なぜ、日本は西洋に比べて「好き」を仕事に出来てない人の割合が高いのだろう?なぜ、入社して間も無く「仕事行きたくない」と思い始めている人が多いのだろう?
【日本の就活】
スペイン語圏の人は日本の就活を「さすが日本!良いシステム!」と賞賛しているのか。
…残念ながら、批判されている。
日本のこの習慣についてポジティブな内容を書いているスペイン語の記事はまだ一度も見たことがない。皮肉な内容か、懸念の声が非常に目立つ。
批判されている5大ポイント
① 就活の開始時期が早すぎ!いつ勉強してるんだ!
② 日本人は良い企業に入社するために高い学費を払ってるの?
③ 1対1の面接が1回ではなく、複数回ある理由がわからない。筆記試験と集団面接は…なぜ?(人事の担当者か社長と1対1で、1回のみ面接という国が多い。)
④ 面接にリクルートスーツを着て行く習慣
⑤ いかなる理由であっても卒業が遅れた人、浪人、中退の価値は低く「新卒」の価値が高い理由が納得いかない
就職のための大学生活
新卒でなければ価値が下がる
最も不評なのは「新卒採用」の制度のようだ。『卒業後に自分の将来を見据え、本当にやりたいこと、自分のしたいことって何だろう?と考える時間がないの?それで価値が下がるって?』『高卒の価値が日本では低いのが理解出来ない。大学生との差って実際、高い学費を納めて講義を聞いてるだけでしょ。』
これは日本文化を知らない外国人が言ってる「ただの悪口」ではなく、日本在住の外国人が感じる息苦しさである。
私の頭の中にある日本の「就職」のイメージ ⬇︎
大学卒業と同時にもうレールがだいぶ先まで敷いてあり、自分の好きなこと、趣味はそのレールの外。とりあえず、安定した職に就く。自分の興味・関心・夢より、社会的な需要を優先しているような感じ。
新卒・既卒・第二新卒・転職・就職浪人…
同じ人間なのに卒業した年を基準に『価値』が決められている。まずは大卒かどうかで判断される。「語学学校は履歴書に書けますか?」そんな質問がネットに飛び交う国は他に存在しないのではないだろうか。西洋人はとにかく自分を売るのが上手で、全ての経験を履歴書に堂々と自信を持って書く。
年齢・卒業して何年が経過しているか、そこに焦点を当てる国も珍しい。終身雇用という言葉 (概念) は現在、存在が薄れてきたものの、まだ日本人の「生涯務める会社の数」は少ない。スキル・キャリア・経験・収入を向上させるため、時期に関係なく、転職する人が多い世界で、日本は年間採用を行なう企業数が少ない。
スペインやイタリアをイメージすると ⬇︎
線路の間に自分の趣味・興味・今までに学んだことが入っている。己を理解した上で、仕事を探す。自分の好きなことが仕事になっているから楽しく働ける。一方で、仕事が楽しくないと感じたら辞めやすい環境でもある。「新卒」縛りが全くない。
なぜ、楽しく働けるのか。
【自分の「好き」を見つける時間】
スペインもイタリアも、自分の好きなことを見つける時間が大学生活の中でたくさんある。その背景には、大学の学部は変更し放題、卒業が周りより遅れても問題なし、途中で仕事が始めたくなれば一旦休学してまた勉強に戻れば良い、雰囲気が見られる。
入学したものの、想像と違った
➡︎ 翌年、大学あるいは学部を変更
留学したくなった
➡︎ 留学へ行く
もっと留学を延ばしたい
➡︎ 迷わず延長 (その留学先を気に入って、そちらに編入する人もいる)
他国で仕事してみたいな
➡︎ すぐに履歴書を送ってみる
〇〇の勉強をもっとしたかったな
➡︎ 30代、40代であっても仕事を辞めて大学に通い始める
とても自由。大学は義務教育でないのだから、本来はこうあるべきだと思う。
【脳内イメージ】
無数の箱が目の前にあったなら、
日本人は大きさとパッケージで、
1つを選び、抱え込み、
時間が経って中身を開ける。
西洋人はとりあえず、
気になった1つを開けてみて、
違ったらまた別のフタを。
気に入る中身が出るまで、
色々開けて試してみる。
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