北イタリアのヴェネト州のトレヴィーゾ (Treviso) という街の近くで、とある音楽フェスティバルのCMの撮影をした。イタリア全土に流れる大きなものではなく、この州だけ期間限定で流れた。「朝集合、依頼者の人の意図を聞いて話し合って、シナリオをみんなで考えて、撮影、確認、編集」という1日だった。
自分から何かに応募したのではなく映像関係の仕事をする友達から「次のCM、インターナショナルのイメージも出したいからKAEDE出てよ!」と言われ、おっけーした。
撮影はカメラマンとキャストを合わせて11人。私以外はイタリア人。撮影のコンセプトは「自然・生・インターナショナル (多様性)・陽気さ」
撮影中『…うそ?イタリア人すご。』と目を疑う場面が…。それは裸足で芝生を駆け回る1フレームを取る時「裸足でここを駆け回ってる絵がいるんだよね、できればズボンとか見えない方がいい」と1人が言うとためらいもなく数人が「じゃあズボン脱いで走るしかないな」とパンツ一丁になった。女子もスカートの子が2人いたのに上までめくりあげて「さあ!撮るよー!」と乗り気。『…えーそんなにすぐ公で脱げるの?』とびっくり。『やだなー』と苦笑いで言ったら「8人くらいでいいからKAEDEは見てていいよ!」と言ってくれた、セーフ。
お昼時になると、主催者の公園とレストランから「お昼の準備ができたのでどうぞ〜〜」とお声がかかり、「は〜〜〜い!」と猛ダッシュで席まで行った。「ここのレストランはめちゃくちゃ美味しいんだよ!」とみんな朝から相当楽しみにしていたらしい。
30秒のミニCMなのに撮ったコマ (場面) は20ほど。ドローンと大きなカメラ3台を使いながら思ったより大掛かりだった。もう3年前になるからこの動画はテレビ局のアーカイブにはなく、会場となったレストランのYouTubeページにだけ残っているよう。この「何が言いたいのかよくわからないCM」はイタリア人に非常にウケた。脚本の確認の時点でみんな「最高!」って謎の自信に満ちていた。美の概念も違えば映像に求める何かも違う。
この公園には小川が流れていて、大きな鳥が数羽いて、緑いっぱいの空間。7月前後にはラベンダーが満開でいい匂いで一層リラックスできる。
ガンブリヌス公園のレストランのURL ↓
食後は別のパターンを撮って、どんな曲を使うか相談し…、終わったのは17時過ぎ。30秒の映像を作るのにこんなにも手間と時間がかかるとは。
ついでにミラノの観光を。
そして、マルペンサからBCNへ戻った。
…というある夏の思い出。
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