BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【進路に悩む人へ】一度も「無理だ」と言ったことがない3つの理由。

【前書き】
私がこれまでに進路カウンセリングをした方々は、誰一人として同じ悩みを持っていなかった。人の数だけ迷いの種類がある。

最も興味深いのは、現役高校生は「進路に対する不安」を口にしないということ。みんな期待を胸にキラキラしていて、私まで楽しくなる。

17-18歳と20代前半。

数字で見ると然程、年齢の開きを感じることはない。が、この「3-4歳 (3-4年)」で一気に迷いが増えるようだ。

スペインとイタリアの大学の友達は、4年で卒業しなければならないという焦りも、将来に対する不安も抱いていない。そういうテーマを振っても「将来を今悩んだって無駄だよ」「今が楽しかったらそれで良い」「焦らなくてもじきに就きたい仕事は見つかる」と、余裕な答えが返ってくる。

なぜ、日本人20代前半は進路に悩みやすいのか。お国柄を除いて、浮かぶ要因は2つ。

① 心理的要因
➡︎ 日本は、大学を卒業する年齢・就職する年齢が揃っている上、スペインよりも「結婚」が早い。あらゆる基準のせいか、自分と周りをやたら比べたり、家族からの期待が焦りに変わったりしやすい。

これは仕方がない。

19歳〜22歳を日本で過ごしていたら、この「みんなと同じ〇〇歳で△△をしなければならない」風潮に染まってしまう。そのため、将来を具体化する時に、自分のしたいことを諦め、無難だと思われる道を選ぶ人が非常に多い。

一方で、スペイン社会は、自分のペースで新しいことを始めるのに寛容である。それゆえ、大学を始める年齢が28歳であろうが65歳であろうが周囲の人から「え?」という反応をされることはない。普通だから。

・みんなと同じ安心感
・自由かつ自立的な余裕

果たしてどちらが「良い」のか。その答えは、国ごとに人ごとに変化する。

② 社会的要因
➡︎「周りと同じことをすると安心」は、一種の文化心理である。20歳〜24歳。このあたりから知らぬ間に日本社会のエスカレーターに乗ってしまい、年齢が26歳、30歳…と増すごとに、降りづらくなる。衆目を意識し、リスクを恐れ、出せたはずの勇気も消えてしまう。そして目の前の現実に不満を漏らす。自らが選んだ道であるのに。

『未知だから』という理由で踏み出せない一歩は、違う。この世界、未知で溢れている。私は「前例があるから安心」と、選ぶ道の方がリスキーだと思う。

日本人の協調性は、どこの国へ行っても誇れる。しかし、小さな島国にある共通のものさしだけで全てを測っていけない。

日本の大学かスペインの大学か

〇〇学と△△学どちらを専攻するか

スペインの大学進学か就職か

日本の大学 (専門) を中退するか

今から始めて年齢的に大丈夫か

お金か時間か卒業資格か

【本題】
進路に悩む方へ対し、一度も「無理だ」と言ったことがない3つの理由。

その① 不可能を可能に変えたから
スペインで進路カウンセリングをしている日本人は、私だけではない。お会いしたことはないが、どの方も私よりはるかに在住歴が長いだろうとイメージしている。もしかすると「24歳に何のアドバイスが出来るんだ」と思われているかもしれない。 

読者の方からいただく感想や相談のメールの中には、ある一言がきっかけで「スペイン進学を諦めていた」という声もある。もちろん、協会名や都市名は伏せるが、

某留学エージェントに在籍する〇〇在住の日本人の方に相談すると「スペインの大学は無理だから日本の大学にまず進学する方が良いですよ。」というアドバイスをいただき、一度はスペイン大学進学を断念。しかし、楓さんのブログを読み、希望が持て、メールを…

これは、2014年に、私が18歳の時に、バルセロナの日本大使館で言われた言葉と全く同じである。夢と希望で満ちた高校生にまだこんな適当なことを言っている大人がいるのかと、非常に情けなく、残念な気持ちになった。

これは、アドバイスじゃない。

自分の知らないこと、経験がないこと、面倒なことは全て「無理」とか「リスクが高い」と判断して、無難な回答をしたつもりになっているだけである。誰かの夢を夢じゃなくしてしまうくらいなら、はっきり「分からない」と言えば良い。

いくらスペインに何十年住んでいても、入試を受けた経験がない人は、対策が出来る専門の学校があるということさえ知らない。しかし、これは私たちが、日本に外国人用のセンター入試があるのか、対策コースがあるのか、を知らないのと同じである。

結果的に、

その冷たい一言にショックを受けた1年後、私はバルセロナ大学合格を手にしていた。「不可能」ではなかった。スペイン語がゼロの状態の人でも十分実現可能な目標であった。

そこで感じたのは、年齢=経験値の高さではないということ。マイナスな意見を言われても気にしなくて良い。

人選びが重要である。

カウンセラー、先生、先輩、在住者、友達

誰かの元へ話を聞きに行く時、会う前と後の自分の気持ちに注目してみてほしい。会う前よりもモチベーションが1mmでも下がっていたら、その人に今後相談する価値はない。何のために行ったのか分からない。

自分を良い方向へ引っ張ってくれる人、プラスになると思う人の話だけ聞き入れよう。だがそこで、全てを丸呑みにしてはいけない。最後は、自分自身。

その② 人生は長いから
自分の専門性を見定める期間、大学進学に迷う期間というのは「ほんの一瞬」である。22歳から26歳まで (5年間も!) 悩み続けたとしても、人生全体で見ると下の黄色い部分にしか過ぎない。だから数ヶ月の迷いなんて「点」の域。

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「時間」を経ると自分のやりたいことや興味は当然変化する。新しい景色が、世界が、角度が見えてくる。

もし、新しい分野に挑戦しようか悩んでいる人がいるならば、次のような話をする。

《悩み》これまで言語を専門としてきた。けれども最近、写真/映像メディアに興味を持ち始めている…。学部どうしよう。

➡︎ これから大学で写真映像を専攻し、仕事に繋げれば、言語を学んだ期間を優に超えるのだから、過去の専門に左右されることはない。これまでの学びも必ず活かせるから、今の「興味」を優先すれば良いと思う。私なら自分の好きな二分野の両スキルを身につけ、そこから何が見えるか。あとは未来の自分に任せる。

例:
18歳〜22歳: 言語 (5年)
25歳〜30歳: 写真 (4年) + 31歳〜写真映像の職

文系理系の枠を超えた進路変更をしたとしても、大したリスクはない。どんな二分野であっても、リンクさせられる。異なるジャンルであればあるほどオリジナリティが増し、面白い人生になると思う。

ポイントは、自分の「好き」をよく見極めて、努力を怠らないこと。まさに、好きこそ物の上手なれ。自らが興味を持ってやりたいと思ったこと、好きなこと、というのは驚くほど伸びる。そして、楽しい。

長くなってしまったが『今まで一度も〇〇を専門に学んだことがない』としても、これから始めれば、一生の強みにもなりうる。と、言いたかった。自由自在に選択が出来る『若さ』は、20代の特権。

 

その③ そんなに高い壁ではないから
スペインの大学進学を「未知な域」と捉えている人が非常に多い。が、これは何においても同じ。試してみたことがないことは全て未知。当たり前。しかし「未知=難しい」ではない。

アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスの大学に比べ、スペインの大学正規入学はあまり聞かない。

この理由は経験者が少ないだけ。

同調現象。

バンドワゴン効果。

マイナーとも言えるこの道を考えている人たちは、そのイレギュラーさに自信を持つべき。スペイン語に目をつけたあたりも素晴らしい。

入試を「難しい」と判断するには、まだ早い。まずはスペイン語を中上級レベルまでUPさせる。対策コースを始め、一生懸命学んでみて、受験をしてみて、それから密かに振り返れば良い。今、想像しているほど高い壁ではないはずだ。

迷ったら、やる。

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