どうやら日本の大学生は、かなり早い段階から『就職活動』を行うらしい。
私は今、24歳。2ヶ月後には25歳になる。
3年前、
日本の同年代の友達がSNSに『就活』のことばかり載せている時期があった。リクルートスーツというものを身につけ、髪の色を黒に戻し、何十社にも面接へ行く日々。
その様子を見て、色々なことを思った。
企業はどこで個性を判断するのだろう。
日本の大学で自らの『売り』を養うのは難しそう。
みんな腰が低いな。
私は当時も、今も、これからも『自分を見つけて雇える企業はラッキーだ。』くらいのスタンスでいたい。数あるオファーの中から自分で選ぶくらいの自信を常に持っていたい。
じゃないとやっていけないだろう。
数社へ面接へ行き、それぞれに『貴社が一番』と言い、第一希望の場所に選ばれなかったら、とりあえず雇ってもらえる会社に身を置く。何年も不満を漏らしつつ。
違和感でしかない。
しかし、大半の人は「周りのみんながしていること」だから深く考えない。
スペインの大学に通いながらも、SNSを開くたび見えるあまりの就活色に、私もしなければならないのかな?した方が良いのかな?と思ったくらいなのだから、あの雰囲気は相当だ。
【もし働くなら?】
就活生気分で日本の魅力的な企業を探した。
唯一、惹かれたのは二社。
・電通
・リクルート
(ちょうど電通に問題が発覚し、悪いイメージが社会に広がった時期だった。)
もちろん、海外に支店がある大手企業も見た。しかし、どこも研修を受けたのちに配属先を発表だとか、数年は東京にいないとダメだとかで、私が思い描いていたイメージと異なった。だから選択肢から消えた。せっかくスペインの大学で学んだ知識と言語の強みがあるのに、活かせないのでは何の意味もない。
それから好きな二分野「言語」と「写真やビデオの撮影&編集」が合わさった仕事も楽しそうだと思い、
・CM制作会社
・出版会社 (旅行雑誌やガイドブック)
も、候補になった。
大の文具好きでもあるため、
・KOKUYO
・パイロット
も、候補に入れ、計6社に。
ここまでは家族に相談することなく、一人で「良い会社あるかな〜」くらいの気持ちで探していた。案外、楽しかった。クラブ活動をどれにしようかウキウキしながら迷っていた小学校高学年の頃のようだった。
ただ、やたら『新卒』という言葉が目についた。
採用のHPを読んでいると、まるで卒業してすぐの子以外は中古として扱われるような印象を受けた。中途採用にキャリア採用。第二新卒というワードもよく見た。
スペインと違って、余程のことがない限り、共に入学したメンバーと4年後、卒業式の日を迎えれるというのに。その『安定』がありながらも、ここにこだわるのは変だ。と、思ったが、そんな意見を持って行く場所はなく『新卒』枠に入るためには今年応募すれば良いのか、来年になるのか、考えを張り巡らせた。
【完全に就活が消えた日】
私は昔から新しいことを始める前、決まって母と祖父に相談をする。…相談というよりプレゼン。メリットとデメリットを書き出したり、見込みと問題点を挙げたり、したいことを明確に伝えた上で、二人の意見を聞く。まずは母にチャットで、次の二点を伝えた。
・日本の友達が就活していること
・面白そうな企業があったこと
すると、こう言われた。
『自分で何かすれば別に就活なんてしなくて良いんよ。楓は誰かの元で働くより、自分の力で立ち上げる方が楽しいと思う。そもそも日本の大学を出たメンバーと働ける?スペインでの経験をそこで活かせる?活かせんやろ。』
「あ、そっか!経験とスキルを積めば雇われなくて良いんか!」と自分の中で何かが動き…今に至る。
「日本に留まっていられない。」
その日、『就職活動』という四文字が頭の中から完全に消えた。
愚痴を漏らすのは、やりたいことをやれていないから。なぜ出来ていないか。それは、社名や給料で働く場所を選ぶから。
大学へ行くのであれば、もっと真面目に学問に励み、学びの面白さに気付くべきである。そうすれば「自己」をよりハッキリさせられる上、国内外で通用するスキルが身につく。
その過程を経て、
自分にしか出来ない仕事が持つ魅力: 想像を遥かに上回る『やりがい』と『楽しさ』を感じれるようになる。
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