2ヶ月前、母がバルセロナで開催されるマルーン5のコンサートのために渡航した。その際、宿泊を伴う遅延が発生した。私も家族も好んでいつも使っているエールフランス、初めてのことだった。
関空→シャルルドゴール→バルセロナ
50代の母は英語が少し話せる程度。旅行を楽しむ分には問題ないが、空港でトラブルが発生した場合に十分対応出来る語力ではない。携帯を上手く操作し、分からない単語の意味を調べたり、翻訳など出来っこない。そもそも空港のフリーWiFiに接続することだって難しい。
だから予め日本語で行える手続きはこちらで行っておきたかったし、得られる情報は全て得ていたかった。
今回の遅延連絡はとても急だった。母が家を出る予定時刻の6時間前 (夜0時を回った頃) にSMSとメールで連絡が来た。
関空発の飛行機の出発が数時間遅れます。
→ パリで乗り換えるバルセロナ行きの飛行機に間に合わないため、翌日の早朝便に変更されました。
といった内容だった。
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パリで宿泊?ホテルは自分たちで手配?エールフランスが取ってくれるの?スーツケースは?預けたままパリで寝泊まりして何も手続きを行わないままバルセロナに行けば良いの?もしホテルを手配してくれるならシャルルドゴール空港からホテルまでの足はどうするの?自分でタクシー?タクシーで領収書をもらえばいいの?ホテル名は?ホテル代は立て替えておけば良いの?
エールフランスに聞きたいことがいっぱい浮かんだ。
日本時間の朝、カスタマーセンターが営業を始める時間に電話をして出来るだけ疑問を晴らしておこうと思った。
母には関空と飛行機の中で出来るだけ多くの情報を得るように伝えた。関空からパリへ向かう飛行機を一歩降りると、もう日本語は通じなくなるから。
【エールフランスへの問い合わせ】
電話でカスタマーセンターへ問い合わせた。
Q1. ホテルは自分たちで手配するのですか?もし取ってもらえる場合、提携しているホテルの名前は分かりますか?
A1. ホテルは弊社で手配させていただくことになると思います。しかし、恐れ入りますが詳細は関空のチェックインカウンターでご質問ください。
Q2. スーツケースは預けたまま宿泊で良いのですか?一度パリで何か手続きをしたり、スーツケースの受け取りをしたりする必要はありますか?
A2. スーツケースは預けたままになります。お客様のスーツケースは最終目的地のバルセロナでお受け取りいただけます。
Q3. 空港からホテルへの移動手段は?
A3. こちらに関しても関空のチェックインカウンターでご質問ください。
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結局、関空のチェックインカウンターでしか知り得ない内容ばかりだった。しかし、当日の朝チェクインカウンターで質問をすると、「機内で聞いてください」という回答。機内では「パリに着いてグラウンドスタッフに聞かないと分かりません」…。
パリに着いてからって…英語でやりとりをするのが難しい単独旅行者だって多いだろうに…と思った。
大した情報が得られないまま不安でいっぱいの状態で関空を後にした。機内でも不安要素が減ることはなかった。(遅延は航空会社にとってもバタバタな出来事なので、「現地に到着しなければ分からない」というエールフランス側の言い分も理解は出来るが…。)
ホテルを取ってもらえるのか、自分たちで手配すべきなのかすら、分からないままだった。到着後に自分で手配となると困るので、少しでも早くブッキングドットコムでホテルを確保したかった。
母は現地 (バルセロナ) で私のスペインのデビットカードを使う予定だったため、クレジットカードも現金のユーロも手持ちがなかった。パリとバルセロナの空港で軽食が買える程度の小銭しか持っていなかった。
【結果的に…】
疑問は全て乗り換え地のパリに到着後、英語で聞く必要があった。
ホテルは自分たちで手配?エールフランスが取ってくれるの?
→ エールフランスが手配してくれた。
もしホテルを手配してくれるならシャルルドゴール空港からホテルまでの足はどうするの?自分でタクシー?タクシーで領収書をもらえばいいの?
→ ターミナル間を移動する必要はあったが、空港内にあるホテルだったため、移動費は発生しなかった。とは言え、ターミナル間の移動も不慣れな旅行者にとっては大変である。
ホテル名は?ホテル代は立て替えておけば良いの?
→ イビス・パリ・シャルルドゴールエアポート (Ibis Paris CDG Airport) というホテルを手配してもらえた。最もお手頃価格のお部屋でも「1泊2万2477円相当」のところ。チェックアウト時、ホテル代は払わなくてOKだった。
【遅延時の対応】
「海外」が身近になっている現代において、異国の地に住む家族に会うため、単身かつ身軽に海を渡る人の数も毎年増えているだろう。
英語が話せない人にとって今回のエールフランスの遅延時の対応は全く良くないものであった。
英語が話せないなら話せる人と旅行をするか、ツアーに参加すれば良いという声もあるだろうが、それが不可能なケースもたくさんあるし、ガイドがいても困る場面では困る。
日本発の飛行機に乗った利用客が宿泊を伴う遅延に見舞われてしまった際には日本人の乗務員やスタッフを最低1名、現地の空港に置いて対応にあたらせるなど、出来る対策は必ずあるのに、と思う。
【その他の情報】
乗り換え地のパリでホテルを手配してもらった際、空港内で使える『お詫びのバウチャー (お食事券)』と『お泊まりセット』をもらった。お食事券は2000円相当。お泊まりセットには、真っ白の大きめのTシャツや歯磨きセットが入っていた。
フランスの空港スタッフや乗務員たちは「ボンジュールマダム!(女性への挨拶)」「ボンジュールムッシュ!(男性への挨拶)」から文をスタートしないと目を合わせてくれない。何か質問したい時は文頭に定型の挨拶フレーズをお忘れなく。このフレーズがあれば英語で話しかけても気持ちよく笑顔で対応してくれる。フランス人あるある。
【補償金の有無は?】
機内や空港のカウンターで「補償金」について触れられなかったようだが、どの航空会社も補償に応じてくれる。この情報を知らないと10万円ほど損をするかもしれない…。空港では手続きが出来ないので、旅行後にアフターサービスから請求手続きを行う。
今回の母のケースは最も額が大きいCに該当した。遅延時は最高600ユーロの補償金を受け取ることが出来る。
2023年6月22日: 補償金の申請
2023年7月13日: 支払い完了
2023年7月21日: 着金確認
入金まで4週間前後かかるかも、とメールに書かれてあったが、今回は1週間ほどで届いた。支払い完了連絡のメールには、補償金の金額が明記されていた。
補償金9万2837円 (600ユーロ)
どうにも取り戻せない予定があった人にとってこの金額は少ないだろうが、単に旅行日が1日減ってしまっただけの人にとっては嬉しい額だろう。
母の場合、仕事のスケジュールを調整し、やっと計画出来た3泊4日のバルセロナ旅行 (航空券は往復約30万円の時期) だったので、9万円という額は少しラッキー程度だった。
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