2通。全く同じ内容のメールを送るだけで、学費が25万円近く値下がりした話。
【イタリアあるある】
スペインでも、窓口の人によって、担当者によって言う内容が全く異なるということは多々起こるが、…イタリアも負けていない。
先週、受け取った学費の請求書に記載されている金額が明らかにおかしかったから、数名の友達に値上がりがあったのかを聞いてみた。案の定、「ないよ!すぐに問い合わせな!」とのことで…。カラブリア大学の SERVIZI DIDATTICI にメールを書いた。
去年も一度、「エラー」で、金額が大きくなっていることがあったため、今回も何かの手違いでは?と聞いてみた。
次のような返事が届いた。
Buongiorno,
Se non ci fornisce l'ISEEDSU o il parificato, le viene attribuita la tassazione massima. Pertanto, deve rivolgersi al Caf/commercialista e inoltrarcela.
Saluti,
C.C
(訳)「ISEE (所得証明) をされていない場合、最高額の授業料を納める必要がございます。従いまして、CAF (税務相談センター) または、税理士にご相談ください。」
*Centri di Assistenza fiscale: CAF
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所得やローンや税などの証明書 ISEE (Indicatore Situazione Economica Equivalente) の登録をしていれば、年間の学費は、0円-8万6000円。していない場合は、30万円-40万円。
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以前、下の記事内で触れたが、イタリアの授業料は、人によって異なる。正確には、世帯の年間収入額や家庭状況によって異なる。
ISEEの手続きをしているクラスメイトがほとんどだが、私は外国人ということで、人一倍手続きが面倒だから1年目から今日に至るまで、それをしてこなかった。書類 (残高証明書、収入証明書、年間平均預金額証明書等) を翻訳して、公文書化して、日本から送ってもらい、税務相談センターに提出し、次は区役所に提出し、その次は学校の事務室へ…という流れを想像しただけで気が遠くなる。
これを頑張って行っても、世帯の収入額が平均より上と判断された場合は、何もお得なことがない。(カラブリア大学があるコゼンツァは大都市でないため、日本と比べると平均年収は低い。➡︎ お金があると見なされる可能性大。)
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とは言え、8万6000円と30-40万円は、かなり違う。
20万円以上変わるなら…、今更ながらISEEをしようかな。いや、この忙しい時期にその手間と時間を買うと思えば、20万円出せるか…。日本の学費よりは安いしな…。
あれこれ考え、払うことにした。大学の個人ページからオンライン決済の画面へ行き、クレジットカード情報を入力し、PINコードを打ち込み、最後の「決済」のボタンを押した。エラーになった。はじかれたことのない別のカードで試してみると、今度はインターネット接続の問題でページが読み込めなくなった。
時間を空けて、明日またしてみようと考えている時、ちょうど母から連絡があり、ついでに学費のことを話してみた。
すると、
「入学時から今までずっとISEEをしてないのに?去年と全く同じ状態なのになんで今回だけ?」
と、ごもっともな意見をもらった。
確かに!
もう一度メールをしてみることにした。同文で。別の担当者が読んでくれたらいいのになと思いながら。
翌日、最初とは違う2名の事務員さんが返事をくれた。
!!
「授業料の金額を訂正したのでご確認ください」「これまで通り今年度も700ユーロ (8万6800円) で良いですよ」
ラッキー。すぐ払った。
日本ではまずありえないシチュエーションだろうが、イタリアとスペインでは十分ありうる。これこそが異文化理解。1人目を悪い人だとは思わない。1人目が理解しているマニュアルでは、収入証明を持っていない生徒は、30-40万円払うのが普通。2-3人目の見解では、これまでに払ってきた授業料と同額の請求をするのが妥当。
1人1人が正解であると同時に、1人1人が不正解な感覚。
【この国で上手く生きるには】
自分にはないイタリア人の要素を真似る。
・ダメ元で言ってみる
・少し粘ってみる
・周りに相談をする
・全てを鵜呑みにしない
・「なぜ?」を大切に
・言葉遣い、礼儀、相手への尊重を意識しつつも、自らが思っていることをハッキリ伝える
経験値1UP。
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