日本人に「外国人が話す日本語を真似してみてください」と言うと、イントネーションに癖と抑揚をつけて発音する人が多いだろう。活字では『こんにちは』より『コンニチハ』がしっくりくる。じゃあ、逆にスペイン人は「日本人のスペイン語の発音」に対してどんなイメージを抱いているのか。今日はそんなテーマに触れてみる。
【① RとLの発音がニガテ】
「RとLは発音も聞き取りも苦手だよね」
ゴンザレス → Gonzáles?? Gonzáres??
パラブラ → Parabla?? Palabla?? Palabra??
プルラール → Plural? Prurar? Prural??
パペーレス → Paperes? Papeles?
ラナ → Rana? Lana?
バンデラ → Bandera? Bandela?
Jの発音より何より、RとLが1番私たちにとっては難しい。最初のうちに徹底して舌の位置を覚えておけば後が楽。
自分の "L" "R" "RR" に自信がない人、聞き取り問題でよく間違える人、スペルを間違えてしまう人は今のうちに克服しよう!
【② Sí や Si をシーと発音する】
スペイン語=ローマ字というイメージがあるが、Sí も Si もサシスセソの「シー」とは音が違う。スィーとシィーを同時に発音するイメージでいけば正しい発音ができる。スペイン語の Sí は前歯のあたりから空気が抜ける。日本語の「シ」はもっと奥の歯から抜ける。スペイン人からすれば Sí なのに「シー」と返事されたらちょっと気持ち悪いらしい。多分、英語ネイティブの人が日本語の「と」を「トォー」と、「つ」を「トゥー」と、言うのと同じ違和感なのだろう。
【③ Lo siento. って言い過ぎ】
発音ではないが、日本人の口癖は「すみません」で、よく謝ると思われている。日本に帰国した時には違和感を感じるほど、本当にみんなよく言っている。人混みをかきわけながら "Lo siento"、レジでお金を探しながら "Lo siento"、ほんのちょっと人と当たっただけで "Lo siento" と。しかし、スペイン語の Lo siento (ロシエント) は自分が悪いことをした時に言う「ごめんなさい」だから、場面によって他の単語を使わなければならない。(ロシエントにはご愁傷様ですの意味もある。)
〜スペイン語ですみません〜
Permiso (ペルミーソ): お邪魔しますに近い
→ 人の車や家に入る時なんかに言う
Perdona (ペルドーナ): 日本語のと同義語
→ 人に呼びかける時、ちょっとぶつかった時
Perdone (ペルドーネ): ↑のフォーマル版
→ 自分より目上の人、お年寄りを呼ぶ時、ぶつかった時
Perdóname (ペルドナメ): 許して下さいに近い
→ 約束をすっぽかした時、責任が果たせなかった時
Perdón (ペルドン): 自分に少し非がある時
→ 語尾を下げたら「ごめん!」上げたら相手の言葉を聞き返す時の「はい?」
Disculpa (ディスクルパ): ちょっとすみません
→ 街で道を聞きたいから誰かを呼び止める時、話の間に入っていく時
Disculpe (ディスクルペ): ↑のフォーマル版
→ スペイン人の口から聞いた覚えがない
日常生活で特に使うのは Perdona と Perdón。
【④ 抑揚がない】
「日本人が話すスペイン語の真似をして」 と言うと、抑揚のない棒読みを強調する人が多い。が、今日挙げイメージの中で、これが一番理解し難い。初めて聞いた時は「ん〜…そうかなー?」と思った。
なぜこんなイメージがついているのか。
中国人 (中国語) より日本人 (日本語) のアクセントは音の高低差がないから?一語一句完璧に話そうとするあまり、棒読みになりがち?
【⑤ 子音+子音+母音の発音が…】
日本語の50音は母音と子音の組み合わせから出来ているため、ついつい、余計な母音を入れて発音してしまいがち。例えば次のように子音の連続のあとすぐに母音がくる音、
Gracias (グラシアス)
Encontrar (エンコントラール)
Escribir (エスクリビール)
⚠️ 要注意 ⚠️
Gracias の ”Gra" は グゥではなくグラッ。
日本語のガギグゲゴの「グ」はあとに小さな「ゥ」が聞こえるが、ここでの「グ」はそれがない。「ラ」がメインでアクセントを置くため「グ」は0.1秒くらいのイメージで、グラシアス。
Encontrar も同様に ”tra" は トォラではなくトラッ。
Escribir の ”cri" は クゥリではなくクリッ。
上のリンクからページに飛んで ▷マークをクリックすると音声が流れる。
【⑥ 割とキレイな発音】
これは良いイメージ!
世界には、
za をツァと、al をオールと
ble をブルと、ei をエと
eu をオイと発音する国がある。
しかし、私たち日本人はローマ字読みに慣れているのでスペイン語でも簡単にローマ字読みができる。だから発音はキレイな方だと語学学校の先生や言語学者は口を揃える。
↑ スペイン語がネイティブじゃない外国人にスペイン語の発音をしてもらうビデオ。タイトルは『発音が特に難しいスペイン語の単語』だが、日本語ネイティブからすれば難しくないものばかり。
ハヒフヘホ = Ja・Gi・Ju・Ge (Je)・Jo
ギ = Gui、ゲ = Gue を知っていればあとは大丈夫そう。
みんな難しすぎて笑いながらも頑張ってる。
おすすめ記事: