BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活6年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。2019年6月より、バルセロナにある大学入試専門のアカデミアGUIUのアンバサダーに就任。スペインへの留学・大学進学に興味がある方は、お気軽にご相談ください 😊🇪🇸 barcelonandoo@gmail.com

【pásalo? pásala?】誰しも一度は抱くスペイン語の疑問

スペイン語ネイティブがよく使っている誕生日のお祝いメッセージと言えば、

Feliz cumpleaños!
Pásalo genial. だろう。

一行目は「お誕生日おめでとう!」
二行目は「最高な誕生日を過ごしてね!」

Pasar (動詞: 過ごす) の命令形 + lo (代名詞: それ) で、Pásalo となる。

もう少し柔く「最高な日を過ごせますように。」と言いたい時は Esperar (動詞: 期待する、望む) を使って、

Espero que lo pases genial. 

と言ったりもする。

でも、たまに、

Pásala muy bien! とか
Espero que la pases bien! と書いてくる人がいる。スペイン語で誕生日は el cumpleaños = 男性名詞。それなのに lo じゃなく la を…。

なんで?

今日はその疑問に答えていく。

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【LOとLAが指す語の違い】
「誕生日だから "LO" で、結婚式 (boda) なら "LA" を使うんじゃないか。」という解釈があるが、必ずしもそうではない。

Pedro "Mañana tengo una boda."
    (明日結婚式があるんだ。)
Jorge "Pues pásatelo muy bien!"
    (じゃあ楽しんできてね!)

↑ la っぽいのに lo がくることもあるし、

Rosa "A partir de mañana voy de vacaciones!"
    (明日からバケーションだよ!)
Carlos "Espero que las pases genial."
    (最高の休暇が過ごせますように。)

↑ 予想通り las がくることも。

直接目的語 (lo,la) の性が変わる基準はあくまで、
① 話し手による。「時間 (la hora)」を楽しんで欲しいと思えば pásatela で「短い時間 (el rato)」を楽しんで欲しい時は pásatelo と言う。

Que pases una buena fiesta = pásala bien.
Que pases un feliz día = pásalo bien.

まあ lo は中性だから「どっちかな?」と迷った時には lo を使っておけばいい。

② 地域、国による。スペインは lo、ラテンアメリカはほとんどの国が la。どちらも正しいため、スペイン語の試験の『友達にメールを書く』筆記問題で la が減点対象になることはない。 

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【再帰動詞?】
では「最高な時間を過ごしてね!」と言う時、次のどちらが正しいか。

① Pásatelo genial.
② Pásalo genial.

2つの違いは te の有無。

そう、動詞が pasar なのか pasarse なのか。

この質問の答えも、

A. 国によって違う だ。

スペインでは、再帰動詞を用いることがほとんどで、私も8割は pasarse の方を使う。メキシコは pásasela と言うが、動詞はスペインと同じだ。ただ lo じゃなく la という違いがあるだけ。しかし、チリやコロンビアでそれは少し「聞こえが悪い」らしい。だからこれは「一概にスペインと南米の違い」とは言い難い。人による。

【pásateloとpásaloの違い】
友達に『昨日の祭りどうだった?』と聞かれ「楽しかったよ」と答える時、"lo pasé bien" と "me lo pasé bien" ではどんなニュアンスの違いがあるのか。スペインでは、

"lo pasé bien" →「普通に楽しかったよ」
"me lo pasé bien" →「楽しかったんだよ〜〜」

これくらいの差がある。
後者の方が『楽しんだ感』が強い。

複数形の場合はまた違う差が出てくる。

例) あなたは昨日、友達数人と祭りへ行った。翌朝、お母さんから『昨日の祭りどうだった?』と聞かれたので「(私たちは) 良い時間を過ごしたよ」と答える。

"lo pasamos bien" → 個人的な感想
"nos lo pasamos bien" → グループの感想

上は「(個人的に楽しめた、みんな楽しんでたようから) 良い時間だった」で、下は「(みんな楽しめて満足してる) 良い時間だった」

これは、スペインのスペイン語だけが持つ特徴ではなく、イタリア語、フランス語、カタルーニャ語など…全てのロマンス諸語で見られる。

Me he comido una pizza que estaba súper rica.
= すっごく美味しいピザをぺろっと食べちゃったよ。
・He comido una pizza que estaba súper rica.
= すっごく美味しいピザを食べた。

・¡El libro de Platón es guay, me lo leí en una noche!
= プラトンの本すごいよ、一夜でぜ〜んぶ読んじゃった!
・El libro de Platón es guay, lo leí anoche.
= プラトンの本すごいよ、昨夜読んだよ。

Me があると、良い意味で「感動が強調」される。どちらも文法的に正しい。全ては話し手の気持ち次第!ただ、南米はスペイン (ヨーロッパ言語) よりもエゴが弱いため、再帰動詞をこの用法で使う国は少ない。

⚠️ B2後半〜C1レベル (上級者レベル) の文法になるから、何のことかサッパリわからない人はもちろんスルーで大丈夫!こんな違いがあるんだ〜、またいつか読み返しに来よう〜 くらいでOK!

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【pásateloを使う相手】
好きな友達が「今日の夜は映画見に行くんだ!いいでしょ〜」と言ってきたら私は "Qué guay! Pues pásatelo genial." と言う。でも、顔見知りやまだ関係が浅いクラスメートなら pásatelo じゃなく pásalo を使う。

誰にでも言うノーマル → pásalo bien
気持ちの込もった → pásatelo bien

pásalo bien を使ったからといって相手が「私のことあまりよく思ってないのね」と思うことは絶対ないのでそこは安心を。

【まとめ】
・スペイン: "pasarlo bien" や "pásatelo bien!"
・南米: "pasarla bien" や "pásala lindo!"
・仲のいい友達には pásatelo genial や pásatelo muy bien を

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