BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活11年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【国際養子縁組】イタリア人になった子供たちが思う家族像

イタリア国際養子縁組の盛んさには驚いた。「僕は、生まれて間もない時に養子としてイタリアにきたんだ。」と話す友達Tはルーマニア出身の男の子。裕福な家庭で育ち、好きなだけ勉強し、つい先日大学院を卒業した。そんな彼は、私が初めて知り合った『養子縁組』でイタリアに来た人だった。それから1年後、南イタリアの大学で勉強しているとクラスに2人も「私も国際養子縁組よ」と言う女の子がいた。友達になった。今日は、この3人に共通する特徴、イタリアの現状、そして彼らが思う家族像についてシェアする。

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【その3人の友達に共通すること】
・自己紹介の時点で自分が国際養子縁組でイタリアに来たということを話してくれた。どこの国から何歳の時に引き取られたか、詳しく知っている。
・裕福な家庭で育ち、今も良い暮らし。
・大学で勉強をしている。(イタリアは日本より大学進学率が低い。)
・国際&言語関係の学部を選考。
・両親から怒られたことが一度もない。20代半ばになった今も家では「〜ちゃん」「〜くん」と呼ばれ、大切にされている。

【ヨーロッパの養子縁組】
日本は他の先進国よりも養子縁組数が非常に少ない国で、国際養子縁組数は極めて少ない (年間50人ほどの日本人がアメリカで養子に)。しかしヨーロッパ、特にフランスはアメリカに次いで世界2番目に養子縁組が多い。要保護児童の斡旋件数は年間約6000件、そのうち国際養子縁組が占める割合は3分の2にものぼる。その背景には「助産施設を利用して匿名で出産できる」「法律的親子関係を築かないまま養子縁組を選択できる」「制度を利用すれば無料で出産できる」という支援体制の充実が見られる。バルセロナに住んでる時も、ヨーロッパを旅行している時も度々、西洋の両親+アジアの子供、西洋の両親+肌の色が違う子供、という家族を見かけた。子供がアジア顔だったから気づいたものの、西洋・東欧の子供を連れている、例えばフランス人夫婦を見てもわからない。だから、実際には今思っている数よりもはるかに多く、珍しいことではないのだろう。

【イタリアの現状】
日本で「養子」という言葉を聞くと連想するのは「児童養護施設」だが、イタリアでは国内で養子をもらうのは難しく、国際養子縁組 (ECAI) をする方が簡単・安全・安心らしい。国内でイタリア国籍の子供を引き取った場合、1年以内に養子の親戚 (三親等まで) に承諾とサインをもらわなければならない

 

いくつかの斡旋団体・委員会があるが、そのほとんどのケースで養子縁組をする (親となる人) の年齢は満18歳〜45歳までと定められている。そしてイタリアの法では、12歳に達した児童をもらう場合、司法当局の聞き取り調査・面接が伴うため、12歳以下を引き取る場合よりも難しくなる。そして日本の里親・養子制度と同じく、養父母になるためには安定した収入の証明、証人、年齢の制限など簡単でない条件がある。

【友達Tが口にする感謝】
よく彼は将来について話す時、こう口にする「僕は本当に両親に感謝している。一生懸命勉強して、良い職を得るっていう目標は彼らに楽な生活をさせてあげたいからであって…僕にとってはそれが全て。家族って何を持って家族というかだよね…。血縁関係があったって愛の意味を知らない子供たちはたくさんいる。それに比べて僕は常に愛情を注がれて育ったから、血縁関係の親子よりも幸せだと思う。一度も、彼らを本当の両親じゃないなんて思ったことはないよ。彼らがいなかったら僕はいっぱい旅行することも出来なかっただろう。楓にも出会えてなかっただろうし、イタリア人っていう一番の誇りを得ることも出来なかった。給料が良い職につきたいとも思うけど、親の愛を知らない子と、子供が欲しい優しい夫婦を繋ぐ仕事にも魅力をとても感じている。」

【出会った当初の友達N】
Nは元気で明るい24歳の女の子。大学のバルに友達数人と言った時、別の友達が「ねえ楓、Nの顔ってイタリア人っぽい?」と聞いてきた。この時初めて、彼女と養子という言葉が脳裏でぶつかった。それまでは「イタリア人」としか思ってなかった。イタリア人っぽいかと聞かれたら…南米 (アルゼンチンかチリ)っぽいなと思ったから言ってみた。するとNは『やっぱり〜〜?』ってすごく嬉しそうに答えた。日本人が「〇〇ってちょっとハーフっぽいね」って言われて喜ぶのと似た反応だった。それから彼女は『私は1歳なる前くらいに、チリからイタリアに養子としてきたの。だから私にはチリの血が流れてるの!全然スペイン語しゃべれないけどね (笑) でもだからスペイン語の潜在能力はすごいはずなのよね (笑)』と笑った。彼女には兄がいるが、その兄もまた南米の違う国からきた子というのもその時に聞いた。クリスマス前、家族の食事会をするからおいでよ!と招待してくれたのでお宅にお邪魔することに。初めて会ったとは思えないほど、とても良くしてくれる優しい、素敵なご両親で、常に笑顔が絶えない家庭だった。

 

【3人目の友達】
もう1人の子は7歳の時にルーマニアからイタリアにきた女の子。その子は他の2人とは少し違う。物心ついてから今の両親と出会ったからか…、少し人間不信な雰囲気で、20歳にして反抗期なのか親が嫌いって理由からすごく遠い州の大学に変えてしまった。

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テレビや新聞で読むだけだった「(国際)養子縁組」が自分の生活に入ってきて以来、素晴らしい制度だなと思うようになった。色々な人がいる、色々な家族のカタチがある。

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