スペインの国公立大学 (4年制) を卒業するのに必要な単位数は『240』である。
1年次: 60単位 (前期30/後期30)
2年次: 60単位 (前期30/後期30)
3年次: 60単位 (前期30/後期30)
4年次: 60単位 (前期30/後期30)
バルセロナ大学の哲学部は、1年間に10-12教科 (前期5-6教科/後期5-6教科) 履修する。
勉強は、一度始めると止まらないほど楽しい。でも、単位取得の難易度について聞かれると私は「難しい」と即答する。
今日は、スペインの大学を卒業するのに最低必要な勉強時間を計算してみる。
【1単位は何時間?】
スペインの大学の単位は、ECTS と呼ばれる。イタリアは例外だが、これは一応、ヨーロッパ共通単位。
1単位 = 1 ECTS = 25時間
1教科 = 6 ECTS = 150時間
240単位 = 240 ECTS = 6000時間
つまり、卒業までに最低6000時間は勉強!
1単位の「25時間」に含まれているのは、
・授業
・講義
・演習
・自習
・セミナー
・プロジェクト
・試験勉強
果たしてこれは日本の大学と比べてどうなのだろう?
【日本の大学の単位は?】
文部科学省の公式サイトのQ&Aによると、日本も同様に、単位数に授業外の勉強時間も含まれているらしい。
スペインと大きな開きがあるようには思えない。それなのになぜ「今学期は全然授業がない」と言う生徒がたまにいるのかは不明。
【1年間の勉強量】
バルセロナ大学は、1年間 (60単位) の勉強時間を以下のように定めている。
1500時間〜1800時間
医学部、看護学部、歯学部は、4年制ではないため、上記の時間を余裕で上回るが、大半の学部の学生は、1年間に『最低1500時間』勉強をしている。
【卒論】
スペイン語で卒論 (6-30単位) は、通称: TFG (テーエフェヘー)。かなりの時間と熱量を費やす。150時間で書き上げる子は少ないと聞いた。
学位コースのページ数は、80〜120ページ。
博士レベルになると、300〜600ページ。
いずれもサイズは「DIN A4 (17×24cm)」で、両面印刷、文字の種類は基本的に Times New Roman だが、Arial もしくは Garamond でも良い。文章の文字サイズは「11」で、各章の大きな見出しは「16」…など。
こういった書き方のルール自体は、イタリアもスペインもだいたい同じだが、スタイル (傾向) は、同じ国立大学でも国によって違う。
前に別の記事で少し触れたが、イタリアの学位コースの論文は、自分の意見ではなく「引用」が多い。自分の頭で深く考えることも勿論、大切であるが、イタリアはスペインよりも『いかに幅広い文献に触れられるか・比較できるか・言葉に確証を持たせられるか』を重視している印象。
【4年で卒業出来るのか】
スペインの大学は、4年制。しかしこれは「4年で卒業」という意味ではない。実は、大学ごと・学部ごとに平均が存在する。
4年2ヶ月の学部
4年8ヶ月の学部
5年4ヶ月の学部
それ以下も以上も。
まちまち。
なぜここまで開きが出るのか?
入試を突破して現地の正規大学生になれたら、
必ず1年目に『この理由』を知る。
【復習⇄授業⇄自習】
次第に「復習」より「自習」にかける時間の割合の方が大きくなる。自由な環境であればあるほど、努力の継続が必要。
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