BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【番外編:アメリカ】ニューヨーク旅行で感じたスペイン語の凄さ。

2019年12月末、初めてニューヨークを訪れた。街で英語よりスペイン語を聞く機会の方が多いなんて、思ってもみなかった。

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【NYで感じたスペイン語の凄さ】
公用語である英語と並ぶんじゃないかと思うほど、普通にスペイン語が話されている。空港や美術館のインフォメーションの表記はもちろん、メトロの券売機、料理店のメニュー、商品のラベル。そして、ホテル、ショップ、レストランにはネイティブの従業員さんがたくさん。観光客が多いエリアである街の中心、マンハッタンだけかと思いきや…。ジャージーシティーの北部、ノースバーゲンのローカルバス車内では、乗客約10名、全員スペイン語を話していた。そこは特に話者が集中しているエリアらしく、運転手さんも流暢だった。「英語」のイメージしか無かったニューヨークだったが、4日、5日、6日と過ごすうちに「どこへ行ってもスペイン語が通じる街」という印象に変わった。…スペイン語は、確実にグローバル言語として力を強めている。

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【どんなスペイン語?】
高校生の頃、英語を教えてもらっていた先生と再会するために向かったジャージーシティー。バスの中では、聞いたことがない訛りのスペイン語が耳に入ってきた。でも、スペインのスペイン語を習得していれば問題なく全て理解可能。席を譲ってもらった時、バスを降りる時、どの人も『グラシアス』ではなく『グラシア』と特徴的な "Gracias" の発音をしていた。スペインや南米の一部の地域で語尾の "S" の音が消えることはあるが、それとは違った。最後の『ア』がやけに強調されていたし、複数形の "S" は普通に発音していたから。面白い。私が唯一好きな服屋さんでもスペイン語が飛び交っていた。

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ヒスパニック系アメリカ人のお姉さんが対応してくれた。南米訛りの彼女は「なんでスペイン語話せるの?そっか、良いな〜バルセロナ!ニューヨークは近年ラテン系の移民が増え続けているのよ。」と。親切な方で、服の話以外にも時計の修理が出来る場所を詳しく教えてくれた。背後では若い男性従業員さんが「アルゼンチンのどこですか?えー!ブエノスアイレスだけは昔から行ってみたいんです!」お客さんとスペイン語でテンポ良く会話を楽しんでいた。

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街や観光スポットで聞こえてくる観光客のスペイン語は、意外にもスペインのスペイン語が全体の70%くらいで、残りは南米のアクセント+単語を使っていた。全く知らない土地でも、聞き慣れている言葉が聞こえてくると急に安心感が得られるもの。クリスマスだからか、家族連れが多く、スペイン人ならではの賑やかさで…居心地が良かった。

 

【ぱっと見で判断出来ない】
典型的なアメリカ人の容姿を持つ人であっても、スペイン語を母語としている人をたくさん見かけた。映画で見かけるような『ザ・アメリカのおじいちゃん』も、電話で訛りのない綺麗なスペイン語を話していた。

【言語習得の良循環】
アメリカに限らず、スペイン語が公用語となっていない国で「日本人」が「スペイン語」を話すと、ネイティブスピーカーたちは嬉しそうに驚く。歓迎してくれる。距離がグッと近くなり、一気に会話が弾みだす。すると、楽しくて楽しくて、それがまたスペイン語を好きになるきっかけに。…この良い循環に乗ってしまえば習得スピードが何倍も速くなる。

【非公用語の国】
「働くために」「学ぶために」自国を出て、経済大国へ渡り住んでいるスペイン語ネイティブ (特に南米の方) の数は年々増え続けている。下の記事にある数値は2017年データ。(近々、2019年の最新版を載せる予定。)

【アメリカ人とスペイン語】
ハイスクールでは、第二言語としてスペイン語もしくはフランス語を習うのが一般的だが、小さいうちから学ぶ子も増えているそうだ。ニューヨークの人たちは、スペイン語が身近にある生活を長年送っているから、話せないとしても「聞けば分かる」「昔習っていたのを思い出す」と。これまでに複数のスペイン人から「僕らは英語の知識がゼロでも困ることなくNY旅行が満喫出来るんだよ」と聞いていたが、今回その意味がよく分かった。2018年のデータによると、アメリカの人口の17.8% (4210万人) は、スペイン語話者。家で英語を使っていない割合が高い州は、テキサス、カリフォルニア、フロリダ、ネバダ。

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【終わりに】
明るくて、奥深くて、表現と語彙に富んだ、スペイン語は、必ずこれから先の強みになると確信した。ただ単に話者数が多いだけではない。魅力が詰まっている。だからもっと日本人にこの素敵な言語を「好きになるチャンス」を与えたいと思った。スペイン語が話せれば、自分の世界も可能性も広がるということも何らかの形で伝えたい。

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