BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活6年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。2019年6月より、バルセロナにある大学入試専門のアカデミアGUIUのアンバサダーに就任。スペインへの留学・大学進学に興味がある方は、お気軽にご相談ください 😊🇪🇸 barcelonandoo@gmail.com

【日本でも学べる学部】海外の大学で専攻して意味あるの?

建築の街、バルセロナの大学で「建築学」を専攻するのは非常に『意味がある』気がする。医学部も、西洋独特の考え方や治療へのアプローチが学べそう。ワイン学やカタルーニャ文献学も、本場って感じがする。

じゃあ、

文学部、言語学部、観光学部、数学部、化学部、経済学部、心理学部、教育学部、看護学部、はどうだろう?

「わざわざスペインやイタリアの大学に行かなくても日本で学べるんじゃないの?どうせなら海外でしか学べない学部を選んだ方が良いんじゃない?」と、思う人もいるだろう。

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私が在籍している2つの学部は、

哲学部: 西洋らしい

言語/翻訳学部: 日本にもありそうな学部

イタリアの大学では言語学を2年半、専攻している。(現在3年前期の期末テストの真っ只中。) この学部は、名前から西洋らしさを全く感じない。が、実際のところどうなのか。今日は、その感想をまとめてみる。

 

【身を以て感じる3つのメリット】
① そもそも内容が違う
聞いて、見て、読んで、理解する言語が日本語ではなく「外国語」という大前提のもと、現地の生徒と共に教養を増やしていく。基本中の基本と言われる偉人や学説を除いて、授業で取り扱う文献、論文、学術書は完全に「西洋仕様」である上、スペインの大学も、イタリアの大学も、履修する科目と専門用語が豊富。例えば、イタリアの言語学部の必須科目「言語プログラミング」は、日本だと情報学部やエンジニア学部で習う範囲のもの。スペインの哲学部の必須科目「数理論理学」は、どう考えても『理系』の域で難しく、最初の数週間かなり苦戦した。しかし、今となってはいずれも非常に便利で自分の勉強に役立つ知識である。

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② 多言語の環境下で学ぶ
教授も生徒も多言語話者であれば、最新の学術誌や講義をオリジナル言語のまま理解し、スムーズに討論へ発展させられる。そして、日本語や英語に訳されていないものでも当たり前に読み解ける力がつく。このように、言語を障害とせず、世界の波に乗り続けられるのも、大きなメリットと捉えている。これまでに何度も記事に書いてきたが、精通する言語の数が増えれば増えるほど、自分の世界観は2倍、3倍と広がってゆく。もう1つ、これ絡みでメリットを挙げるとすれば、コンタクトを取ってみたいと思える学者、技術者、教授の方と出会った時の「円滑さ」。その方の母語でメールが送れれば、会話が出来れば、歓迎される度合いがグッと上がり、アポが非常に取りやすくなる。人脈の広がりに差がつく。

③ 西洋をルーツとする学問
日本語を研究したい人は「アジア研究学部」へ進む。アラビア語の文化や文献に興味がある人は「アラビア研究学部」へ。では「言語学部」は、どんなことを学ぶのか、何を中心としたカリキュラムになっているのか。

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スペインやイタリアで言語学を専攻すると、必然的にギリシア語やラテン語をルーツとした言語の研究を行う。それから、現代言語学と呼ばれる新しい学問を掘り下げる。

外国語が好きなメンバーが集まり、ただ第二言語を習得する学部ではない。普段の会話で使われる言葉をミクロレベルで分析する他、意味論 (言葉の意味の仕組みと由来を調べる)、統語論 (文法を解析して言葉の規則や構造を見つける)、音韻論 (言語の音の成り立ちを調べる)、生成文法理論 (人間の言葉の本質と、言葉を覚える生物学的基盤を探る)、心理言語学 (人間の言語獲得のプロセスと心理的要因について)、なぜコミュニケーションは成り立つのか、言葉と文化の関係性、脳のメカニズムとコンピューターのプログラミングなど、言語を取り巻く分野を網羅する。それにプラスして、スペイン語、フランス語、ドイツ語、英語、イタリア語のうちから3ヶ国語を選択し、翻訳の特訓する。ここではそれぞれの言語学的特徴を見い出せるか、が鍵となる。

きっと、日本の大学の外国語系の学部と焦点が異なっているはず。

【結論】あくまでも独断だが…
海外の大学に、日本でも学べる学部は存在しない。医学医療系、エンジニア系、マーケティング系、美術デザイン系、どんな分野であっても、アジアの伝統的な考え方、技術、知識から離れた、西洋ならではの内容が学べる。ちょっと常識が覆るような、その真新しさは、ヨーロッパが中心となっている世界地図を初めて見た時の驚きに似ているだろう。

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