BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【あなたの1時間の価値】何円で自分の時間を売れるか。

「時間の価値」について学ぶ時、スペイン語圏には1つ、有名な小話がある。Youtubeに複数の再現ビデオ (3-5分) がアップされているほど、感動的な良い話。タイトルは、

Papá ¿Cuánto vale una hora de tu tiempo?
(ねえ、パパの1時間っていくら?)

【要約】
主人公は、7歳くらいの小さな男の子。お父さんは夕食の時間になっても仕事から帰って来ない。お母さんは食事の用意はしてくれるが、忙しいため、一緒にゆっくりご飯を食べることはない。ある日、お母さんに「パパは何時にかえる?」と聞くと『遅いわよ、もう寝なくちゃダメよ』と言われる。しかし、その日はどうしても言いたいことがあっため、リビングのソファーで眠い目をこすりながらお父さんの帰りを待った。夜中、帰宅したお父さんに「パパ、ひとつきいてもいい?」と問う。『なんだい?』「パパは1時間にどれくらいかせいでいるの?」『なんでそんなことを聞くんだ』「ただ…知りたいだけ」『…10ドルだが…それがどうしたんだ』「…ねえ、5ドル。ボクにくれない?」『何を言ってるんだ!また新しいおもちゃを買うつもりか!馬鹿げている!早く自分の部屋へ行って寝なさい!』男の子は悲しそうな顔をして自分の部屋のベッドへ向かい、眠りにつく。腹が立っていたお父さんだが…、ふと我にかえり、先ほどの質問を振り返る。…5ドル…5ドルか…。財布から5ドル札を抜き、寝ている息子の部屋へ。「ほら」と1枚手渡した。すると、男の子は満面の笑みでお礼を言い、受け取り、ベッドの下に隠してあった貯金箱を嬉しそうに取り出す。中には既にたくさん貯めてあったお小遣いが入っていた。それを見たお父さんは驚いた様子で『すごい持ってるじゃないか。…なのになんで…もっと欲しかったんだい?』と聞く。「たりなかったからだよ、でもこれでぴったりだ!」『一体、何が買いたいんだ』「ねえパパ、パパはさっき、1時間に10ドルかせいでいるっていったよね?だからその1時間をボクに買わせて。おねがい。明日の夜ごはんいっしょに食べたい」と、貯めてあったお金を全てお父さんに差し出した。思いもよらぬ答えに涙ぐみそうになりながらも、言葉が出ず、息子を抱きしめる父。

【お金の額】
登場するお金の額と通貨は、国によって異なる。下のビデオは、10ドルだが、別のビデオでは100ペソだったり50ドルだったりする。日本だと「1000円」くらいがちょうど良いのかな。

【ビデオのポイント】
このストーリーには、2つのメッセージが含まれている。

① 子供との時間を大切に。子供が本当に欲しいモノのはおもちゃではなく、家族と過ごす時間と愛情である。

② 自分の1時間の価値はいくらだろう。

 

【時間の価値について】
この先「自分の1時間」に価値をつける場面がある。いわゆる、値段設定。イベント、事業、依頼、お手伝い…。

自分の時間を「お金」という「価値」に当てはめるのは案外、難しい。

だから多くの場合、一般的な例 (相場) や、現在の仕事の時給を参考にする。

・語学教室
・サッカー教室
・ピアノ教室
・セミナーやワークショップ
・翻訳 (1単語あたり)
・通訳

いずれも「知識」を売る。

しかし、

おりがみ教室<スペイン語の同時通訳

パソコン教室<お医者さん

というように、同じ「仕事」でも、その知識を習得するのにかかった時間と努力、そして難易度によって変わる。勉強をすればするほど、自分の価値は高まる。オリジナルな経験をすればするほど、自らがその基準となる。

【価値の変動】
もし「このビデオの内容をベースに、1つ問題提起をしなさい」と言われたら?

私は「価値の変動」を選ぶ。

同じ人間でありながら、

同じ1時間でありながら、

なぜ「惜しみなく1時間を捧げられる相手」と「価値を感じない相手」がいるのか。を掘り下げる。そうすると『価値』の神髄にたどり着く。

「何円で1時間を売ってくれる?」

と、自分の子供から言われたら?

もちろん、本気で売る人はいない。でも、真剣に値段をつけなければならないとして、その額が、恩師から言われるのと、恋人から言われるのと、偶然カフェテリアで隣に座っていた人から言われるのとで、変わるのはなぜか。

自らの価値を高めてくれる相手、環境、勉強、仕事、時間とは。

こういうテーマが好きな人は「自分ならどんな問題提起をするかな?」と考えてみると面白いだろう。

 

【自分の時間を買ってくれる人】
サービスでも知識でも何でもそうだが、やはりお金を出して買ってくれた人には、それ以上の価値を返すようにするのが基本。

私の仕事における価値観のひとつには、母と祖父から幾度となく教わってきた、この「基本」がある。最近も、その大切さを念頭に濃く置くようなやりとりがあった。

ここに実例を挙げれば非常に分かりやすく、2人の人間性や価値観を表現出来て良いのだが、あまりにも「具体例」過ぎるので、ブログでは割愛。

一文にまとめるなら、

自らに価値を感じ、技術や知識 (=時間) を買ってくれた人、信頼してくれた人には、必ずプラスで返す。+αを返す。

価値を例えるのに「お金」を用いると、イメージしやすいから何度も書いてきたが、無論、お金が全てではない。

むしろ、お金で買えない価値と価値の交換の方が、毎日世界中で多く行われていると思う。

「愛」「思いやり」「信頼」

古代ギリシアにあった4種類の「愛」の概念 (エロス、フィリア、アガペー、ストルゲー) について、「思いやり」と「信頼」の語源について触れるのも哲学的で楽しいから、またいつかの記事で。

閑話休題、

あなたは何円で自分の1時間を売れるだろう?

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