BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【スペイン人は時間にルーズ?】18時に会おう ≠ 18時に会おう

「スペイン人は時間にルーズだ。」

最初のうちはそう思っていた。しかし、4年、5年、6年と、こちらで過ごす時間が長くなるにつれ、徐々にイメージが変わってきた。

「習慣の違いだ。」

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【〇〇時に会おうの含意】
スペイン人の中にも「時間厳守」を重んじ、貫く人もいる。だから『個人の性格次第』と言えそうではあるが…。時間通りに来ない人が多いのは事実である。その概念がそもそもこの世界に存在しないんじゃないか、と錯覚しそうになることもあった。

日本人の言う「18時に会おう!」は、言わずもがな「18時に会おう!」を意味する。だから「17時50分〜55分」には着けるよう、意識をする。しかし、スペイン人の「18時に!」は、

「a las 18h (18時に)」ではなく、

「a partir de las 18h (18時以降)」

18時集合 = 18時10分〜15分頃集合

根本的なイメージが違う。

(18時に行っても誰もいない。)

この異文化を上手く理解できていないうちは『スペイン人は時間にルーズだ』と思ってしまう。

私たちは、小さい頃から時間厳守と他者尊重の教育を受けてきたのだから仕方がない。

・授業や仕事に遅れるなんてあり得ない
・待たせるのは相手に失礼
・遅刻した時は言い訳をしない
・時間はみんなのもの

更に、日本は公の時間もきっちりしている。駅に行けば電車は定刻到着&定刻発車。1分でも遅れると、便を逃してしまう。

【スペイン人はどう思っている?】
彼らは自身の国民性をよく分かっている。他国から「時間にルーズ」と思われていることも、遅れると相手に迷惑がかかってしまうことも、…全て。

夏の暑い日に外で待たせてしまうと、相手を不快な気持ちにさせてしまう。冬なら寒空の中...。遅刻は相手の時間を無駄にしてしまう。

分かっている。

じゃあなんで?

私たちは疑問に思う。

が、スペイン人も同じことを思っている。

なんで『18時集合=18時までに集合』?

『時間厳守』が『慣習』でない国の人にとって『18時集合=18時集合』を理解、徹底するのは非常に難しい。

だからここは、郷に入れば郷に従え。

現地の人たちの生き方を真似る。

でも、最初に述べたように、中には時間を守る子もいるわけで。その子たちは遅れてきた子にハッキリと言う「ねえ、遅れるなら分かった時点でメッセージ送るとか電話するとかしてよね?」と。

そう、言えば良い。

1回しか会わない相手なのであれば、"NO PASA NADA" (どうってことないよ) 精神で見逃してあげても良いが、長い付き合いをしていく相手ならば、我慢せず、本音を言うべきである。

注意しても、軽く「ごめんごめん、気をつけるよ!」くらいの返事が返ってくるため、気まずい雰囲気になったりはしない。

例文:
Me gustaría que por favor la próxima vez me llamaras o mandaras un mensaje si calculas que llegas tarde.

(メグスタリーア・ケーポルファボール・ラープロキシマベス・メジャマーラスオー・マンダーラスウンメンサッヘ・シーカルクゥーラス・ケージェガスタルデ)

「次は、遅れるって分かった時点で電話かメッセージして欲しいな」

 

【遅れるワケ】
私が思うに、時間の逆算が苦手。

「18時集合」と聞いた時に、

17時55分には着いておきたいな ➡︎ 17時45分に家を出る ➡︎ 17時30分には荷物をまとめる ➡︎ 17時にシャワーをしよう

が、パッと習慣的に出来ない。

18時ね、18時!

としか思わない。

出発間近にあれこれ思い出すのに。

・あ、あれ買ってない!
・あ、ゴミ出さないと!
・あ、あの人に電話するんだった!
・やっぱりシャワーしておこうか?
・そう言えば、洗濯機が止まってたんだ!
・あ、上着忘れて帰ったんだ!何着て行こう?
・あれ?鍵は?

【仕事とサッカーは完璧】
商談や、上司との大切な会議。そして、サッカーの試合には遅れないスペイン人。夜9時頃のスタジアムにはあれだけの大人数が集っている。やれば出来る。スポーツの試合やコンサートになると、正確に時間の逆算が出来る。メトロやバスの混み時間も計算に入れて、驚くほど早い行動が出来る。実はすごい。

結局は、意識なのだろう。

授業の開始時間には、しょっちゅう遅れて来ている子でも、旅行の飛行機や電車には、余裕を持って来てくれる。乗る前にカフェを楽しむ時間も計算に入れ、自ら時間を指定してくれることもある。

【身近な友達は…】
バルセロナに限って話すと、

大学: たまに試験時刻に間に合わないクラスメイトがいる。20人はもうすでに開始している中、おはようございます!と、やや小さい声で入ってくる。

仕事: 昼休みの切り上げが5分-10分延びるスタッフもいる。

友達: 待ち合わせで私より先に到着していた子は…いない(笑) 5分-10分後に来る。

テニス仲間: 絶対に遅れたことがない子が1人だけいる。銀行マンなのに、毎回定時に仕事を切り上げ、コートの予約時間開始と同時に打ち始められる状態にウォーミングアップを済ませてくれている。ただただ素晴らしい。

旅行: 集合時間より少し前に来る。

パーティー: 複数人でご飯を食べたり、家でパーティーをするとなれば、超高確率で1,2人は数分〜30分遅れて到着する。

【経験から学んだ術】
① 10-15分遅れで到着するのを自分の中でも「普通」にしてしまう。ジャストに行かない。

② 待ち合わせの場所は、遅れる前提で考える。本屋さんとか電器屋さんとかアップルストアとかが良い。カフェテリアの中はNG。先に着いて、飲み物を注文して待っていても、来るのが遅いと先に飲んでしまう。メトロの入り口付近もNG。スリが多い場所で長時間待つのはリスクが高すぎるから。

③ 予め、気持ち早めの時間設定をする。

【よく言う遅れた理由TOP3】
Es que...(笑)

TOP1:「混んでた」
TOP2:「ちょっと電話してた」
TOP3:「準備に時間がかかった」

 

 

必ず15分前には到着しておくタイプだった私が、このスペインの時間感覚に (完全に) 慣れるのにかかった年月は『3年強』。

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