BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【ヨーロッパ生活5年目】5ヶ国語話せるようになった今

 

日本の高校を卒業してすぐにスペインに移住。あれからもう4年半ちょっと。スペイン語を学びにきたのに気づけば5ヶ国語 (日本語、スペイン語、英語、イタリア語、カタルーニャ語) を話せるようになっていた。そんな経緯を今日は、以下のトピックとともに振り返ってみる: 

① どうすれば5ヶ国語話せるようになった?

② 5ヶ国語話せる人の頭の中はどんな感じ?

③ 海外生活・留学で言語が伸びない人の特徴

④ マルチリンガルのメリットとデメリット

⑤ 今思うこと

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【① 5ヶ国語習得の経緯とかかった時間】
英語
が話せるようになったのは英語圏 (カナダとイギリス) に夏休み留学した + 中学生の時は毎週 NY出身の先生 (ダンサーのCEBO) のスピーキングのクラスを受けていたから。
スペイン語は高校卒業して渡西するまではほぼ喋れなかった。高校の夏休みにバルセロナへ語学留学をしたから簡単な会話ができた程度。バルセロナに移住して半年、語学学校のおかげで B1.3 (中級) レベルになった。

それから大学受験の為に8ヶ月、アカデミア(専門学校) に通ってスペイン人が高校までに習う科目を履修し、教養を増やした。周りは同年代のスペイン語を母語とする子ばっかりだった。今、振り返ればこの期間が1番「スペイン語が伸びた」と言える時間だった。スペイン人と同じ条件で受けた大学入試。無事に第一志望のバルセロナ大学の哲学部へ入れた。入試後〜入学まで3ヶ月あったから語学学校を少し再開。最後は、B2.3レベル (中上級) の修了証をもらった。

バルセロナにきて1年半が経過したあたりから想定外のカタルーニャ語ライフが始まった。スペイン語と似てるからどうにかなると思ってたらそれは全く違う新しい言語だった。クラスは全てカタルーニャ語。休み時間はスペイン語で話す子が何人かいるものの、授業中の発言は全員カタルーニャ語。

今でも忘れない最初の授業。

教授の説明の中で分からない単語を全てひらがなでメモを取り、授業後に質問へ。『エル パティーメン ウマ』はスペイン語で何ですか?「エル スフリミエント ウマーノ」だよ。『トタショーはなんですか?』「トド エストですよ」とひたすら毎日これを繰り返してた。すると、2ヶ月目から授業が完璧に理解できるようになった。

冬や夏の休みは北イタリアで過ごすことが多く、イタリア語は現地の友達との会話で学んだ。イタリア語とイタリア人が好きで、現地で生活・勉強したいといつも思っていた。そして2017年秋、バルセロナ大学に籍をおきつつ、南イタリアのカラブリア大学の入試を受けて合格、移住。ダブル学位が始まった。

 

【② 5ヶ国語話せる人の頭の中は?混ざる?】
慣れてしまえば全然混ざらない。それぞれ全く別物で脳が切り替わる感じ。今、カラブリア大学でイタリア語ー英語ースペイン語の翻訳をする授業があって、イタリア人の友達からよく質問される。右隣の友達がイタリア語で「このスペイン語を英語にしたらどうなるかな?」と聞いてきたら瞬時に『イタリア語 (友達の質問を聞く) → スペイン語 (理解する) → 英語 (訳してあげる)』ってことができる。そうこうしてたら左にいる子や前後にいる子も「このスペイン語合ってる?」「これイタリア語でなんて言えばいいかな?」と聞いてくるけど、自分でも不思議なくらい相手の質問・言語に応じて、口から出る言語が自動的に変わる。これを多くの人が共感できる何かに例えるなら、日本で、「標準語を話す人と会話する時」と「家族と方言で話す時」の脳・感覚の違い。

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【③ 海外生活・留学で言語が伸びない人の特徴】
海外に半年いるのに、1年いるのに全然話せるようにならない…。って人は次のどれかがあてはまるはず。

・毎日現地の言語より日本語を話したり聞いたりする時間の方が多い。
(日本人で固まる、日本の友達と電話やチャットをたくさんする、日本語でユーチューブを見る、日本人アーティストの音楽ばかり聞いている)

・その言語を聞く・見る時間が毎日少ない。
(授業中だけ、買い物に行った時だけ等)

・友達とその言語で話さず、別の言語で話をしている。
(多くの場合が日本語・英語)

・あまり学ぶ必要性がない。
(もうすでに1つ以上の言語がペラペラでそれに満足してる人、別の言語を話しても通じるからいいやと思ってる人、その言語を話せなくても授業・仕事で困らない人等)

・いつも同じ人 (友達) とだけいる。
(決まった数人としか話さない人は、いくら海外にいるとはいえ、日本の大学や私塾の外国語のクラスで1,2人の先生からその言語を習うのと同じ= 時間がかかりやすい)

逆に、どれにも当てはまらない人は短期間で言語が習得しやすいと言える。寝ている時、夢の中で話されている言語がまだ日本語の人 (日本語なことが多い人) はまだ脳が現地の生活・言語に切り替わってない証拠かも?

【④ マルチリンガルのメリットとデメリット】
メリットは、色々な国の人と彼らの言語で話せる+その言語にしかない独特の表現や言い回しからその土地の文化も知れる+本や論文などの文書を翻訳されてないオリジナルで読むことができる点。仕事の可能性が広がる点。友達ができやすい点。

何よりもマルチリンガルは便利。

EU圏内でユーロが使える感覚に似ている。

デメリットは、"いいデメリット" になるんだろうけど空港や色々な言葉を喋る人が集まる空間で、全ての言語が雑音として聞こえないこと。全部の会話が理解できてちょっと疲れる。ってことくらいかな。これについては前に一度下の記事で触れたことがある:

【⑤ 今思うこと】
スペイン語が日本語くらい話せるようになった状態で、イタリアにきた。生活を始めた最初の1,2ヶ月は『イタリア人が言ってることを7,8割は理解できてるのに、なぜか自分の口から思うように言葉が出ない!』という今までに感じたことのない焦りがあった。理解できるのに口から出ようとするのはスペイン語で、でもイタリア語にしなきゃいけないことを頭ではわかっている → 何も喋れない。これまで「似てる言語はすぐに話せるようになれる」イメージを持ってたけど、実は真逆であることをつくづく実感した。やっぱり言語は必要性・危機感がある環境にいるとびっくりするほど早く習得できる。

最初にスペインに行った時、英語が通じない環境だったから自分が頑張ってスペイン語を勉強するしかなかった。スペイン語が話せないと現地の人と話すこともできない、友達もできない、言いたいことも言えない。カタルーニャ語を話す時もそう。私にとってカタルーニャ語は勉強するための道具だったから、それを理解できないことには何も得られるものがない、何も学べないという「危機的な」状況だった。

早く習得したい!っていう人が多いからこのような書き方をしたけど、私は誰かと比べずに自分のペースで、自分のニーズに合わせて言語を学べばいいと思う。不自由なく話せるようになるまで2年かかろうと3年かかろうと、その人がその土地で毎日楽しかったらいいわけで…。

 

アジアはわからないけどアメリカやヨーロッパでは2,3ヶ国語話せることが日本ほど珍しい・すごいことではない。現にスペイン人の大学の友達はカタルーニャ語とスペイン語と英語かドイツ語かフランス語を話す。イタリア人の友達も一緒。だから5ヶ国語話せる!と言ってもすご〜〜〜〜〜い!と重宝がられることはない。逆に、スペイン語とイタリア語がそんだけ話せるのに母語が日本語っていうのがすごい!とよく言われる。言語学的に見ても日本語はすごく深くて美しい言語で、外国人が習得するのに特に時間がかかる言語トップ5に入っているだろう。日本人で良かったー。

日本に帰ると色々な人から「何語が話せるの?英語はペラペラ?」と毎回聞かれる。1回の帰国で10人以上これを聞いてくる。この質問をしてくる人は『外国語=英語』という概念を持ってる人で、スペイン語が話せると言ってもパッとしない反応をする。「ペラペラ?」「何か喋って!」と言う人は、外国語が話せない人。ペラペラは多分スムーズに外国人と会話ができることだろうけど、それは海外に住んでる私たちからすれば当たり前だし…。「何か話してみて」が1番困る質問。『なんでもいいから一文言ってみて』って返す。こんなやりとりをしてると、日本はヨーロッパと違うな〜と感じる。

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色々テーマがずれたけど閑話休題、

話せるようになりたい!っていう言語がある人は、躊躇わず、とりあえずその国に行ってみればいいと思う。何も言えない、わからない、未知の言語の世界に自分を追いやってみるのはすごくいい経験で、今は想像できない何かが必ず得られる。何がしたいかわからないって人も、今まで経験したことがない環境に自分を置いてみれば必ず、やりたいことが見つかるもの。

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