BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【イタリアの大学生活】この国の生活保護は平等か?公平か?

スペイン生活 (4年) の中で「社会」について考えたことは一度もない。しかし、イタリアの大学生活では一年目から社会福祉における「平等」「公平」ってなんだろう?本当に「公平」なのか、意味があるのか、を考えるようになった。

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【一大学生が日常生活から感じること】
イタリアは日本よりスペインより「社会保障制度」が整っている。医療は基本無料で、学費は相当低い。以前に【美食国イタリア】味のクオリティが段違いな大学食堂 という記事の最後に触れたことがあるが、学食も家の収入によって値段が変わり、毎日無料で食べている子が全体の4,5割。

【食費の開き】
・無料で食べれる子〜毎日580円払う子
→ ひと月当たり最高1万7400円の差が出る。

食に関しては『生活保護の対象』というイメージが強いし、家から食べ物を持ってくる子、食堂ではなくカフェで食べる子もいるのでこのはあまり何も感じない。

【大学の授業料の開き】
1クラス (60人と仮定) の中で、
年間の学費が無料: 15人
6000円以下: 15人
1〜2万円: 15人
2〜4万円: 10人
4〜10万円: 〜3人
11万円以上: 〜3人
➡︎ 年間当たり最高11万円以上の差が生じる。
(1年に22万円以上払う生徒もいる。)

学費は、ここまでの差をつける必要も意味もないと思う。私たち日本人にとって、年間の11万円 (最高額) は「え!安っ!」と感じる。が、イタリアでは「高い」とされる。(医学部を除く。) そして、上の1クラス内での学費イメージを見てもらったらわかる通り、年間4万円以上を払ってる学生は全体の10分の1にも満たない。この4万円以上を払う学生は、共通して勉学に対する意識が非常に高い。きっとそれは『両親が稼いでくれた大切なお金を使って勉強させてもらえている』という気持ちが根本にあるからだろう。その一握りの生徒は頑張って勉学に励み、いい職を得る。だから彼らの子供はまた学費を他の子よりも多く払うようになる。

…悪循環。

お金は何もしなくとも湧き出てくるものではない。努力があってこそ生まれるもの。

こう言うと、まるで「努力をしなかったからお金に余裕がない家庭になってしまった」と言ってるように聞こえ、語弊を生むがそうではない。

年間の学費が無料: 15人
6000円以下: 15人
(このうち返済不要の給付金を得る人もいる)
1〜2万円: 15人
2〜4万円: 10人
4〜10万円: 〜3人
11万円以上: 〜3人

この上の緑色の枠に入る子供たちは「汗水流して稼いだお金で学ぶ・食べる」ことを黄色の枠の子たちより知らないように感じる。

現に、私のイタリアの大学の同級生を見る限り、緑枠の人には以下のような傾向が見られる。

・授業はサボりがち
・授業にきても携帯ばかり見ている
・テスト週間以外はほぼ勉強していない
・食堂では食べ物を残す頻度が高い
・食堂では栄養があるもの (サラダやパスタや肉) よりチョコレート、クッキー、プリン、フライドポテトだけを食べる

バルセロナ大学でこれはありえないことだった。だから最初はとても驚き、違和感を覚えたが、最近このスペインの大学生イタリアの大学生が生まれる理由がわかってきだした。

 

【スペインの大学の学費】
(例: バルセロナ大学)

・全員が同額を払う。私のような外国籍だけど現地の子と同じ試験で入学した生徒であっても同額。そしてその中で2,3割の子が「奨学金制度」を利用する。でもこれはお金を借りている状態で、みんなバイトしつつ返していったり、卒業後に頑張って返したり…とりあえず自分で「勉強がしたい!」という強い意志を持ち、そして「頑張って働く!」という良いサイクルを作る。学費が払えないから一旦休学して、バイトをしてお金を貯めて、それからまた再開するという友達も数人いる。

だからスペインの大学生は、
・イタリアより勉学に真剣に取り組む傾向
・仕事もしつつ勉強も頑張る人が多い
・真面目に授業を受け、コツコツ頑張る

スペインもイタリアも「経済危機だ」「経済は最悪だ」と言われているから、社会の経済状況は似ている。が、中身は違って見える。

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…このイタリアのISSEという年間所得によって払うお金が大きく変わる制度、子供の未来にとっては「公平」かもしれない。しかし大学の学費は、これまでの義務教育期間中に比べ、払わなければならない学費に大差があるため、生徒間で「平等」ではないとの声もよく聞こえる。世を「公平」にしたことで努力した人・中級階級以上の家庭が「不平等」を感じるのは仕方がないことなのだろうか。

お金を多く払ってる人ほど残さずご飯を食べて勉強も必死に頑張る。払わなくていい生徒は食べ物を平気で残し、勉強は疎かに。

この矛盾はなんだろう。

真の平等とは?

【一解決策】
全生徒が好きな学問を楽しみながら極めれるように教育の質の向上と、より活発な啓蒙活動、そして何より「感謝の気持ちを持つこと」が必要。感謝は自分にお金をくれている家族、社会へ。そして自らが働くようになった時にはしっかり働く喜びを味わうこと。

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