スペインとイタリアの滞在許可証の大きな違いは『日常生活で使うかどうか』だ。
昨日、ふとイタリアの滞在許可証の自分の番号が1つも言えないことに気づいた。アルファベットから始まるのかも、何桁くらいあるのかも全く想像がつかない。スペインの滞在許可証 (NIE: ニエ) の番号は受け取った時点から完璧に暗記してたし、今でもハッキリ覚えている。
【日常生活と滞在許可証】
スペインでは大学や語学コースの申し込み、銀行口座の開設、スポーツ施設を利用する時、移民局に質問をする時などなど、何かにつけてもNIEの番号を書く場面が多い。自分の名前を書く場合には決まってNIEの番号も記入すると言っても過言ではない。提示することも多く、財布に常備していた。
しかし、
イタリアでは滞在許可証 (PSE) の更新時 (年に1回) を除いて、個人番号を書く機会がない。日本に帰る時と他国に旅行する時に、引き出しから取り出すのみ。更新してもずーっと眠っている。だから「更新する意味…」とつい思ってしまうこともあるが、「あくまでも滞在の許可をされている証明だから…」と流す。イタリアの生活で使う個人番号と言えば、税務署が発行しているコディチェ・フィスカーレと呼ばれる個人の税務番号。これはたまに使う。今いる大学の無料Wi-Fiを使う時は、このコードがIDとなっている。
【滞在許可証の番号は隠すべきか】
スペインのNIEの番号は隠す必要がない。かと言って大っぴらにSNSに載せるのは良くないが…流出しても、どうってことはない。個人情報やプライバシーを口酸っぱく言うのは、気にするのは日本人だけなのだろう。バルセロナ大学の成績発表の時、テニスのリーグに参加した時、何かに申し込んだ時、成績や参加者一覧にはいつもフルネームと身分証番号 (DNIやNIE) がみんなに大公開されていた。
【イタリアの個人税務番号】
スペインの番号は「Y0000000A」のように『アルファベット1文字、数字7つ、アルファベット1文字』からなるランダムのもの。一方で、イタリアの個人税務番号には決まりがある。
例: TNYKDA90D00Z000S
・最初の3文字は苗字 (TANIYOSHIならTNYとなる)
・名前から文字が3つ (KAEDE)
・1990年生まれなら90がくる
・生まれた月の文字 (A=1月......T=12月)
・生まれた日の数字 (女性ならそれに+40)
・市町村コード (4文字)
…
こんな感じで16桁。特定しようと思えば出来そうな配列だからこれもプライバシーに敏感になる必要はなさそう。
【どちらの国にも共通するもの】
何と言っても更新手続きの面倒さ。書類準備、提出、(たまに不備)、指紋採取、受け取り…幾度となく出頭するのが大変すぎる。でも、どちらかと言えばイタリアは楽。そう感じるのは、
・キットの存在 (申請書や必要書類についての説明がはっきりされた紙のセットが郵便局で無料でもらえる)
・郵便局が移民局と私たちの間に入って手続きを行なってくれるのは有難い (申請は最寄りの郵便局で出来る)
・予約を苦労して取る必要がない
・移民局で働いている人は言ってることが同じ (スペインは窓口の人によって言ってることが違うから苦労する)
・許可証の受け取り準備が出来たらSMSが届く
・受け取れる日を大まかに予想できる (帰国の計画を立てるのに便利)
・必要書類がすぐ手に入るものばかり
・スペインとは違って程よい適当さがある
・移民や外国人に慣れていて受け入れてくれる雰囲気がある
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