⬇︎ どちらも文法的に正しい文章だが、ニュアンスの違いが分かるだろうか?
"¡Me como dos pizzas!"
"Como dos pizzas."
今日は日本人が理解しにくいと思われる3つの再帰動詞、
comer - comerse
beber - beberse
ir - irse
それぞれの意味・使い方について解説する。正しい場面で使いこなせれるようになろう!【comerとcomerseの違い】
・comer (食べる)
・comerse (食べきる、たいらげる)
comerse には強調のニュアンスが日本語と同様入ってくる。「牛丼2杯食べたよ」と「牛丼2杯たいらげたよ」の差。
だからcomerseは、数字 (dos pizzas, tres manzanas) や todo (todo el chocolate, toda la paella) と一緒に用いることが多い。
【例文】
① "¡Me como esta hamburguesa en menos de 3 minutos!" (このハンバーガーを3分以内に食べきるよ!)
② "Me como un helado." (アイスをたいらげる。)
③ "Si aquí tengo 10 manzanas, me como 8." (もしここに10個のリンゴがあったら8つは食べきる。)
【beberとbeberseの違い】
・beber (飲む)
・beberse (たくさんの量飲む、飲み干す)
⚠️スペインでは tomar や tomarse の方が使われる。
上の「食べる」の説明とニュアンスは同じ。
【例文】
① "Hoy me tomo dos cervezas." (今日はビール2杯飲むよ。)
② "Si tú te tomas tres cervezas, yo me tomo tres vinos." (もし君が3杯もビールを飲むなら、僕はワインを3杯飲むよ。)
③ "A mí no me gusta la coca cola. Solo tomo agua." (私はコーラ好きじゃないわ。水しか飲まないよ。)
【irとirseの違い】
・ir (行く)
・irse = marcharse (出発する)
前回 【IRとVENIRの違い】を説明する記事で書いた図、日本人からは「わかりにくい」と指摘され、スペイン人からは「ナイス!それそれ!」と褒められ、板挟み状態だった…。今回の ir と irse の違いを私の頭の中のイメージ図で表現すると…こうなる。
ir
・今いる場所から別の場所へ行く
・ただの「行く」
・日本語の「行く」はこっち
・英語の to go
・対義語は venir (来る)
irse
・今いる場所を出て別の場所へ行く
(もうその場に戻って来ない)
・「行くぞ〜〜」感が ir より強い
・日本語で近いのは「出発する」と「もう行く」
・英語の to leave や to escape
・対義語は quedarse (残る)
【例文】
① 家族で食事をしている時に、食卓の上に醤油がなかった。それに母が気づき「あれ、醤油がない」と言った。『ああ、座ってて!私がとってくる!』と言う時は…
ir = "Tranquila, voy yo."
② 今日は夕方5時すぎに友達と会う約束をしている。もうすぐ家を出ないと間に合わないことに気づいたあなたは急いで玄関へ向かい、リビングにいるお母さんに『もう行くよ〜!晩御飯待たなくていいからね!』と伝える。この時は…
irse = "¡Mamá! Ya me voy. No me esperéis a cenar."
③ 授業の合間に友達とカフェテリアへ。自分以外の子は次のクラスをとっていないのでゆっくりとコーヒーを飲んでいる。そろそろあなたはカフェテリアを出ないと授業に間に合わないので『じゃ〜もうクラス行くわ〜!』と席を立つ。ここでは…
irse = "Venga chicos, yo me voy a clase."
④ 友達3人 (アナ・フアン・パウ) とあなたでバルへ行くことに。しばらくおしゃべりを楽しんでいると、フアンが時計を見て「もうこんな時間か!今日用事があるからこれで失礼するよ!」と言った。するとアナは「私は今日もう疲れたから帰るわ〜」と。『え!みんな帰るの!』と思ったあなたはパウに『君ももう行く?それとも残る?』と聞く。この時は…
irse = "¿Te vas o te quedas?"
⚠️ ir を使って ¿Vas o te quedas? は間違い。もしこの場面で ¿Vas? と言ったら上手く理解してもらえない。「どこに?」ってなる。¿Te vas? は「(君も)この場を去る?」ってニュアンスが入ってる。
この記事で紹介した再帰動詞は、参考書によく載ってる「SEがつくと意味が変わる動詞」の例 (peinarse, dedicarse, sentirse, probarseなど) よりもはるかにネイティブが会話で使っているもの。
"¡Ahora me la tomo!"
"Cómo te has comido todo, tío..."
"Bueno, hoy ya tengo que irme."
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