スペインの大学生は、
・4年で卒業しきろうと思っていない
・自分のペースで勉強をする
・学ぶ意欲がすごい
・興味が変わったら途中で学部や大学を変更
・卒業後の進路はいずれ考えるだろう程度
就職どうこうではなく、自分に必要な学問を、極めたい分野をとことん追求する。だから途中で学部や大学を変える友達が多い。そこで今日は、そのほとんどに共通する【失敗談】をシェアしつつ、スペインの大学で学びながら感じることを書いていく。
【① 十分な下調べをしてなかった】
高校時代、芸能・映像系のアルバイトをしていた友達 (男) は、入試の点数開示〜出願までの期間、悩んでも悩んでも自分のしたいことがわからなかった。だから「僕は芸能の仕事を続けたいし、ユーチューブにも興味がある!だから視聴覚コミュニケーション学部 (comunicación audiovisual) でいいや!」と、下調べを一切せずにマドリッドの某有名大学に入学した。すると、習う内容は想像していたものと全く違った。映像の専門学校で習うようなことをするのかと思いきや、カメラに触る授業があったのは2年間でたったの2,3回。...3年目で報道記者になるための学部に変更した。
【② 勉強は…したくなかった】
入ったものの…勉強が好きじゃないからキツイ…と大学自体を辞めてしまう学生がたまにいる。
単位を取るために勉強をしている人は、スペインの大学ではやっていけない。必ず、途中でつまずく。自分が何を学びたいのかがわからなかったらモチベーションはどんどん下がり...、周りとの温度差にも苦しくなってくる。「大学」という選択肢は強制ではない。年齢は関係なく「学びたくなったら行く場所」。学びに楽しさを感じていない人は、今日も大学には来ていない。これがスペインの国公立大学の雰囲気。
【③ 自分ではなく周りが決めた】
「両親が〇〇学部に行きなさいと言ったから」「高校の先生が〇〇学部に入れば就職がしやすくなると言ったから」「仲の良いクラスメイトが〇〇学部に行くと言ってたから」と、周りの意見で学部を選ぶと失敗する。なぜなら、上手く行かなくなった時、面白くないな…と途中で感じた時に、人のせいにしてしまうから。(誰かの意見ではなく『影響』でその学部に惹かれるのは良いと思う。)
【④ 就職のしやすい学部を選んだ】
「就職口が多い経営学部でいいや!」と、就職を狙ってあまり興味のない学部に入った人は決まって2,3年目で変更している。
⚠️ 学部変更時、今までに取得した単位を移行出来る可能性は低い。ほぼゼロからのスタートになる。
【⑤ 悩みすぎた】
学部で人生が決まるわけもないのに『一生・生涯』を意識して、かなり深く…学部について悩む人もいる。悩めば悩むほどわからなくなる。多くの教育者たちはこのような生徒を前にこう言う『考えすぎるのは時間の無駄でしかない。もしもその学部が気に入らなかったら翌年、変更すればいい話。悩んだら、とりあえず最初に良いかもと思った学部に入ればいい。大学1年目は、みんなこの学部で良いのかなって考えるんだ。本当にやりたいことをその1年かけて見極めて、それから進路変更すればいい。』
【まとめ】学部選びをする時は…
・各学部のホームページにあるカリキュラムを熟読
・4-6年勉強しても飽きないであろう学部を
・モチベーションを維持するために自分のやりたい学問を
・気に入らなかったら来年変更しよう!くらいの気持ちで良い
【おまけ】
受験を控えるスペイン人高校生は、日本の高校生より将来の目標をはっきり持っていない。就きたい仕事について考え始めるのは、大学3年生の終わりか4年生。どの学部に行きたいか、真面目に悩むのは、なんと大学受験をした後。
私もそうだったが…
① とりあえず受験をしてみる
② その点数で行ける学部・大学を見る
③ 自分の好きなこと、学びたいことって何だろう、と考える
これが一般的な、大学進学目前のスペイン人高校生の心持ち。
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