BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【どの新聞が良い?】スペインの大手新聞会社の特徴

スペインで最も読まれている新聞はマドリッドに本社を置く、MARCA (マルカ) というスポーツ紙で、その読者数は一般紙を大きく上回っている。さすがサッカー大国。

f:id:kaedetaniyoshi:20200602211856j:plain

全国紙の、No.1は EL PAÍS (エル・パイース) で、No.2は EL MUNDO (エル・ムンド)。日本で報道されるスペインのニュースは、大体この2社の記事が翻訳されている。

f:id:kaedetaniyoshi:20200602210951j:plain

「スペインの新聞会社と言えば?」と聞かれてパッと思い浮かぶのは、

1. LA VANGUARDIA (ラ・バングアルディア)
2. 20 MINUTOS (ベインテ・ミヌートス)
3. EL PAÍS (エル・パイース)

今日は、スペインの大手新聞会社の各特徴について。

f:id:kaedetaniyoshi:20200529210849j:plain

【スポーツ紙】
スポーツ (特にサッカー) が好きな人におすすめな新聞は、

Marca (マルカ)
As (アス)
➡︎ 本社: マドリッド=レアルマドリード派

もしくは、

Mundo deportivo (ムンドデポルティーボ)
Sport (スポルト)
➡︎ 本社: バルセロナ=バルサ派

表紙を見れば一目瞭然。

f:id:kaedetaniyoshi:20200602232054j:plain

いずれも両都市のチーム (マドリッドとバルセロナ) について書いてはいるものの、使われている形容詞や表現、分量を比較するとやはり偏りを感じる。

【予備知識】
新聞やテレビには、イデオロギー (指示する社会的な立場) が存在する。普段からこれを意識している人は、政治に興味がある人だろう。全く気にしたことがなかった人は、右派や左派と聞いてもさっぱり見当がつかないはず。

簡単に言うと、

右派 (右翼): 保守派。伝統や習慣、社会組織を尊重する。

中道: 右にも左にも偏らず、中正の立場

左派 (左翼): 革新派。より平等な社会を目指そうとする。

それでは、本題へ ⬇︎

【一般紙】
読者数が多いTOP5をピックアップして簡潔に特徴を。

① EL PAÍS (全国紙)
・創刊年: 1976
・社会自由主義
・CENTRO (中道)
・スペイン国外でも (ドイツ、ベルギー、イタリア、メキシコ、アルゼンチンで) 刷られている。
・多元的民主主義を擁護する、法律で守られた民主主義の秩序を守る立場、暴力は認めないが全ての社会的イデオロギーを受け入れる。現在は、右派でも左派でもなく真ん中(セントロ) に分類されるが、左寄りの中道と言われている。独裁者フランコ死後 (6ヶ月後) に発行がスタートした。

② EL MUNDO (全国紙)
・創刊年: 1989
・自由党、君主主義
・DERECHAS (右派)
・中道寄りの右派と言われる。スクープやスキャンダルの報道が強いイメージ。左派とナショナリズムを批判する。

③ LA VANGUARDIA (地方紙)
・創刊年: 1881
・カタルーニャ主義
・DERECHAS (右派)
・一部、カタルーニャ語のみで書かれてある欄がある。カタルーニャ独立に関する記事になると、それを支持する方に偏るが、普段は世界や国内で起きていることを中立的な立場からまとめていると言われる。

④ VOZ DE GALICIA (地方紙)
・創刊年: 1882
・保守党
・DERECHAS (右派)
・その名の通り、ガリシア地方の新聞。

⑤ ABC (全国紙)
・創刊年: 1903
・保守党、君主主義、国民党
・DERECHAS (右派)
・すごく右寄りと言われる。

メディアの論調によって右派と左派に分けられるのだが、他国と同様、明確な線引きをすることは難しく、このグループ分けにはバラつきが見られる。

【20 MINUTOS】
この記事を書くまでは、右や左を意識したことがなかった。バルセロナで読んだことがある新聞は、

LA VANGUARDIA: 30回くらい
20 MINUTOS: たくさん

La Vanguardia (ラ・バングアルディア) は、バルセロナオープンに行けば貰えるから、毎年その期間中 (たった1週間) だけ読む。20 MINUTOS (ベインテミヌートス) は、平日の朝、街のあちこち (中心部) に配っている人がいるので渡されたら受け取って読む。カフェテリアの机の上、大学の入り口、アカデミアの教室に束で置いていることもある。とても身近な見慣れた新聞。20分であらゆるジャンルの主要な出来事を読めるから『ベインテ (20)・ミヌートス (分)』という名前らしい。

f:id:kaedetaniyoshi:20200529200655j:plain

バルサの選手の写真 (特にメッシ) が、よくスポーツ欄に載っている。「あ、いた!」と思ったら、その見開きページのみ大切に保管をして、日本に持って帰る。サッカーをしている小学生にあげると、すごく喜ばれる。書道の時間がより楽しくなるそうだ。

【おすすめは?】
その日のニュースを一通り軽く知りたい人におすすめなのは、

20 MINUTOS

深く読みたい人におすすめなのは、

EL PAÍS

LA VANGUARDIA

 

【オンラインのみの新聞】
紙の新聞が存在しない、デジタルのみの会社も複数ある。その中でも評判が良く、人気が高い2社は、

eldiario.es (エルディアリオ・プントエス)
・左派
www.eldiario.es

EL ESPAÑOL (エル・エスパニョール)
・右派
www.elespanol.com

ちなみに、フェイクニュースやオーバーな表現が多いと言われているのは、デジタルの okdiario (オーケーディアリオ)。

バルセロナ生活 記事一覧

スペイン語 記事一覧

スペインの大学情報 記事一覧

おすすめ記事: