深夜になっても止まない超大音量の音楽、早朝まで続くにぎやかな屋上パーティー、家の前の広場で誰かが騒いでいる等の騒音被害。バルセロナでは、どこに電話をすれば良いのだろう。
ピソのオーナー?警察?
クレーム専用の番号?
匿名?何を聞かれる?
何分で家まで来てくれる?
【市の警察に電話を】
スペインの警察や救急が一体、何番なのかは未だに把握していないが、騒音被害の時にかけるべき『092』は昔から知っている。バルセロナ市の警察署 (Guardia Urbana de Barcelona) に繋がる番号で、24時間365日対応。
これは騒音苦情専用ではないため、まず最初に用件を伝える必要がある。
ある年のデータを見ると、1月から5月の間に092が受けた電話の数は、17640件で、内84%が苦情。「近所のバルがうるさい」「通りで誰かが叫んでいる」「上の階の人がパーティーをしている」…大半が寝れない被害。
自らの生活に支障をきたす音にストレスを感じたら、スペイン人は私たちが想像しているよりも気軽に092へ相談の電話をする。
大都市バルセロナでは、よく観光客の人がスリに遭う被害が問題視されているが、実はそれよりもはるかに『騒音問題』の方が深刻なのである。
【騒音防止ルール】
近所迷惑を防ぐため、午後9時から翌朝8時まで間、以下の活動を自宅で行ってはならないというルールがある。
・修理や工事
・大きな家具の移動
・大音量の音楽や歌声
・楽器や音響機器の使用
・悲鳴や叫び声
・パーティー (35dB以上)
【092にかけると…】
聞かれる内容は、
① うるさい家の住所
② 自分の住所
この2点のみ。
【言語に自信がない人】
予め、次の情報は正しい発音で伝えれるように準備を。
・苦情の種類: 騒音
・自分の住所
・ピソの階数
・家の近くにある分かりやすい建物や広場の名前
もし途中で上手く聞き取れなかった場合は、語尾を上げて、¿Perdón? (ペルドン?) と聞き返してみれば良い。質問をもっとシンプルかつ簡単なスペイン語で言い直してくれる。
【電話を切ると…】
バルセロナ市内をパトロール中の警察官に無線で連絡が入り、近くを歩いている警官2名が現場へすぐに向かってくれる。バルセロナの中心部には、見回りのおまわりさんが多くて、安心。
一昨日 (2020年12月7日) は、5分以内に駆けつけてくれたらしい。思いの外、速い。…「らしい」ということは、私の身近な誰かが実際に電話をしたということ。
【ある夜のエピソード】
土日と祝日の間の平日。
21:05
21時を回ったあたりで、弟から電話がかかってきた。「ん?」と聞き返すほど、後ろの音楽と話し声がうるさくて聞き取れなかった。
「え?それ今、自分の部屋なん!?」
自宅でパーティーをする集団の騒音に悩まされていたらしい。バルにいるのかと思ったほど、低音が耳に残るBGMと、大人数独特のワイワイだった。
感染拡大防止のため、クラブやディスコは閉まり、バルの営業も22時までと制限がかかっているコロナの状況下で、住民ではない若者が15人以上集まり、狭い空間でどんちゃん騒ぎを繰り広げているという…なんとも困った夜。
「うちの家に来たら?それかイヤホンつけて映画か音楽でも聴きながら寝とき」
…
…
23:15
弟『全然おさまらんし、ほんまにうるさい』
私「警察に電話したら?」
弟『かえでがかけて』
私「いや、そのリアルなBGMの中でかけた方が良い。それに自分の住所を聞かれた時に、そこと全然場所が違うから、おかしいやん。092にかけてごらん。"Mi vecino está haciendo una fiesta y haciendo muchísimo ruido." で。」
00:50
私「警察きた?」
弟『ああ、もう5分後には来てくれとったよ。すぐ静かになった』
…
…
コロナが無くても、22時半以降に自宅で、ご近所さんに迷惑になるフィエスタはNGだと思う。度合いによるが、時間帯的に『21時半〜22時』は、私の中でまだセーフな域。22時半〜23時を回っても、収まる様子が全くなければ、通報を考えても良いだろう。
【バルセロナ市警察HP】
耳にすることが多い Denuncia (苦情/通報) の種類は、
Denuncia por exceso de ruido ambiental
いつ終わりがくるのか分からない何年も続いている工事音や振動に対するストレスや、下の階の服屋さんやバルの音楽が気になる場合もこれに当てはまる。092へ電話をかけるか、下のリンクからオンラインで届出をするか。
Trámites | Guardia Urbana de Barcelona | Ajuntament de Barcelona
【終わりに】
被害に遭うことを考えるより前に、自分たちも友達と集まる時、シェアメイトと楽しい時間を過ごす時は、周りへの配慮を忘れないようにしよう。
生活の中に悩みとなっている騒音があるのなら我慢をせず、092にかけてみよう。
ちなみに、加害者となってしまい通報をされた場合、NIEやDNIなどの身分証明書の番号を警察に控えられる+罰金の対象になるため、要注意。
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