BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【スペイン人とイタリア人の違い】口の悪さは雲泥の差

多くの人が持つイタリア人のイメージと言えば…

・イケメン&美女
・おしゃれ
・ロマンチックな言葉をいつも言う
・優しい
・明るくて楽しい

これと言った悪いイメージは思い浮かばないだろう。…強いて言うなら『能天気』とか『マザコン』…でもそれはマイナスかと言われるとそうではない。それよりも私が気になるのは、一緒に生活するからこそ見えてきた【イタリア人】の素の部分。

…今日はスペイン人と明らかに違う点について。

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結論から言うと、イタリア人はめちゃくちゃ口が悪い

口が悪いというのが正しい言い方なのかはわからない。普段よく使う言葉がスペイン人と比較できないほど汚い。

でも、彼らはどこの国の人よりもコミュニケーション能力が高い。そしてどこの国の人よりも「愛」にこだわりを持っていてロマンチックなことを言う。

(テレビ番組で見かけるイタリア人、会社でやりとりするイタリア人、イタリア語の先生しかしらない人にとってこの記事は理解しにくいだろう。)

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【男女問わず使う】
悪い言葉講座をするつもりはないのでそれぞれの日本語訳は省略するが、イタリア人は一言一言に「クソ」や「ファック」などをつける、と言っても過言ではない。「お尻の穴」や「排泄物のカケラ」といった言葉を平気で使う。もちろん友達と会話する時や独り言を言う時だけだが…。

南イタリア人は、特にひどい。北の生活では今ほど聞いた覚えがない。

"cazzo (カッツォ)"

"palle (パッレ)"

"pazzo (パッツォ)"

"minchia (ミンキャ)"

"vaffanculo (ヴァッファンクーロ)"

"mannaggia (マンナージャ)"

"stronzo (ストロンツォ)"

など挙げるとキリがない。ネットで調べたものではなく全て普段、友達や道ですれ違う人が言ってる言葉。まだ引っ越してきて1年なのに10以上の言葉を知ってしまった。大人しい女の子もサラっと "che cazzo!" と言うのには驚き。

【どういう風に使うのか】
(例1)
「明日テストあるよ」
『いや、何言ってんの?』...Ma che cazzo dici?!

(例2)
「ごめん、あの写真消しちゃった」
『ヴァッファンクーロ!』Mannaggia...vaffanculo!

(例3)
「今日授業20時までだよね」
『くそだるい』Minchia...che palle.
➡︎ スペイン人なら"ánimo!” (頑張ろう!) とか venga! (よしっ!) とか “venga vamos!” (頑張ろうやー!) とプラスの言葉が返ってきがち。

(例4) 電車が1時間遅れ。独り言で…
「はぁ〜最悪…」Boh che cazzo!

(例5) 
「やっと授業終了!楓は帰宅するの?」
『いや、勉強して帰るよ』
「は?頭おかしい!」Ma sei pazza!

⚠️ cazzo も minchia (南イタリア方言) も男性器を意味する。palle もそれ系。
⚠️ ヴァッファンクーロは直訳すると「自分のお尻の穴でやってろ (しに行け)」とめちゃくちゃ下品な言葉だが、若者は1会話に1回は使う…。 

 

スペイン人も確かにこれ系の言葉は使う。が、そのバリエーションははるかに少なく、使う頻度はイタリア人と比較できないほど低い。レベルも可愛く、まだ許容できるものばかり。

"hijo de puta" (売春婦の息子)

"mierda (クソ)"

"los cojones"

"joder (ファック)"

"putos cojones"

"¡qué cojones!"

"¡qué coño!"

"gilipollas" (くそったれ)

直訳すれば、"hijo de puta" は「売春婦の息子」の意味だけど、ネイティブは日本語の「クソ!」「最低!」という意味で使う。あとの言葉も全部そう。ニュアンス的には、「それクソだな」とか「最悪やんそれ」。

【大きく違う点】
スペイン人はよっぽどのことがない限り、面と向かって相手に汚い言葉を吐くことはない。サプライズをした時に相手が喜んで、"Joder, Kaede eres una loca que me haces muy feliz!" (も〜こんなにハッピーにしてくれるなんて君はおかしいよ) と言ってくれることはある。"loco, loca" の本来の意味は「狂ってる・バカ」だが、この場合は良い意味で使っている。

スペイン人は良い意味で褒める時にしか言わない。

一方で、イタリア人は平気で人に下品な言葉を使う。でも、これは日本人からすればちょっとした勘違いを起こしやすい。

もし、「ケ・カッツォ!」「ファンクー!」と彼らが言ってきたとしても、本当にそう思っているわけではない。「仲良しだから言えること」「これが言い合える関係=親しい間柄」とプラスに捉えてもいいようだ (本気で怒ってる時を除いて)。

その証拠に、先ほど挙げた例、

友達「やっと授業終了!楓は帰宅するの?」
私『いや、勉強して帰るよ』
友達「は?頭おかしい!」Ma sei pazza!

この続きは決まって…

友達「まあ〜いいや!アモ〜レ!また明日ね!まーなんて可愛いの私のベイビー!ばいばい〜〜〜」
"Va bene amore mio, ci vediamo domani! Mmmm che bella la mia bambinaaaa ciaaao!"

と言ってハグをしてくる。別の場面でもそう。

「明日テストあるよ」domani abbiamo l'esame.
『何言ってんの?』Che cazzo dici?!

この続きも…

『まあいいや、じゃあアモーレ、授業のノート送ってよ』
"Vabbé quindi...amo mi passi gli appunti per favore?"

これがイタリア人。

日本語には訳せないほど汚いワードを発するが、日本人ではありえないほどの親しみを込めた言葉、ロマンチックな言葉を頻繁に投げかけてくれる。恋人じゃなくてもアモーレと呼び合う南イタリア人。良く言えば、喜怒哀楽がはっきりしてる。

 

【日本語はキレイな言語?】
日本語は他の言語に比べ、腹が立った時に使う下品な言葉が格段に少ない。

・最悪
・クソ、カス、クズ
・キモイ
・ありえない
・頭おかしい
・いかれてる
・あいつナイわ〜 (最近)
・あいつ痛いな (最近)

これをスペイン人・イタリア人は上記の言葉で表現するしかない、それが彼らにとっては普通なのだから「口が悪い」「下品」と言っていいものか…難しい。でも、確実に分かるのはそれらを「言い過ぎ (使いすぎ)」だということ。

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