BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活11年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【タイムリミット3時間】スペイン生活の大変さが分かるエピソード

スペイン生活8年目。

何か1つ小さなことを行うにも、事前に何度も何度も確認を取るようになった。今回もそうだった。日本への一時帰国に向けて…

PCRの検査は本当にその日のうちに結果が出ますか?この出国前検査証明書の記入もそちらで本当にしていただけますか?

急遽、PCR検査を『フライト72時間前』ではなく『フライト24時間前』にすることになり、ミスが出来ない状態だったため、念には念を入れよと言わんばかりに、チャットで2-3週間前から2度 (それぞれ別の人に) 確認をし、当日、病院の受付でも (また別の医療関係者に) 確認をしていた。

ーー補足説明ーーーーーーーー

オランダ経由で日本に帰国をする際、

PCR検査を72時間前以内にした場合
➡︎ PCR (72時間前) +迅速検査 (4時間前)

PCR検査を24時間前以内にした場合
➡︎ PCR (24時間前) のみでOK

ーーーーーーーーーーーーーー

しかし、問題は起こってしまった。

日本以外の国に、特にスペインに住むのは非常に難しい。一発で何もかもが上手く行くことなんて、まずない。「予め聞いていた内容と話が違う…」など言っている時間すらない。

午後5時。

タイムリミット3時間。

急げ。

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【何が起こったか】
簡潔に一言でまとめると…

日本に入国をする全ての人に提出が求められる『出国前検査証明』を快く書いてくれると返事を得ていた病院に行ったところ、「え?書けないよ?」と言われた。

チャットでは、「全然問題ないですよ、うちに来てくだされば、そちらの証明書の記入も行いますよ」と言われていた。2回も。

PCR検査当日の受付では、「今日の午後に陰性証明書をまた取りに来られる際に、またこの紙を受付でご提示ください、検査結果が出てから預からせていただきますね」

が、一転した。

予定は、次の通りだった。

2021年3月30日
午前8時にPCR検査を受け、
午後6時までに結果を得る

2021年3月31日
午前6時20分発の便に搭乗

【確認とは】
私は新しくスペイン生活を始められる生徒さんにいつも言う、「スペインは担当者によって、窓口の人によって言うことが異なる国なんです。」と。

銀行口座の開設へ行く際にも、必ず「すんなりと1箇所で口座が開けるとは思わない方が良い。10箇所は回る気持ちで。」と言う。これまでに何人もの生徒さんとこの言葉の意味を一緒に理解してきた。

どの機関にも共通認識やルールがありそうでない。1人1人が自分の考えを『絶対』だと思っている。だから困る。

1人に確認を取り、OKがもらえていても、それは100%のOKではない。2人目に聞くとNOかもしれない。3人目でNOと言われるかもしれない。

最後の最後には、この国の『確認』には意味があるのか?とさえも思えてくる。

 

【タイムリミット3時間】
飛行機が出る22時間前。午前8時に病院へ行き、

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検査を受け、午後4時半に陰性通知。

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午後5時過ぎに朝の病院を再訪問。陰性証明書をもらい、受付の女性に例の紙を見せた。こちらの記入もしていただけるとのことなので、お願いできますか?と、聞きながら。

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女性「え?記入は出来ませんよ?」

私『え?』

女性「ここには先生がいませんから…。」

私『え?…チャットで確認を取っていた上、今朝、受付の別の女性から午後に陰性証明をもらう際に問題なくここで書いていただけると伺っていたのですが…20時までにって…。お医者さんがいないとは?』

女性「ここは検査をするだけのクリニックでして、医師が常勤し、診察にあたっている場所ではないんです…。明日、保険会社に電話をし、医師を紹介してもらうのがベストだと思います。」

私『明日は午前6時の飛行機に乗るため、明日では遅く…。必ず今日の午後に準備しておく必要があったのですが…。』

(お互い時計を見る)

女性「もうこの時間なので…。」

私『ここでは医師の紹介や、病院の情報提供などをしていただくのが難しいのですよね…?』

女性「そうですね…保険会社に電話で聞いてもらうのが一番…。」

私『スペインでは、このような場合、いかなる医師でも (自分の病院でPCRを受けていない患者が持って来た証明書にも) サインをしてくれるものなのですか?』

女性「はい。もう陰性証明書を持たれておりますし、そちらの日本で提出される紙は、陰性でしたと一言を書くような非常にシンプルなものですので、どの医師も書くことが出来ます。どこの病院でも構いません。」

私『分かりました。(保険証の裏にある3つの電話番号を指しながら) あなたが私の立場なら…この3つの番号のどれにかけますか?』

緊急24時間: XXXXXXXX
アシスタンス: XXXXXXXX
オフィス: XXXXXXXX

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女性「私なら一番上の緊急にかけます。緊急ですもの。」

私『ありがとうございます。では、私も試しにかけてみます。ありがとうございました。』

女性「頑張ってくださいね、そして明日は良い旅を。」

(現地の保険会社に電話)

本当は、弟に自分でかけさせて、経験を積んでほしかったが、あまりにも時間がないので、私が代わりに。バルセロナの家庭医療の多くは、予約制だったり、午前のみ、〇〇曜日と〇〇曜日の午後…と狭い時間枠の中だったり…日本より選択肢が少ない。18時を過ぎても開いている、しかも予約なしで、新規患者さんを制限することなく、すぐに診てくれる場所…。私たちの条件はかなり厳しいものであることを分かっていた。

男性「はい、こちら〇〇保険緊急サポートでございます」

私『(急いで事情説明)』

男性「かしこまりました。ただ今、医師の紹介をさせていただく担当者の方にお電話をお繋ぎいたしますので、このまま少々お待ちくださいませ。」

1分経過

2分経過

自動応答システム「カタルーニャ語を希望される方は0を。スペイン語を希望される方は1を。英語を希望される方は2を…」

私『!?……1』

自動応答システム「保険・保険金請求等に関するご相談は0を。入院・手術給付金に関するご相談は1を。緊急事態の場合は2を。…その他のご相談は5を。」

私『!?…5』

女性「はい、こちら〇〇保険緊急サポートでございます」

私『(またこのくだり?) あの…先ほどあなたの同僚の男性とこの番号上で話をし、会話の最後に担当者に繋いでくださると言われ、待っていたら自動応答システムになってしまいまして…私の用件に関係がありそうなボタンを選んだ結果、あなたにたどり着いたのですが…もう一度相談内容を説明した方が良いですよね…?』

女性「男性でしたか…?…誰からもまだ何も聞いていないため、ご説明いただけますか?」

私『(また同じ説明をする)』

女性「私どもの公式HPから、医師リストをご覧になられ、明日、最も行きやすい診療所へ行かれると良いですよ。」

私『それが…明日の朝6時のフライトなんです…。この時間 (18時) もまだ開いている場所はありそうですかね?』

女性「それはかなり厳しい…。ギリギリですね。前もってご準備をされないと。とにかく私どもの公式HPから、医師リストをご覧になられ、探してみてください。」

(その先の欲しい情報はもらえそうになく、これ以上話をしても意味がなかった。)

私『分かりました。見てみます。ありがとうございました。』

インターネットでリストを開いた。場所や医療名などを選択すると、8人の医師に絞られた。そのうち、午後も診てくれそうな場所はたったの1箇所だった『月曜から金曜の17時半から20時』。ここに行くしかない。…住所を見ると、初めて見る通りの名前、地区、最寄り駅名だった。現在地からメトロで20分。…行くしかない。

すると、弟が横で冷静に「電話かけて先に一応確認してみたら?その方が良くない?」と。珍しく協力的な一言をくれた。それもそうだ。ポケットから携帯を出し、番号を入力。

女性「はい、こちら〇〇です」

私『(3度目の事情説明) …どうにかこれから証明書にサインだけしていただけませんかね?非常にシンプルかつ簡単なもので…もうほぼ、お医者さんの名前を書くだけのような紙なのですが…』

女性「大丈夫ですよ、うちにいらしてください。」

私『!!え、本当ですか!ありがとうございます!20分後に到着します。』

女性「ゆっくりお越しください。お待ちしております。」

L5 (5番線) の、Virrei Amat駅へ向かった。

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L5は、サグラダファミリアまでしか行ったことがなく、その先の駅名はどれも新鮮だった。…遠かった。

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すぐ書いてもらえた…。私の実家のかかりつけ医の先生に似ていた。ビザ申請に必要な健康診断書をサラッと書いてくれる、あの感じ。

「ここは何て書いたらいい?」

「ここは何にしとく?」

有難い。助かった。部屋を出る際、自然と "Muy amable. Le agradezco, muchísimas gracias." (ご親切にどうもありがとうございました。感謝いたします。) が口から出た。スペイン語で生きるようになり7年が経過したが、このフレーズに心が乗ったのは初めてだった気がする。料金は、保険のカバー内 (無料) だった。

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メンタルの免疫も、バルセロナ生活の経験値も…また上がってしまった。トラブルたくさん。「ブログのネタになるんやけん良いやん」と、余裕な笑顔を見せる弟とは裏腹に、タイムリミット3時間に焦っていた姉。

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確認に確認を重ねていても、トラブルは回避不能という、今日のエピソード。…実は、この問題発生の前日にも別の帰国問題が生じていて…2日連続2時間睡眠だった。30時間前のオンラインチェックインで『便がない』と言われた事件は次の記事で。

【PCR補足情報】
・唾液ではなく、鼻腔ぬぐい液だった。
・受付から病院を出るまで、わずか10分弱。
・一般料金は、125ユーロ。保険割引で100ユーロ。
・結果は、検査から8時間後にSMSで通知が来た。
・証明書は、PDFも貰えた。
・検体採取した時間は、自己申告だった。

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