スペイン語ネイティブと話す機会が増えてきたものの、なかなか会話に入るタイミングが掴めない人が多いだろう。今日は、『みんなが話している内容は分かるけど、聞かれないと話せない、会話の輪に入れない人』に向けた記事。
【なぜ入れないのか】
私が思うに、現地の文化に慣れるまで日本人は、日本語の会話の始まりと同じように話し始めてしまうため、いまいち周りのスペイン人たちの注目を集められない。
日本では、どのようなフレーズで『話す順番』が変わるか。友達数人と食事をしている場面を思い浮かべると、
・逆説:「いや〜でも…」
・共感:「なるほど、確かに…」
・補足「それはさ、」
「あ〜」「逆に」「本当?でも…」「え、俺なら」「そうなのよ」「俺的には」「私は」「うちらの場合は」
のような短い言葉や、頷き。スペイン語に比べると、この『入り』は控えめで弱い印象を受けるが、日本人は、誰かが話し始めるとその人の言葉を聞こうとするため、これでも十分、みんながその場を楽しめる。
では、スペイン人はどのように話し始めるのか。現地に住んでいる人であれば誰しも次のフレーズを聞いたことがあるはずだ。
・"Lo que pasa es que..."
・"La verdad es que..."
・"Puede ser que..."
・"No es que..."
・"No creo que..."
・"No digo que..."
・"No creas que..."
・"No vayas a pensar que..."
スペイン語は「動詞」が一番前にくる言語である。それゆえ、スペイン人の耳をこちらに傾けてもらうには、はっきりとした一文が必要となってくる。
"Lo que pasa es que perdí el tren."
"Pero no creas que ella es antipática."
のように、自分のこれから話す内容の一番重要な部分を文頭にもってくる。それから、"porque..." と、説明を続ける。これがスペイン語の会話の「普通」であるがゆえ、日本語と同じ文章の作りをすると (最初に理由を持ってくると)、スペイン人は「何が言いたいのか分からない」と感じてしまう。
日本人:「昨日の夜、久しぶりに友達と会って遅くまで飲んじゃったから…今日電車に遅れちゃったんだよ。」
スペイン人:「それが…今日電車に遅れちゃったのよ。昨日の夜、久しぶりに友達と会って遅くまで飲んじゃったから…。」
この、言語と文化の違いから私たちはスペイン人に対して『ダイレクトにはっきりと物を言う』イメージを持つわけである。
…要するに、鍵は『文頭』。
"Lo que pasa es que..."
で、会話の主導権を握れる。
【indicativo/subjuntivo】
記事の最後に載せる練習問題の内容は、B2.1レベル。
【便利なお決まり文頭】
・Lo que pasa es que + indicativo
(訳) 実は、それがさ、と言うのも、要するに、問題はさ
➡︎ Lo que pasa es que no tengo ganas de comer. (それがさ、今日食欲がないんだよね。)
➡︎ Lo que pasa es que cambié la contraseña y no recuerdo la nueva. (問題はさ、パスワードを変えたは良いけど、それを思い出せないってところなんだよ。)
➡︎ Lo que pasa es que hay unas personas que creen que el mundo es de ellas. (それが、世界は自分のものだと思ってしまっている人たちが少なからずいる。)
・La verdad es que + indicativo
(訳) 実は、本当のところ、実際は
➡︎ La verdad es que estoy un poco cansado hoy. (実は今日ちょっと疲れてるんだ。)
➡︎ La verdad es que Barcelona es pareciosa. (本当にバルセロナは美しい。)
➡︎ La verdad es que siento que cada día extraño más a mi novio. (正直なところ、日に日に彼氏が恋しくなる。)
・Todo lo que + indicativo/subjuntivo
(訳) 全て〇〇
➡︎ Todo lo que me digas, te creo. (君が言うこと、全部信じるよ。)
➡︎ Todo lo que dice ella es totalmente correcto. (彼女が言うことは本当に正しいよ。)
➡︎ Todo lo que me escribes es interesante. (君が僕に書いてくれる内容、全部興味深いよ。)
・No creas que + indicativo
(訳) 〇〇だとは思わないで
➡︎ No creas que ella es antipática. (彼女が冷たい人だとは思わないで。)
➡︎ No te creas que soy del Barça. (俺がバルサファンだとは思わないで。)
➡︎ No creas que somos tontos. (俺らがバカみたいだとは思わないで。)
・No vayas a pensar que + indicativo
(訳) 〇〇とは考えないで
➡︎ No vayas a pensar que te lo digo. (それを私があなたに言うとは思わないでよね。)
➡︎ No vayas a pensar que es cierto. (その通りだとは考えないで。)
➡︎ No vayas a pensar que todo el mundo hace las cosas así. (全員が全員こうするとは考えないで。)
・No es que + subjuntivo + es que + indicativo
・No es que + subjuntivo + sino que + indicativo
・No es que + subjuntivo + lo que pasa es que + indicativo
(訳) 〇〇ではなく、△△
➡︎ No es que yo sea un gran lector, sino que este autor es mi cantante favorito. (読書好きなんじゃなくて、この著者、僕の好きなアーティストなんだよね。)
➡︎ No es que hiciéramos algo mal, lo que pasa es que él se rompió con su novia. (俺らが何か悪いことをしたってわけじゃなくて、今日あいつ、彼女と別れたからああなんだよ。)
➡︎ No es que esté triste, solo no tengo motivos para estar feliz. (別に辛いとかではなく、ただ単に嬉しいことがないだけ。)
・Puede ser que + subjuntivo
(訳) 〇〇かも
➡︎ Puede ser que Instagram funcione mal. (インスタの調子が悪いのかも。)
➡︎ Puede ser que sólo no le apetezca. (ただ、あいつの気が向かないだけかも。)
➡︎ Puede ser que cierre a las 20:45. (20時45分に閉まるかも。)
【練習問題】
① 一日勉強しただけで合格できるとは考えないで。
② それがさ、雨が降ってるから家を出るのが面倒なんだよね。
③ 毎日海に行きたいけどね。
④ 実は、全く何も理解できなかったんだよ!
⑤ 雨が降っているんじゃなくて、空が泣いているんだよ。
⑥ シャイなのではなく、会話で意見を求められなかったら話さないだけ。
【解答】
① No vayas a pensar que por haber estudiado un día puedes aprobar.
② Lo que pasa es que me da pereza salir de casa y que esté lloviendo.
③ Lo que pasa es que todos los días quiero ir a la playa.
④ La verdad es que no entendí nada de nada! (La verdad es que no entendí nada! でもOK)
⑤ No está lloviendo, lo que pasa es que el cielo está llorando.
⑥ No es que yo sea tímido/tímida, sino que no hablo si no piden mi opinión en una conversación.
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