできた道なのだから頑張ろう、と思える。

【決断をする前に】
私は、パッと物事を決めるタイプではあるが、一度冷静に考える。

悩む期間は、最高10日。

必ずすること:
・片っ端から思いつく限りのメリットとデメリットを書き出す
・満足出来ていないことを書き出す
・何がしたいか何を変えたいかを明確にする
・家族に相談

それでも迷う時:
・過去の選択肢と歩んだ道を振り返る
・きっかけと出会いを「縁」と取る
・運任せにする

「どちらの道の方が失敗しなさそうか」で、決断をしたことはない。どちらの道の方が「可能性を広げられそうか」とか「楽しんでいる自分が想像出来るか」で選んできた。

 

【メモ】
上の写真のメモは、2012年 (高2の時) の、

・日本の大学か
・海外の大学か

という二択の選択肢から始まっている。

「日本の大学」から更に2択
① 野球
② スペイン語

「海外の大学」からも更に2択
① P.E.I. (カナダの島)
② スペイン

「スペイン」からは5つ
- 日本に帰国
- 観光学専門学校
- スペインの大学 (入試)
- 料理専門学校
- 発展途上国へボランティア

その2年後には、

- 大好きなスイスに本社がある某企業へ就職
- 起業
- ノルウェーでワーホリ
- スイスの大学へ編入
- メキシコで就職

など、これまでブログには書いたことがなかったワードが続く。…懐かしい。

日本の高校を卒業後、スペインの大学へ進んだ。現在は、イタリアの大学でも学位を取得を目指し、勉学に励んでいる。

実は、この2行の裏には30を優に超える選択肢があった。

【この記事を通して】
伝えたいのは「みんな進路選択は悩むものだよ」と言うこと。何気ない「今日」という日も、いつもそばにいる楽しい「仲間」も、色々な選択を自分でしてきた結果である、と言うこと。そして、これから先も「選択」を繰り返して行くんだ、と言うこと。

【最後に悩んだ日】
この紙を書いた、2017年5月10日。これが最近最後に「人生の選択」で悩んだ日。2年半が経過したが、今は何も悩みがない。珍しく、現在の生活にピリオドを打つ日が既に見えているからだと思う。中だるみをしている時、いつもと同じ日常に飽きた時には、自分で「終わり」を決めると良い。そうすれば新しい始まりへの一歩を踏み出せるし、より一層「今」を大切に思える。

f:id:kaedetaniyoshi:20191105161255j:plain

今日、想像出来ないことを明日閃くかもしれない。その時はその時。柔軟に、臨機応変に。

バルセロナ生活 記事一覧

つぶやき 記事一覧

私の好きな〇〇 記事一覧

おすすめ記事:

【ブロガーかYouTuberか】これからもこのブログ一本で行くのか。

Youtubeはやらないの?」と聞かれると
『しようと思ったこともあるよ』と答える。

f:id:kaedetaniyoshi:20191103222641j:plain

高校生の頃から映像制作 (特に編集) が大好きで、このブログを始める前、2017年の秋にはYoutubeをしようと思っていた。実際にビデオを撮って、編集をして、数本あげた。日本語ではなくスペイン語で。

でも、やめた。

【ブロガーを選んだ理由】
① 編集にかかる時間
→ 好きすぎてとことん凝ってしまう。音もエフェクトもBGMもCGも何から何まで。その結果、1本あたりにかかる作業時間 (量) がブログの数倍となることが予想された。

② インターネット環境
→ 視聴者さんのインターネット環境を考えた時、ビデオだとデータ通信量を食うと思った。ブログの方が、多くの人が気軽に見やすいんじゃないかと。(これは後に杞憂であったと分かる。) あと、これを考えた時期 (2017年の秋) と言うのは、イタリアの大学を開始した頃。新しい家にはWiFiがなく、自分のネット環境もベストではなかった。

③ カメラ機材
→ ブログはパソコン1台あれば十分だが、ユーチューブは、カメラ・マイク・ライトなど、質を高めようと思えばいくらでも上が存在する。PCのストレージも気になるだろう。= あれこれ欲しくなってしまいそう。

以上が、ユーチューブを始めなかった理由。

 

自分がまさか日本語で発信をするとは想像していなかった。なぜなら、2017年夏まではスペイン語のレベルを上げ続けるために完全日本語シャットアウト生活を送っていたから。(日本帰国時と家族や友達がバルセロナに遊びに来てくれた日を除く。) その解禁と共に、日本人アーティストの音楽を聞いたり、家族とたまに電話をしたり、日本語でユーチューブを見たりするようになった。ブログを2018年まで開設しなかった理由も、BCNに日本人の友達がいない理由も、ただ単に「日本語」を避けていたから。…この解禁については、またいつか気が向いたら。

【ブログのジャンル】
このブログには、映像の方が伝わりやすいジャンルが多く存在する。バルセロナのおすすめ情報は地図や写真付きの「記事」の方が見やすいが、スペイン語の発音、文法、留学の経験談などは「音と映像」の方が断然良いだろう、と思うこともある。

【動画欲】
先ほども言ったように、動画作りを始めると、何時間も費やしてしまうため、いつもはセーブしている。特別なイベントの時だけ「作って良いよ」許可を自分に出す。完成したビデオは、Facebookにアップ。最近はたまーに、その一部をインスタグラムに載せるが、そこでは自分以外の登場人物を極力伏せるようにしている。

f:id:kaedetaniyoshi:20191103231851j:plain

いつ見返しても面白い。旅行、クリスマスや新年の挨拶、車を買った日、日常のルーティーンなど、自己満足。(アカデミアGUIUのプロモーションビデオ以外は、完全に素。表情も喋り方もやる事も。)

f:id:kaedetaniyoshi:20191103232721j:plain

これからもYoutubeはやらず「動画はFB、情報発信はブログ」で行く予定。

 

【蛇足: カメラ】
カメラは、Canon Powershot シリーズを長く愛用している。この夏、新しいモデル SX720 HS を購入したが、それまでは1つ前の型を使っていた。デジカメにしては珍しいハイクオリティな映像が撮れる。し、プロのカメラマンも驚くほどの高倍率ズーム望遠。月のクレーターがはっきりと見えるレベル。何より赤色のボディがお気に入り。

f:id:kaedetaniyoshi:20191103224954j:plain

【動画編集アプリ】
無料のiMovieを16歳から使っている。高校の文化祭では、ドッキリの企画〜撮影〜編集、全てを担当した。部活の先輩を送り出す会では、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀を完璧に真似て、顧問の先生に先輩1人1人のエピソードを話してもらった。かなりの力作。みんな泣きながらも「本物の番組感」に爆笑だった、…懐かしい。もう7年も前だ。

【パソコン】
MacBook Pro に限る。今のこれを買う前は15インチを使っていたが、13インチの方が持ち運びに便利。ちなみに色はシルバーで、ステッカーは貼っていない。

f:id:kaedetaniyoshi:20191025000558j:plain

バルセロナ生活 記事一覧

イタリア生活 記事一覧

バルセロナのおすすめ情報 記事一覧

おすすめ記事:

【基準は自分】前例がないことをするということ。

f:id:kaedetaniyoshi:20191029154037j:plain

【どんな気持ちになるか】
ワクワク60%、ドキドキ20%、やる気20%

『誰もしたことがないこと』には、基準が存在しない。だからとても伸び伸びした気持ちになる。もっと向こうまで走っても、途中で止まっても、引き返しても、自由。その代わり、自分が「やめる」と思えばその時点で全てが終わる。「まだまだ」と思えばどこまででも歩み続けられる。基準は自分。

【前例がないことをするということ】
「自分が先頭で歩いていく」ということ。前には誰もいない。どちらの道を選べば良いのか、合っているのか、リスクが高いのか。何も分からない手探り状態で進んでいく。経験談を聞くことが出来ない。何度も困ったり、苦労をしたりする。試行錯誤を繰り返し、解決策を見つけて行くしかない。責任は全て自分にある。

不思議なことに、一定の場所までたどり着くと、これまでの不安が大きな自信に変わる。安心感を得られるゾーンがある。

【とりあえず常に全力で】
「これから前例がないことにチャレンジするぞ」と思って始めることもあれば、結果が後からついてくることもある。「あれは過去に私しか成し遂げてないスゴいことだ」と、時間が経って気づくものもある。

1. 岡山城東高校からスペインの大学へ
2. スペイン人と同じ入試 (オール筆記) で世界文学史満点
3. バルセロナ大学哲学部の正規学生
4. 入試対策アカデミアのアンバサダー
5. スペインとイタリアの大学でダブル学位

ここ数年の生活の中で、前例がないと言えそうなことをいくつかしてきた。でも、自慢するつもりはこれっぽっちもない。母校では、日本人としては、私が「初めて」かもしれないが、それらの要素を除けば、誰かも普通にやり遂げているはずだから。

上の5つには「前例がないからやろう」と意識してしたことではない、という共通点がある。その時々にやるべきこと、やりたいことをただ夢中で続けた。失敗を考えることなく、とりあえず全ての物事に対して全力で、真面目に取り組んだ。どうせやるなら徹底的にしたいから。

 

「誰もしていないからやめておこう」という選択肢は私の中には無かった。「みんながすることをしても面白くない。よくある成功で得る喜びは、よくある喜び。既に誰かがしたことでも、何か自分らしさを付け加えれば良い。そこからどんどん自分の色に染めて行けば良い。」と思っていた。

【やろうかやるまいか】
悩んでいるなら、やった方が良い。そもそも、自分の中で「やらないでおこう」が強い時には悩まないから。それは「やりたいけど失敗したらどうしよう」という不安が立ちはだかっている状態。そんな時、私はいつもしなかったら『未来の自分が後悔する』と思う。

【参考にする意味】
前例を参考にする意味って何だろう。その人と同じ失敗をしないように気をつけるのか。その人の真似をするのか。その人の改善すべき点を見出すのか。

【背中を押してくれる人】
この記事は484本目。実はもう既に500本目の記事 (テーマは生い立ちと家族) を書き終えていて、その中の一部で触れているが、私は家族から一度も「無理だからやめておきなさい」と言われたことはない。そのおかげで今日まで様々な経験が出来た。数え切れないアドバイスをもらった。(もちろん今でも。) それと同じように、私も誰かの背中を押してあげれるような存在でありたいと思う。

【500記事目】私の生い立ちと家族

【本当の苦労を知っている人】
「新人」を前に偉そうな態度を取る人が嫌いだ。希望に満ちたキラキラの目をした子の自信を奪う人。どんなすごい経験をしてきたのか知らないが『本当の苦労を知らない人』だということはよく分かる。苦労をしてきた人は、他人に優しい。誰かに助けて欲しかったあの気持ちを知っているから、偉そうな態度なんて絶対に取れない。一度壊れてしまった心や自信を取り戻すのは非常に大変で。凹みきった人を見るたび、その要因を作った人に腹が立つ。

【終わりに】
楽しいと思うか、つまらないと思うか。あの判断で正しかったか。難しいか、簡単か。基準は自分の心。結局のところ「基準」とは「他人との比較」なのかもしれない。他人と比較することをやめたら、自分の範囲 (出来ること) が広がるんじゃないかな。協調は大事、でもやりたいことまで周りに合わせる必要はない。もっともっと個性で溢れたみんなの人生が見てみたい。

つぶやき 記事一覧

バルセロナ生活 記事一覧

海外生活 記事一覧

スペインの大学情報 記事一覧

おすすめ記事:

【国語力と人間性】言葉遣いから見えてくる話し手の内面

【言葉と個性】
気持ちや感情を言葉で表すのは、風景をキャンバスに描くのと似ている。

この対比を文で例えるとすれば ⬇︎

---------------------------------

感性の赴くままに絵を描く人もいれば、慎重に色合いを選ぶ人もいる。

何色を使うか
どの角度から世界を捉えるか
自分らしさを入れるか
はたまた尊敬する誰かのスタイルを真似てみるか。

自信を持って一本の線あるいは何本もの線を重ねて描き進めるか、ああでもないこうでもないと消しゴムを消費していくタイプか。

決断力がある人の紙は綺麗
優柔不断な人の紙は消し跡で汚れている

見えたままに光も影も描く人
現実を少し誇張して描く人
自分のテクニックをアピールする人
控えめに自分のサインを書く人

モノトーンを好む人
カラフルが好きな人
自分で新しい色を作りたい人

---------------------------------

話す時、思ったことをそのまま口にする人もいれば、慎重に相手の気持ちを考える人もいる。

どの言葉がふさわしいか
主観的に述べるか客観的か
自分の言葉で伝えるか
はたまた尊敬する誰かのセリフを真似てみるか。

チャットでスラスラと思いを書き連ねれるタイプか、ああでもないこうでもないと、消して書いてを繰り返すタイプか。

決断力がある人の周りには信頼が
優柔不断な人の周りには疑心がつきやすい

良い面も悪い面も言える人
ちょっとオーバーに言う人
自分の知識をアピールする人
飾らない人

口数が少ない人
おしゃべりな人
自分の世界観を持っている人

 

【人と人との相性】
初対面の相手であれど、少し話せば自分に「合う」か「合わない」が分かる。性格、服装、容姿に好きなタイプがあるように、相手の言葉遣いに魅かれることもある。直接会ったことがないとしても、その人の書いた歌詞・文学・ブログ・動画・手紙などを見れば「人」としてのイメージが脳裏に浮かび上がる。そこから憧れや尊敬心を抱くこともあれば、批判的な印象を持つことも。

人と人との相性は、言葉選びの相性。

国語力が高い人は、良い感性と論理的思考を持ち合わせている。言葉遣いが綺麗な人、語彙力に富んでいる人からは、豊かな人間性を感じる。

それらの力はその人の、

・経験 (歩んできた道)
・努力
・知識 (教養の高さ)
・人柄
・感性

・心遣い

そのものである。言葉はコミュニケーション手段でありながら、話者の内面を映し出す。だから、誰かの人生を幸せにすることも、不幸にすることも出来てしまう。多くの経験は、自信に、自信は言葉の説得力 (重み) に繋がる。だから色々なことをやってみた方が良い。とは言え、無論、世界中の人を説得するような力は必要なく、身近な人の心を少しでもプラスに動かせたら、何かの役に立てたら、それで良い。

【表現力とは】
自分の気持ちにぴったり合う言葉や表現を探し、それを素直に相手に伝える力。幅広い年齢の人と話し、様々な生き方や価値観に触れてきた人、本を読むのが好きな人は、語彙力や表現力に優れている。話せばすぐに分かる。

 

【心に響く言葉】
誰しも一度は、普段の会話で相手が発した何気ない一言に感銘を受けたこと、偉人や著名人の名言を素晴らしいと感じたことがあるはずだ。心に響く言葉というのは、

・今の自分に足りていない、一種の理想
・今の自分を肯定してくれている言葉
・自らも経験したことがある喜怒哀楽
・自分が持っていなかった見方や考え方

いずれかに当てはまるのだろうが、人は「なぜ、心に響いたのか」理由をいちいち考えない。これまでの個人の経験から直観的に、

好きー嫌い
合うー合わない
納得ー不服

を判断しているから。

例えば、

僕がもし結婚するとしたらそれは「一緒に幸せになれる人」じゃない。「一緒に不幸にもなれる人」だと思う。(ラリルレ論より)

という言葉。

これに感動する人もいれば、何も感じない人、批判したくなる人がいる。なぜ、同じ言葉なのに心の揺らぎ方に「差」が生じるのか。

【言葉と価値観】
言葉にも評価・判断の基準は存在する。これまで育ってきた環境、教養、人格がその基準を作っている。つまり、価値観や考え方が似た人物の言葉には感動しやすいと言える。何千語、何千通りも言い方がある中で、お互いが共鳴する考え (言い回し) に出会えるというのは、改めて素敵。

【SNSでの言葉遣い】
会ったことのない相手は、その文章からあなたを「イメージ」する。それが唯一の判断材料。どんな性格なのか、どんな経験をしてきたのか、どんな思いを抱いているのか、そこに書いていなければ伝わらない。もちろん、思いやりも優しさも礼儀正しさも。

f:id:kaedetaniyoshi:20191023224653j:plain

何気なく書いている自分の記事が多くの人に見られたり、やりとりをするきっかけになっているというのは未だに不思議な感覚だ。世界のどこかで通り過ぎても、話すことなんて無かったであろう二人なのに。ブログをしていて良かった。

【人柄と文面】
文章には人柄がとても濃く現れる。2,3行読むだけでも書き手の「性格」が十分伝わってくる。誠実で賢明で前向きな姿勢が文字から分かる人は、実際に会っても「そのまま」の素晴らしい人柄の持ち主。

 

【終わり】
この内容は今朝の1時間目の授業中にふと浮かんで教科書に走り書きしたもの。を、写したもの。

f:id:kaedetaniyoshi:20191023022609j:plain

言葉遣い=自己の内面

つぶやき 記事一覧

海外生活 記事一覧

おすすめ記事:

【言語と心理】自分の言葉を100%理解出来ない人を前に笑顔で話せるか。

おとといのプロモーションビデオの撮影で、生まれて初めて『自分の言葉を理解出来ない人を前に、話し続けなければならない』という難しい経験をした。日本語が全く分からないスペイン人男性の目を見て、笑顔で、日本語で語りかけた。

f:id:kaedetaniyoshi:20191018033628j:plain

【NG連発】
本当は15分〜20分で終わる撮影だったが、私のせいで1時間近くかかってしまった。こんなにも、難しいなんて思ってもみなかった。壁に笑顔で話しかける方がよっぽど簡単だ。前に触れたことがあるが (下の記事の④)、人は自分の言語が相手に伝わっていないと感じると一気に閉鎖的になってしまう。

PV撮影は、私のこれまでのバルセロナ生活について、インタビュアーが5,6個の質問をし、半分日本語半分スペイン語で話すというものだった。最初の日本語の部分に40分ちょっとかかった。スペイン語はかなりスムーズでNGを出さなかった。その部屋にいたカメラマン2名、スタッフ2名、インタビュアー1名は全員スペイン人で、日本語はさっぱり分からない。だから私が変な喋り方になってしまっても、さっき言った内容を繰り返してしまっても、誰もその「おかしさ」に気づかない。それがやけにプレッシャーとなり、久しぶりに緊張した。映像は残るから尚更。

 

【心理状態】
相手がとりあえず頷いてくれていたとしても『私の言葉は伝わってない』という思いが頭の大部分を占めていた。

どれくらい難しいか。

今、留学している人は、イメージしやすいだろう。電車やバスに乗っている時、正面に座っている見ず知らずのスペイン人の目を見て、日本語で自分の生い立ち、あるいは留学生活を1,2分話し続ける感じ。しかも笑顔で。

ロボットみたいに、笑顔を意識したら日本語がカタコトになって、日本語に集中した真顔になるという…。我ながら困った。でも突破しないと終わらないので、何に対してかいまいち分からない気合を入れ直し、撮影に挑んだ。

【言語と心理】
言語と心理状態は深く関わっている。だからこそ、海外生活をする上で言語は非常に大切だ。自信を持って話せる言語があるのとないのでは経験の密度が大きく異なる。自信を持って話すことが出来れば「会話が好き」になるから、更に上達し、友達も増え、良い循環が出来始める。逆に、自信がない状態で生活をしていると人との関係も自分の経験も全て「上部」だけになる。なんとなく話してなんとなく生きてなんとなく終わる。

【乗り越える方法】
先ほどの撮影の話に戻るが、あの日、日本語が全く分からないスペイン人インタビュアーを前に、どうやって終わったのか。NGばかりが続いていた中、最後上手く出来た要因はなんだったのか。

 

とにかく相手に自分の言葉が分かっているものだと思い込んだ。自分の脳を騙した。そうでもしなきゃ、無理だった。だからスペイン語に自信がない人も、自信を持って「伝わってる」と思いながら話せば大丈夫。自信って大事。

【日本語字幕】
「日本語を話している部分の字幕はこっちで翻訳家に頼むから心配しなくて良いよ!撮れただけで感謝だよ!」と言われたが『自分でスペイン語字幕をつけたい』と申し出た。だって、言葉遣いは人柄とリンクする。使わない単語とか言い回しにされたら嫌だから。通訳や翻訳をする時は、話者の性格をまず知ることにしている。音楽の歌詞を訳す時もそう。スペイン語の Yo (私) をこの男性は「オレ」と言うのか「僕」というのか。この人がもし日本人なら語尾は何を使いそうかまで考える。これがとても楽しい。…閑話休題。ビデオの出来栄えは置いといて、とりあえず何かの経験値が上がった気がする。

つぶやき 記事一覧

バルセロナ生活 記事一覧

おすすめ記事: