BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活6年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。2019年6月より、バルセロナにある大学入試専門のアカデミアGUIUのアンバサダーに就任。スペインへの留学・大学進学に興味がある方は、お気軽にご相談ください 😊🇪🇸 barcelonandoo@gmail.com

【合格率9.8%の国家試験】全国通訳案内士スペイン語を受けた感想と結果

2019年8月18日(日)、初めての国家試験である「全国通訳案内士試験」を受けた。先日結果発表があり、今日やっと通知が自宅に届いたので、記録がてら1本書いておくことにする。

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【どんな資格か】
日本に存在する唯一の語学系国家資格で、全国通訳案内士は、プロの観光ガイドとして報酬が得られる他、プロの通訳としての仕事も広がる。2018年1月以降、残念なことに観光ガイドは、無免許でもお金を儲けれるように法が変わってしまったが、この資格保持者は、大手の旅行会社や企業から仕事がもらえやすい。無論、フリーランスとしても活動の幅が広がる。

【合格率】
ここ3,4年は特に合格率が低下していて、2018年度はなんと10%を切った、9.8%だった。

【難易度】
国家資格難易度ランキングによると…

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【なぜ難しいのか】
試験は、計5科目。

① 日本地理
② 日本歴史
③ 一般常識 (産業/経済/政治/文化)
④ 通訳案内の実務
⑤ 外国語

これらが免除となる資格を見てもられば、何となく難しい理由が分かるだろう。

日本地理: 総合旅行業務取扱管理者
日本歴史: 歴史能力検定1級
一般常識: 大学入試センター現社80点以上
通訳案内の実務: 免除なし
外国語 (スペイン語): DELE C2

いわば民間外交官であるため、どの分野においても高い知識と教養を持っていなければならない。

・合格基準は原則として各科目70点
・1科目38問前後で試験時間は40分
・外国語のみ120分
・英語以外の言語はマークシート方式ではない
・試験開始は朝の10時で終了は17時

【外国語】
この試験のスペイン語は上に記した通り、DELEのC2 (最上級) と同等。英語で言うと、英検1級もしくは、TOEIC 900点以上 (スピーキング160点以上、ライティング170点以上)。非常に高いレベルが求められる。

① 外国語と日本語、両方のわずかなニュアンスまでも理解し、文章やスピーチを自然な言い回しでパパッと翻訳する力

② 日本の文化、習慣、歴史、建造物、産業、医療に関する知識と説明力

③ 完璧な文法と正書法

読解力に加え、①②③の能力が必須で、C2を取るよりも難しいと思われる。

 

【過去問の一部】
日本地理 ⬇︎

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日本史 ⬇︎

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一般常識 ⬇︎

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通訳案内士の実務 ⬇︎

新教科のため過去問なし

スペイン語 ⬇︎

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【感想】
外国語(スペイン語) に関しては、絶対に合格している自信しかなかった。今年 (2019年) の翻訳は、安倍総理のスピーチや、令和のという名前の由来等、旬なテーマが出た。例年と同じく、言語のレベルだけでは突破できない内容で、文化はもちろん、地理と歴史の知識も多く含まれていた。面白かった。

日本史は、過去最高にマニアックな問題がズラーっと。いくつかの予備校が試験後に出す『解答速報』の発表予定時刻が遅れるという前代未聞な事態になるほど。難易度を何かに例えるなら、日本全国でかくれんぼ。範囲が広過ぎてキリがない、細かい。答えを4つから2つに絞れても…なかなか。

日本地理は、自分の県の問題を二問とも外してしまった... ⬇︎ けど、過去問通りのレベルだった。

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般常識は、大問ごとにジャンルが分かれている。観光データ、法律、世界遺産、日本文化は、ほぼ満点だった。が、時事問題には疎く、解きながら、もっと日本のニュースを見ないといけないと思った。例えば、東京に出来る新しい2つの駅の名前 (高輪ゲートウェイと虎ノ門ヒルズ) は、両方とも知らなかった。鉄道系の問題も苦手。

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通訳案内の実務は、世界の宗教に関する正しい知識 (例えば、それぞれの礼拝の時間・用語・食生活・思想など)、ガイドや通訳業の法律全般、災害が起こった時の対処、救急救命、食事制限、旅行業の知識、旅程管理など、これも範囲が広かった。新しい科目だから過去問は無かったが、好きなジャンルだから楽しく学べた。

 

【どうやって勉強をしたか】
独学で。過去問は数年分ネット上に出ているし、出題範囲となる資料も全て観光省のHPにあるから、PDFで勉強可能。一般常識と通訳案内の実務に向けては、超分厚い観光白書を全て読んだ。

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まず、全教科 (通訳案内の実務を除く) の10年分の過去問を解き、分からなかった問題や用語を調べ、そこから更に関連項目を学んでいくという、発展式勉強法を続けた。スペイン語は、出題されそうなテーマから書く練習をした。精進料理、懐石料理、黒衣、文楽、枯山水、無形文化財、神道、義理、年功序列、葵祭、建前、終身雇用など。

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日本史は中学校以来。とりあえず時系列に沿って一から勉強をした。

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日本地理に対しては当初、全く興味が持てず、勉強が捗らなかった。しかし、今度帰国した時の『国内旅行の行き先探しをしよう!』と思えば楽しくなり、…本当に最後の最後、意欲が湧いてきた。

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【悟りと出会い】
試験当日の朝9時前、立命館大学いばらきキャンパスの最寄り駅に到着。その瞬間「あ、…こういう感じか」と悟った。ズラーーーっとキャンパスに向かって歩く人たち。その4割は、50代後半〜70代手前で、腰をかがめて歩いている人も数名。もう4割の人たちは40代〜50代くらいで、いかにもな雰囲気を漂わせている方々。背筋を伸ばして、自信に満ちた顔で歩いていた。私の年代は、駅に着くまでに10人見かけたかどうか。

セブンイレブンでお昼ご飯を買い、外に出るとおじいさんが「通訳案内士の会場はこっちかな?さっぱり分からん」と困っていたので『そうですよ、私も行くので。もし良かったら一緒に。』と言い、歩きながら過去の試験のお話を伺った。その方は、7回目のリベンジだ!と、はにかんだ。

駅とキャンパスを繋ぐ道は、異様な熱気だった。「うちの予備校は、試験後に解答速報をどこよりも速く出します!」「うちは二次試験のコースを!」「うちは昨年度の合格率が予備校界イチです!」「ぜひうちに!」「うちの解答速報もお願いします!」「頑張ってください!」と、卒業式の花道のようにバーっと向こうの方までパンフレットやビラを持った人たちが並んでいて、要りもしないチラシを永遠に手渡された。

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受験番号別に教室に入り、着席。その部屋にいた70人前後は、全員がスペイン語受験者なのかと思いきや、中国語と韓国語を選択している人もいた。私の席は一番前。周りの人と話すような空間ではなかったため、休み時間はノートを見返した。お昼ご飯を食べ終わると、後ろの席のおばあちゃんと右隣に座っていた50代の女性に話しかけらた。

「すっごい若いけど、あなた何歳?」

24です。と答えると驚かれ、学歴を聞かれた。

やっぱりこの世界は『縁』で出来ていた。おばあちゃんは岡山県在住、女性は20年バルセロナに住んでいたことのある金沢在住の方。

そこから一気に、お二方との話に花が咲いた。

バルセロナも岡山も私の地元

「この試験は、数年かけて合格するのが一般的。」と、この日お話させていただく機会があった方々は口を揃えた。10年かけてやっと去年合格出来た知り合いがいるほどだ、と。やっぱり、駅での悟りは正しかった。

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若いうちに知識を詰め込みたい。

【結果】
スペイン語通訳案内の実務の二教科は、合格!でも、三教科がダメだった。まだまだ勉強しないと。特に日本歴史。日本地理と一般常識は、もう一息。

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観光ガイドという職は視野にないため、外国語に受かって十分満足している自分がいる。でも、2019年の夏の上を行きたい自分もいる。この結果を見て久々にモチベーションが上がった。と、同時に受けて良かったと思えた。来年は、二教科が免除で、三教科受験となる。

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