BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【南イタリアの闇】先週、白タクに乗って最悪だった話

スペインとイタリアのタクシー事情は似ていて、きちんとしたメーターがついている正規のタクシーと、許可を得ていない闇タクシー (通称: 白タク) が存在する。車の上についてる「TAXI」は正規の証拠。

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タイトルにある通り、先週の月曜日、白タクに乗ってしまった。スペイン・イタリア生活6年目にして、なぜ今更…。

その原因は『南イタリアのタクシー事情』

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観光客が多いイタリアの大都市 (ローマ、ミラノ、フィレンツェ) なら、タクシーを容易に拾うことができる上、乗り場に行けば何時であれ、常に数台止まっている。車内にはメーターがあり、出発前に運転手さんに大体の料金を聞くと、快く教えてくれる。利用客がよく使うルート『市内〜中央駅』『空港〜市内』であれば料金が一定ということも。

一方で、南イタリア (カラブリア州) は…

・タクシー乗り場は基本、駅にしかない
・タクシーを道で拾える可能性は低い
正規のタクシーにもメーターがついていない
基本的に値段は交渉
・夜間料金はかなり高い

 

正規であってもメーターはついていないため、いつも運転手さんとお客さんの交渉で値段が決まる。だから白タクに乗ってしまっても「怪しい」と感じないし、見分ける方法は「TAXI」の有無のみ。

私が南イタリアでタクシーを使う頻度は極めて少なく、1年に3回未満。(祝日に電車もバスもキャンセルになって足がない時か、深夜に旅行から帰った時だけ。) ある程度の値引き交渉はするものの、毎回疲れている時に利用するから「ああ、もういい分かった、早く車出して」となりがち。…先週もそう。

 

【経緯】
バルセロナからイタリア (ナポリ) に戻った日のこと。ナポリ中央駅からカラブリア州までは電車で乗り換え時間を含め3時間50分…のはずだった。

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イタリアの電車は毎回「もう二度と乗らない」と思うほど遅れる。何十回と乗ったが、北も南も定刻発車ー定刻到着をした記憶はない。

二回乗り換え
ナポリ〜サプリ
サプリ〜パオラ
パオラ〜コゼンツァ

最初の、ナポリ発は45分遅れた。暑い車内で45分、アナウンスもないまま…。周りのイタリア人たちもみんなジーッと待っていた。

サプリでは乗り継ぎの電車が2時間遅れ。

最後の、パオラ〜コゼンツァは、線路工事のため代行輸送のバスが10分後くる予定だったが、実際にきたのは1時間後。

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夕方には帰宅のはずが…
トータル4時間遅れで、22時前に最寄駅着。

いつもなら歩いて家に帰るが、
もう辺りは真っ暗だし、急遽15キロの荷物をバルセロナから持って帰ることとなり、背中にはリュック、肩に大きなバックをさげていた。そして、度重なる遅延でヘトヘトだった。

「22時…タクシーがいたらタクシーで帰ろう」と思いながらバスを降りると、ラッキーなことに『タッシータッシー』と言ってるおじさんがいた。正規のタクシーが止まっている場所で客引きをしていた。「タクシーお願い」と言うと、おじさんは私を車へ誘導。

乗り場にあった車かと思いきや、その前につけて駐車してた方だった。

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【白タクの特徴】
① 客引き
② 料金が途中で最初に聞いた額と変わる
③ 運転手さんの品がない (話すと分かる)
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車に乗り込む前に、料金を聞いた。

「大学のあたりまでいくらですか?」
『20ユーロ』
「え!」
『いや、もう夜だから』
「この前、コゼンツァ (車で20分の街) まで10ユーロだったのに、ちょっと値下げしてよ、大学生なんだから」
『なら15にするから乗りな!』

15ユーロまでなら出せるので乗った。私の最寄駅は大学の近く (車で10分かからない距離) にあるのに、規模がとても小さい。イメージするなら、電車が1時間に1,2本しかこないような田舎の駅。

『で、住所は?』
「グーグルマップで見せるね…ここ、大学の横の〇〇通りを2分ほど行くの、そしたら私の家」
『よくわかんないな』

大学の正面玄関の横の道をまっすぐ行くだけだから、絶対分かるのに。

『とりあえず大学へ行くからそこから教えて』
「わかった」
『あ、料金は、次回15ユーロね!今回は20』
「いや、もう次回とか言われても使わない」
『いやいや、次回以降は15にするから』
「もう来週自国に帰るから (嘘)」
『今回は20、次以降は15だ、いいか?』
「次回はないってば」
『今回は20、次以降は15、行くぞ?』

そして車は出発した。

 

窓から手をおもいっきり外に出してタクシーの運転手さんらしからぬ変な陽気さでハンドルを握っていた。南イタリアの正規タクシーにこれまで3度乗ったが、明らかに雰囲気 (品) が違った。…数分後、大学の前へ着いた。

「この通りをまっすぐ行くだけ」
『え?大学より上なの?』
「そうよ?地図見せたし言ったじゃん」
『こりゃあ追加料金だわ』
「なんで?大学までとは言ってないでしょ」
『ここの道からは別の地区と僕ら呼んでるから』
「だから?20ユーロも払うのにもう1分、すぐそこまで行くのが無理なの?」
『そうだな〜ちょっとな〜』
「なら20ユーロで行けるとこで降ろして」

というやりとりがあった後、家を知られない方がいい気がして、3軒横の家を「ここが私の家」と偽り、降りた。

20ユーロしか払わなかった。

というか、20ユーロも払った。

イタリア人なら、お礼を言って「おやすみなさい」とか「良い夜を!」と言ってくれるのにそれもなく、お金を受け取ったらそそくさ車でどこかへ消えた。
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【正規のタクシーだったら】
・途中で不当な値上げを言ってくることはない
・メーターがついてないタクシーであれど、支払いの時にレシートがいるか聞かれる
・レシートに会社名有
・礼儀有
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南イタリアでまた使う機会があれば、

① TAXIというマークの有無を必ずチェック
② 車に乗り込んでから額を変えられたら「それなら友達に頼むわ」とか「別のタクシーに頼むわ」と言って降りる

日本と違って、イタリアの悪いタクシーは堂々と、正規のタクシーの前でも客引きをする。ついつい『正規の人がいる前でする行為=怪しくない』と思ってしまうが…それは誤り。気をつける。

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