イタリアの大学に来てまず思ったことは「落書きが多すぎる!」だった。北イタリアのヴェローナ大学とモデナ大学の中にも入ったことがあるが、ここ南イタリアのカラブリア大学の構内にある落書きの数は半端じゃない。なぜ消さないのか、なぜ書く人があとを絶たないのか、その理由はまさかの『落書きの内容が彼らにとっては素晴らしいから』だった。
他のヨーロッパの国、日本、アメリカなどで見られる落書きって「スプレーで書きました!」って感じで、読めそうで読めないアルファベットやサインが壁一面に描かれている。一方、イタリアはフレーズがところどころに書かれている。
今思えば、バルセロナの落書きはストリートアートと呼べるクオリティーかもしれない。文字や格言を書いてることもあるけど、大多数は絵やデザインのみ ↓
バルセロナ大学のキャンパスの壁や床に落書きがされていることもある。でも基本的に3日以内に消される。業者の人が特別な液体を使って全部消していく。許可をとって貼られていないチラシもすぐに剥がされてしまう。生徒たちは落書きの文字やフレーズを見ても反応することなく、ほぼ全員スルー。
しかし…
イタリアはちょっと違う。
【格言ラブなイタリア人エピソード①】
イタリアの大学で格言が新たに貼られた場合、SNSにたくさんの写真が投稿される。歩きながら紙を見て、読んで「なんて素敵なの〜〜〜」と言いつつ携帯を取り出す。
「KAEDEも写真撮らないの?」と言われたから『確かに良いフレーズだけど…。撮るほどでもないっていうかイタリア人ほど感動しないんだけど 😂』と返すと「えええ!ありえない!!見ててごらん、後ろの人もこれ絶対撮るよ!」と言われ、横に避けて話してたら後ろからきた5,6人のうち1人が立ち止まった (笑)
ちなみに上のフレーズは「根も葉もないことを私に言わないで。それが私やあなたに害を与えることはないんだから。」…。イタリア語では意味がよくわかるのに日本語にするとすごく難しい。違和感しかない。
【格言が好きなエピソード②】
カフェやバルでコーヒーを注文すると出てくる砂糖の裏にも名言が書かれている。それをまるでおみくじを引くかのように読むのがイタリア人の日課。おみくじは1年に1回だけど、砂糖はコーヒーを飲むたびについてくるから1日2〜4回はウキウキしながら読んでる。これもまた写真を撮る対象になりがち。
【格言が好きなエピソード③】
SNSに写真をアップする時日本人は…
・日記っぽく: その日のこと、思ったことを書く
・お礼を述べる: 〇〇からコレもらった〜ありがとう!とか
・友達とのツーショットを載せて: 誕生日おめでとう!とか
・花の写真を載せて: 花の名前や花言葉を書いたり
・自分だけが写ってる写真を載せる頻度は低め
イタリア人は…
・自分だけが写ってる写真を載せる頻度は高め
・自撮り + 格言や名言
・風景写真 + 格言や名言
・ペットの写真 + またまた格言
今日友達がSNSに載せてた自分の写真に添えられてた言葉「もし自分自身を信じれないなら誰があなたを信じれるの?」「自分の人生は自分にしか生きれない。」「信用できる友達に出会ったことあるかと聞かれたらあなたのことを私は話すわ ❤️🐶」「俺はこの通りナイスだよ、これ以上なんかになれやしない」
日本人が書いてたら「え?なに?」「どした?」ってなりそう。これを全く恥ずかしいと思わずにサラっと書けるのはイタリア人らしい。しかも見た人も気に入れば『これいいフレーズね〜〜!』ってストレートに褒める。
【最後に】
最近流行りのインスタグラムでハッシュタグ「♯格言」をイタリア語を見てみた。
(⚠️ インスタグラムの ♯ (ハッシュタグ) とは、特定のキーワードをつけることでみんなの投稿がタグ化されること。例えば「♯格言」でサーチをかけると「格言」に関する最新の投稿が一覧で表示される。だからハッシュタグの数が多い言葉=話題・人気がある言葉であると言える。)
イタリア語の「格言」→ 1,833,793件
日本語で「格言」 → 152,783件
日本語で「名言」 → 356,346件
桁違い!
格言や名言が好きで、そこに美を他国の人より感じるからイタリア人はロマンチックと言われるのかな?
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