BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【スペインの大学正規入学】よくある質問に答えるQ&Aコーナー

スペインの大学へ正規入学を希望される方々からよく貰う質問をシェア。

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【入学審査について】
Q. 高校の成績があまり良くないのですが、スペインの大学に入れますか?
A.「あまり良くない」基準が人それぞれですが、5段階評価で平均が3.5以上あれば問題ないかと思います。もし行きたい学部の合格点が高い、且つ、内申平均が3.5以下なら、昨年度から実施されている新しいシステム (UNEDasiss) の試験 (PCE) で高得点を得る必要があります。これは従来のスペイン人と同じ試験ではなく、外国人用のものです。

Q. 入学試験のやり方を教えてください。
A. 受験対策コースがあるアカデミア (専門学校) に入り、特別な勉強をし、必須科目と選択科目を受験します。(近年、新しいシステムが登場し、入試の難易度が下がりました。) 語学学校の受験対策コースはおすすめしません。

【語力について】
Q. スペイン語が必要レベルに達していないと入学はまず無理ですか?
A. 定員割れしている学部、私立大学ならスペイン語がB2レベルなくても入れる可能性が高いですが「入学手続き」や「入学後の授業」で困ると思います。大学のテストは選択問題でなく筆記なので、きっちりスペイン語力を身につけた状態で入学されるのが望ましいです。

Q. どれくらいの語力があれば入学試験を突破できますか?  
A. スペイン語力は、最低でもB1.3〜B2レベルあれば PCE (外国人用入学試験) を突破可能です。語力に加えて試験対策 (教科) は必須です。大学や学部よっては授業内で教授が話す言語がスペイン語ではなく州の公用語 (例: カタルーニャ語、バスク語) ということも。

Q. スペイン語力が足りない場合、スペイン語コースはどれくらいの期間必要でしょうか?
A. スペイン語がゼロの状態で日本を出られるのであれば『1日4時間の授業×6ヶ月以上』は必要だと思います。日本語から完全に離れてスペイン語のみで生活&勉強すれば6ヶ月で『B2レベル』に近づくことも十分可能です。しかし、もちろん個人差があるので、自分のペースで。

【受験資格について】
Q. 日本の大学を目指していて今、浪人中ですが、スペインの大学を考え始めました。浪人していたことが審査に響いてきますか?
A. 日本と違ってスペインでは一切、響きません。高校を卒業後、バイトをしてお金を作り、受験の道へ進まれる方も毎年いらっしゃいます。高校を出て社会人 (1,2年仕事) をしていたけど…やっぱり大学へ行こう!と、進路を変えられる方の数も年々増えています。

Q. KAEDEさんは日本の高校を卒業しましたか?帰国子女だったとか…?
A. 岡山の普通の高校を卒業しました。帰国子女歴はゼロでした。

Q. スペイン語検定やDELEやTOEICを持っていたら入りやすかったりしますか?
A. 出願の紙に検定を書く欄はありません。面接もないので、資格をアピールすることは難しいように思えます。スペイン語は出来て当たり前の域で、それを使って試験になります。入学後、学部によってはTOEICを持っていれば単位がもらえます。(文系だけでなく理系でも。)

【オープンスクールについて】
Q. スペインの大学にも見学とかオープンスクール的なものはありますか? 
A. 大学だけでなく、専門学校にもオープンスクールの日はあります。カタルーニャ語で Jordades de Portes Obertes、スペイン語で Jornadas de puertas abiertas と言います。私が行ったことがある観光学・ホテル業の専門学校は事前予約が必要でした。国公立大学は予約が要らないところがほとんどです。

【アカデミアついて】
Q. KAEDEさんが通われたアカデミアって専門学校のような感じですか?
A. 専門学校というか、予備校というか、大学受験対策に特化した学校です。

 

 

【お金系の質問】
Q. 留学費用はだいたいいくらかかりますか?
A. 語学学校だけなら半年で学費が約50万円、1年なら約90万〜100万円。それに生活費 (家賃は月にシェアで6万〜7万) と食費などをいれて考えてみてください。

Q. 奨学金はありますか?
A. 大学にはありますが、外国人も使えるのかは不明です。

Q. アルバイトはできますか?
A. 雇用先が面倒な手続きをきちんと行ってくれれば、学生でもアルバイトは可能です。ただ、日本の大学と違ってアルバイトをする余裕はありません。

Q. 学費はいくらですか?
A. 国公立大学の文系の学部で年間25万〜30万です。

Q. トータルでかかる学費はいくらですか?
A. 語学学校8ヶ月 (約67万) +アカデミア8ヶ月 (約55万)+国公立大学文系5年 (約150万)と過程すると、約272万円。これに加えて登録料・受験料・教材費・手数料などもいります。スペインの大学は一応4年ですが、みんながみんな日本の大学みたいにきっちり4年で終わりません。外国人なら5年かかって普通、4年だとすごい!です。ちなみに、前年度で単位を落とした教科は次の年度で値段が上がります。

【大学に関すること】
Q. 大学選びのポイントは?
A. 家からの距離と自分の学びたい学部があるかどうかが大事です。やはり大きい有名な大学を選ぶ方が教授の数も質も良いです。もし入学後にEUの別の大学へ交換留学を希望される方は、エラスムスの協定がしっかりある大学かどうかも視野にいれて考えると良いですよ。

Q. 学部選びに困っています。KAEDEさんは最初から行きたい学部がはっきり1つに決まっていましたか?
A. 最後の最後まで (願書を出す瞬間まで) 哲学部、心理学部、人類学部、言語学部の4つで迷っていました。

Q. スペインのどこかの大学に入ったあと、スペイン国内の大学に編入はできるものですか?
A. 可能ですが、友達 (ラテンアメリカ人) は手続きが面倒だったと言っていました。

Q. スペインの大学に入ったあと、学部の変更はできますか?
A. 同じ大学内+入学時の合格点が現在の学部より低い学部なら割と簡単に出来るようです。しかし、単位の移行はいかなる場合も難しく…。再受験なしで転部は現実的ではありません。

Q. 日本の外大とスペインの大学、大きな違いはどこだと思いますか?どちらにするか迷っています。
A.「スペイン語を学ぶ」か「スペイン語で何かを学ぶ」という根本の違いはもちろん、周りの学生の勉学に対する姿勢、スペインにいられる長さ、生きた言語を日々学べる点、必要な努力の度合い、視野の広がり方、自立心の高まり具合なんかも全然違います。下の記事も参考に!

【入学後について】
Q. スペインの大学は入学してからの勉強が大変ですか?ついていけるでしょうか?
A. 授業はもちろん、テストが大変です。私たち日本人は選択問題で慣れているので、理解したことを白紙に何十行も書いて展開していける力を養う必要があります。クラスは毎日必ず復習を日本語とスペイン語ですればついていけます。プレゼンやレポート提出も1年に数度あります。

Q. この秋から交換留学でスペインの〇〇大学へ行くのですが、どのように勉強するのが良いでしょうか?事前にしておくといいことはありますか?
A. 自分の行く学部がわかっているのであればYouTubeで講義を実際に聞いてみるのが1番いいと思います。スペイン語の授業を聞きながら、ノートをスラスラとり、専門用語や説明のスペルが正しく書けるようになっていれば入ってから楽です。

Q. 日本の大学から編入できますか?
A. 条件を満たしていれば可能ですが、言語面でも基礎知識面でも授業についていくのが難しいと思います。個人的に日本の大学から編入するメリットはないと考えます。

Q. 外国人扱いはあるか?
A. バルセロナ大学の哲学部は外国人がいなかったこともあり、特別扱いがゼロで、スペイン人と全く同じ採点基準でした。入学して最初のテストでカタルーニャ語のスペルがところどころ違って大問1つ丸ごと0点ということもありました。でもバルセロナ市内にある他の国公立大学に正規入学した中国人・ネパール人・カザフスタン人の友達によると、英語でテストが受けれたり (もし教授が英語に秀でていれば)、外国人だからこれだけできれば十分!と単位をくれる教授もいるそうです。

【アドバイス】
日本の高校を卒業してその年にスペインの大学へ入学しようと考えている方が多いようですが、焦る必要は全くないです。途中で辞める、休学する、学部を変更、仕事も始めて両立する生徒が多く、日本のように『クラスメイトは自分と同い年か1歳差』なんてことはありません。入学して最初に出来た友達と同じ日に卒業できる可能性も低いです。そんな環境の中で勉強をしていると本当に1人1人が自分のしたいことを学んでいるんだな、大学は学歴じゃなくて勉強したい人が行く場所なんだな、と実感します。「入学したは良いけれど…授業に全くついていけない…」とならないためにも、確実に力をつけてから!

 

 

周りはみんなスペイン人で、途中で休学したり、受ける科目を減らして仕事を始めたり、単位を落としてもどうってことなかったり…割と自由に大学生活を送っていますが、私たちにはビザの問題があります。スペインという異国の地で学生のステータスを維持するために「彼ら以上にきっちり単位をとって授業について行かなければならない」と常にプレッシャーもどこかで感じつつ、日々の努力はみんなの数倍必要です。

スペインの大学情報 記事一覧

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