イタリアのカラブリア大学では、Exam.net (エクサム・プント・ネット) という「Web試験システム」を使って期末試験を行っている。昨日は受験者数が100人で、出席確認から開始まで40分もかかった。(40分も延びた理由は、後ほど。)
【Exam.netの紹介】
今日までに5回使った。非常に便利なこのサイトを評価をするなら私は『満点』をつける。
ヨーロッパで利用度が高いのだろう。表示言語は、7ヶ国語 (ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ポーランド語、スウェーデン語) の中から選べる。
使い方はZoomよりシンプルで、生徒は、先生から聞いた『コード』を入力するだけで試験にアクセス出来る。
開始と同時に自動でフルスクリーンになり、いくつかの動作に制限がかかる。
・他のサイトの閲覧
・開始前に行った文章の「コピー」の保存
・スペルの自動確認
試験中、先生とはリアルタイムでチャットが出来る。何か質問をしたい時、誤って別のサイトを開こうとしてしまいブロックがかかった時、残り時間を追加したい時にスムーズなやりとりが可能。残り時間が秒単位で表示されるのも、結構助かる。大学で直接行う筆記試験よりも快適だと感じている。
二画面になっている。
上: 問題
下: 答えを打ち込む
こんな感じ ⬇︎
【Exam.netの使い方: 生徒ver.】
① コードを入力。
② 先生が求める情報 (名前、メアド、学生番号など) を打ち込む。これは試験をアップロードする際に選んだ必要項目なので、学校や科目によって変わる。ちなみに先生は、何人がコードを入力したか、何人が開始したか、誰がトラブルで困っているかなど、生徒の状況を細かく見れる。
③ 開始の合図を待つ。全員の準備が完了したら、先生が「スタート」のボタンを押すので、それまで静かに待つ。
④「準備が整いました。グッドラック!」のメッセージが表示されたら、その下にある『試験開始』のボタンを押す。これをクリックした瞬間からフルスクリーンになり、他サイトへのアクセス等が制限される。
⑤ 問題を解く。
⑥ 答案用紙を提出。早く終わった場合も、自分のタイミングで出してOK!正しく送信が完了すると、下の画面に変わる。「送信ありがとうございます!もうページを閉じて構いませんよ。」
【当日のルーティーン】
カラブリア大学の言語&翻訳学部を例に挙げ、流れを説明する。
以前、別の記事に書いたが、試験中は自分の背後に携帯を設置してZoomというテレビ電話アプリを常に繋げておかなければならない。問題を解くのはパソコン。
① Microsoft Teams で点呼&グループ分け
➡︎ いくら試験監督の教授が2-3名いたとしても、Zoomで100人を超える生徒の様子を一気に見るのは難しいため、3つの約35人のグループを作る。ZoomのミーティングIDとパスワードはそれぞれ異なる。
② 質疑応答
➡︎ 試験やアプリに関する質問を行う。大学の教室と同様に発言をしたい人は挙手をする。ちゃんと「挙手ボタン」があるとは。
〜蛇足〜
日本と違って、こういう場面で質疑応答する生徒の数が多い。しかも結構みんな当たり前のことを真剣に聞く。「試験中ペットボトルのお水を飲んでも良いですか?」「この点呼のあとZoom (別のアプリ) に移動する間にトイレに行っても良いですか?」「背後に携帯を置く場所がないんですけど。」
(笑)
教授のごもっともな返事 (つっこみ) は毎回面白く、この時間も楽しい。
『(水ついて) 当たり前でしょ。ペットボトルの中にカンニングペーパーを仕込んでいたらもうお手上げ。むしろその労力は加点レベルだね (笑) とりあえず水は自由にどうぞ。コップでもボトルでも構いません。直接蛇口はちょっとやめてね。その行為に問題があるんじゃなくて、カメラ外に行っちゃうからね (笑) はい、次の質問は?』
…この時点でもう予定開始時刻から20分強が経過している。
③ Zoomに移動
➡︎ 自分のグループに入ったら、そこでも出席確認 (点呼) を行う。名前を呼ばれた生徒は、学生証をカメラに見せ、携帯電話を固定する位置のチェックをしてもらう。遠すぎる人、角度が悪い人は、直さなければならない。
モノリンガルの辞書を使用したい場合は、その本の表紙もあわせて見せる。昨日の午後受けた『イタリア語⇄英語翻訳』の試験で、辞書を使っていた生徒の数は、私のグループ30人のうち20人ほど。
④ コードを聞く
➡︎ 全ての確認が済んだら、試験コードを教えてもらえるので、Exam.net に移動する。
⑤ 全員のアクセスを待つ
⑥ 開始
⑦ 終了
➡︎ 終わった生徒から提出し、パソコンを閉じ、Zoomのミーティングから退出可。
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