BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【内面と環境】どれくらいでスペイン語を話せるようになりましたか?

いつもは4-5文くらいで簡潔に答えるのだけれど、今日はブログを活用して、細かく書いてみようと思う。

内面環境の二つの視点から。

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-スペイン語を学ぶ友達と楽しく日常会話が出来るようになるのは5ヶ月目あたり-

【1年目】2014
内面: まだスペイン語が自分の言語になっていなかった。友達と旅行へ行く時、電子辞書がないと不安だった。でも、話せるようになりたかった言語を使って生活が出来ていることに対しては嬉しく、日々ワクワクしていた。(その一方で、自分から行動に移さないと何も始まらないことを痛感した。)

環境: 1年目の約60%は、語学学校にいたから、非スペイン語ネイティブの友達しかいなかった。7ヶ月目から受験対策をするために、アカデミアに入学したが、雰囲気が語学学校と違い、友達と呼べる友達はいなかった。(3-4ヶ月目からみんな仲良くなり始めた。) 自分の中で「人種」が、1つになった年でもあった。スペイン人、メキシコ人、アメリカ人、タンザニア人…、どこの国出身の人であっても「自分と違う国の人」という感覚を抱くことがなくなり、世界が広がりはじめた。

スペイン語 (A1 ➡︎ B2): 10ヶ月かけて、初級からスペインの高校の授業が受けられるレベルになった。多言語話者が身近にたくさんいる環境の中で「色んな言語を操れる人かっこいい!」と、憧れを抱いていた。急激な上達はなかった。A2.1 ➡︎ A2.2 ➡︎ A2.3…ひとつひとつ確実に。

-受験勉強が始まると (留学7ヶ月目以降は)、もうスペイン語云々のレベルではなくなり、B1やB2という基準 (単位) が脳裏から消えた、とにかく前へ-

➡︎ 多くの人が最初にイメージする「話せるようになる」という地点は、1年目の後半に通り過ぎていた。

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【2年目】2015
内面: 得意としていた受験科目で満点を取ったこと、第一志望に合格したこと、の2点が大きな自信となり、この言語で何でも出来そうな気がした。…が、大学に入学後、カタルーニャ語の壁にぶつかり、振り出しに戻った。環境: 2年目の前半は、アカデミアで南米の友達に囲まれて勉学に励んだ。後半は、現地の大学。ついに自分が「外国人」ではなくなる環境に身を置けた。教授から『交換留学生?』と聞かれることもあった。「いや、受験をしました」と答えた瞬間からもう「現地の生徒」として扱われる。厳しかった。「これ、日本では習っていません」が一切通じないような雰囲気。知らないことを作らないように努力した。スペイン語 (B2 ➡︎ C1): 専門用語にも対応出来るようになる。しかし、文法を100%理解しきっていたわけではない。(接続法の線過去がまだ曖昧だった。) この年、スペイン語に感情が入らないことが気になり始めた。喜怒哀楽迷決愛考悩笑述緊尊、全てをこの言語で経験しなければ、言葉に気持ちが乗らないのかな?と。

-ネイティブと同じスピードで幅広い分野の会話が出来るようになったのは2,3年目の間-

 

【3年目】2016
内面: 勉強 (大学生活) に余裕が出てきた。大学1年目は、クラスメイト (ネイティブ) に、どこか劣りを感じていたが、度重なるプレゼンテーョンや試験、そして友達に授業内容を教えてあげられるようになったことから受験以来、現地の生徒と同じ目線に立てている感じがしていた。テニスも本格的に再開し、バルセロナ生活がより楽しくなり始めた。 環境: 様々な職種、他学部の友達が増え、小さな輪が一気に広がった。異国の街が、自分の街になりつつあった。大学は依然として「楽しい」というより「学びの競争&自分の教養を高め続ける場所」だった。スペイン語 (C1 ➡︎ C2): 3年目の後半になると母語並みに、何でも言える何でも分かるレベルになった。フォーマルな言葉遣いも習得。言葉に気持ちが乗り始めた。脳が常に不思議な感覚になっていた年。(瞬間自動翻訳機が頭に入っているような。…脳の働きに感心した。)  スペイン語で何かを学ぶ習慣がつき、日本語で物事を一切考えなくなった。

-スペイン語が完全に外国語でなくなる3年目-

【4年目】2017
内面: 海外生活で起こりうる「問題」を一通り経験したと言えるほど、色々なトラブル (ビザ、置き引き、スリ、銀行のカード盗難、水増し請求、なぜかクローゼットから水が溢れ出す事件、ストーカー、Wi-Fi泥棒など) を乗り越え…、精神的にも成長した。環境:「慣れ」が原因で、環境から得られる刺激がほぼゼロになった。毎日楽しかったが、何か新しいチャレンジを『知らない国』と『言語』でしたくなった。➡︎ イタリアとスイスの大学へメールを書いた。受験の情報収集。スペイン語 (C2): 語彙がどんどん増えた。

【5-6年目】2018-2019
5-6年目は、スペイン語ではなくイタリア語がメインだったので、簡潔にまとめる。言わずもがな「初めまして」の連続で、誰も自分を知らない土地で、またゼロから始まった。…気を引き締めた。スペイン語話者あるあるだと思うが、イタリア語を聞いた時「え、何言ってるか分かる!」と、少しテンションが上がる、アレ。「簡単じゃん!」「スペイン語と似てる!」と、自分を過信する、アレ。が、裏目に出た。さっぱり通じない。二言三言の会話ではなく『生活する・大学に通う』となれば、類似点を見つけるのが難しいほど異なる二言語。(例1) どこにゴミを捨てたら良いの?
🇪🇸 ¿Dónde se tira la basura?
🇮🇹 Dove si butta la spezzatura?(例2) 明日は早く行った方が良いよ。
🇪🇸 Te recomiendo que vayas temprano mañana.
🇮🇹 Ti consiglio di andare presto domani.(例3) 階段を上がらないとだめだよ。
🇪🇸 Tienes que subir las escaleras.
🇮🇹 Devi salire le scale.あの「分かった風」の錯覚は、本当に気のせいであった。

【6-7年目】2019-2020
内面: スペイン語が自分のための言語ではなくなった。環境: 言語が武器になるというステージの上にたどり着いた。スキルと知識がなければ、各土地 (スペイン・イタリア・日本) で信頼関係が築けていなければ、何も始まらない。と、思わされる環境。「自分の好きな言語を話せるようになる」がゴールではなかった。その言語が自分のアイデンティティのひとつになって始めて、スタート地点に立てるような。「もうちょっとやってみよう」が「まだまだやる」に変わるような、7年目。

【あとがき】
ここ数ヶ月のカウンセリングやプライベートレッスンの中で、最もよく受ける質問に長々と答えてみた。『未知の言語であるスペイン語を自分も習得出来るのか』が、大きな不安要素らしい。私は「行ったらどうにかなる」という心構えで渡航の日を迎えたから、この類の悩みを持ったことがない。・話せる話せない・好き嫌い・合う合わないは、どれも別物。スペイン語が「なんか違うな」と感じたら、その時しっくりくる言語を探し始めれば良い。大学では、カタルーニャ語で説明をする教授の授業を取っても良いし、英語を話す教授ばかりを選んでも良い。これから先、自由度の高い環境の中でどんどん選択肢が増えていくから大丈夫。

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