BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活11年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【言語の学び甲斐】スペイン語が話せて良かったと思う瞬間

言語の学び甲斐を感じる瞬間は、言語の上達度と共に変わる。

「ホームステイ先のおばあちゃんと会話が出来た」あの瞬間から今日まで、幾度となく『スペイン語の学び甲斐』を感じてきた。それらをグループ分けするなら、

1. 現地の人や友達と意思疎通レベル
2. その言語で何かを学ぶレベル
3. その言語で誰かの役に立つレベル
4. それ以上

この四段階になる。

今ではもう1〜3が当たり前化しているため、友達との会話で「学び甲斐」を感じることも、スペイン語で新しい分野を学び、喜びを感じることも無くなってしまった。初めてスペイン語を使って誰かの役に立てた時はとても嬉しかった。が、今では「人の役に立った」満足感を得るだけで、あの「喜び」はどこかへ消えた。

じゃあ、

スペイン語を習得すると「学び甲斐」を感じなくなってしまうのか?

そんなことはない。「4. それ以上」は唯一この中で個人に内容のバラつきが出るレベルで、これとその人の「学びの原動力」は直結していると思う。外国語が不自由なく話せるようになってもまだ、その良さを感じるのはどんな時だろう。

【私の場合】
最近「スペイン語が話せて良かった」と感じる出来事が二つあった。その共通項が私の「言語を学ぶ原動力」なのかなと思ってみたり。

① ある日の夜、突然食卓で「哲学の時間」が始まった。きっかけは、ダヴィデが面白い本を持ってきたこと。日本語独特の72単語がイタリア語で説明されている本で、著者は、日本人の旦那さんを持つ、日本在住のイタリア人女性だった。道草、趣、気分転換、空気を読む、金継ぎ、言わぬが花、など「和」を感じる言葉の美しさを解説しているもので、そのほとんどがイタリア語では一単語に翻訳不可な語彙。以前にブログで取り上げた「生き甲斐」や「」も収録されていた。

「この翻訳はちょっと違う。道草は例えばさ…」「逆に、この場面でイタリア人は何て言う?」「あ〜イタリア人ぽい!日本思想的にこれはね…」

大いに盛り上がり、時計を見ると0時近くなっていた。そんなことはお構いなしに今度はノートパソコンを開いてある曲の深い歌詞について語り合った。

題名: "WA" La via giapponese all'armonia -72 parole per capire che la felicità più vera è quella condivisa-
著者: Laura Imai Messina

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哲学的な話を存分に楽しんでいる時は毎回「スペイン語・イタリア語が話せて良かった」と感じる。最高に好きな時間。「イタリア語だったら一番近い言葉が〇〇かもしれないけど、これはスペイン語の◎◎の方がしっくりくるよ」なんて会話も言語と経験があってこそ出来るものだと思うから。

② 帰国中、直島 (瀬戸内海に浮かぶ島) のセブンイレブンの外でスペイン語を話していると、スペイン人のおじさんに話しかけられた。あまりにも聞きやすいイントネーションだったため、すぐにバルセロナの人だと分かった。「ブラジル人の嫁と10歳になる息子と3人で旅行に来てるんだよ。日本人だなんて君は幸せ者だね〜」帰りの電車でも一緒になり「日本人と話せる機会がないから」と、話に花が咲いて、質問攻めをされた。

「日本に来てまず驚いたのが、小さい子供が一人で電車に乗って登校をしている姿!あれはスペインや南米ではありえない。なんで?」

全ての疑問を晴らしてあげた。最高に楽しかった。自国と他国、両方の経験を生かせるような、こういうスペイン語をの使い方をこれからもっとしていきたいな。と思った。

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下がることのないモチベーション。その裏にはたくさんの出会いと些細な喜びが網羅していて、常にスペイン語の楽しさを感じているんだ。と気づいた。

 

【私の言語の限界が私の世界の限界】
言語や言葉の使い方を学ぶ = ある社会の形を学ぶこと。各社会の土台は言葉であるが、それはただの「言語ゲーム」にしか過ぎない。足を机にぶつけた時に「イタイ!」と言うのは、小さい時にそう覚えたから。「イタイ!」と言っている人に「大丈夫?」と近づいていく人を見て「大丈夫?」の意味 (ルール) を理解した。私たちは経験を通して学んだ、小さな範囲内だけで生きている。

本質ではなく、その上部にある言語のルール

これは社会的なもので、別の社会集団 (国・県・民族) では通用しないこともある。➡︎ それぞれの社会に独自の言語ルールが存在する。

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様々な土地の言語ルール学ぶことで「自分の世界の限界」は広がる。 

 

【利益を求めて学ぶ人】
「スペイン語が話せると就職に有利ですか?」という質問は私にとってはナンセンス。就職に有利だと思って学ぶ言語は「言語」なのかな。言葉は利益があるから学ぶものではなくて、楽しむもの。好きじゃないと楽しめない。第一、スペイン語だけに秀でていて就ける仕事はない。「日本語がネイティブレベルだと仕事がありますか?」と同じ。きっと今、意欲を持って言語を学んでいる人の大半は「利益」ではなく「喜び」「憧れ」「誰か」をバネに頑張っていると思う。「スペインに行きたい」「来週のテストで上のクラスに上がりたい」「ホームステイ先の家族に上手くお礼が言いたい」「いつも来てくれるお客さんと会話がしたい」「外国人扱いを受けたくない」「曲の意味が分かるようになりたい」「あの人ともっと喋りたい」「スペインの大学に合格したい」「もっと指示を明確に伝えたい」「この国で生きていきたい」こういう人は必ず伸びる。その言語が自分の一部になる。

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