BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【機械的くらいがちょうど良い】スペイン・イタリア人と日本人の仕事の仕方

スペイン・イタリアに来た当初は「こっちの働き方、人間味があっていいな」と感じていた。

レジのおばちゃんは手を動かしながら隣のレジのおばちゃんとずっと喋ってる。警察署の人はビザと全く関係ない恋愛話を振ってくる。庭師さんは大音量で音楽を流してカラオケ状態で作業をしてる。

…そんな「良さ」を感じる反面、これが原因となって起こる問題に幾度となく遭遇してきた。海外生活5年目終盤にさしかかった今、日本の『マニュアル通りの仕事』『時間を無駄にしない働き方』をとてもプラスに思うようになった。

『楽しんで働く』その裏にある問題点とは?

今日はスペイン・イタリア日本の働き方の違い比べ、実体験を元にメリット・デメリットを書き出してみる。

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 【メリット・デメリット】
+ 楽しそうに働く
− お客様を待たせても平気
→ 根本的な違いがある。日本人はお客様第一で、クレームを恐れて対応する。でもスペイン人・イタリア人はそれをとても嫌う。「先生>生徒」という立場に対しても疑問を抱くようだ。目上の人だからとりあえず友達と話す時よりは丁寧な言葉を使って会話するけど…でも教師が偉いわけじゃないでしょ?って考えてる人が多すぎる。日本人的な考え・概念を持ってる人に出会ったことはまだない。日本の小中高では授業の前に「お願いします」の挨拶が普通なのに。こっちの人からすれば「なんでお願いしますなの (笑)」と。「店員と客」の関係性に置いても「なんで同等じゃないの?」というのが西洋思想。

+ 時間厳守が日本ほどない
 − 遅れることに慣れきっている
→ スペイン・イタリアでは、授業・仕事場に数分遅れても中に入れる。遅れたことをかき消せる。それが裏目に出すぎてるのがこちらの国々。バス・電車・約束時間・テスト開始時間、あれもこれも遅れまくり。「待つ時間」が多過ぎて「時間を無駄にしてる感」が半端じゃない。

+ 融通が利く=マニュアル通りでない
 − (窓口の) 人によって言うことが違う
→「融通が利く」というのは、
証明写真のサイズが違った時: あ〜それっぽく切っとくね
宅配: 配達時間過ぎてるけど個人的にその業者の1人にワッツアップで電話かけてみてあげるよ
レストラン: メニューにないけど作ってあげる
という感じのこと。日本だったら「こちら、お写真のサイズが…。すみませんが撮り直していただくのがルールとなっております」「すみません、本日の営業は終わっていますので明日出直していただけますでしょうか」「そうですね〜メニューにないものはお作りできません」となる。その点、スペインとイタリアのサービス業における融通はありがたい。が、お役所関係ではこれがマイナスとなり、困る。昨日の係の人と言ってることが違う!さっきの人はこれが必要書類に入ってないって言ったのに!ってなったり、ひたすらたらい回しにされてビザの手続きが全く進まないってことも。現に、私はスペインのたらい回しに嫌気がさしてイタリアに今来てる。

+ 休暇は大事!家族との時間も確保!
 − バケーション中の仕事がストップする
→ 子供が小さくても働きやすい、家族との時間もしっかりとれるのはスペイン・イタリアのすごく良いところ。毎日ほぼ定時に仕事を終えることができて、夏休みはがっつりとることができて、働く時と休む時のメリハリがしっかりついてる。その反面、夏休みは大学の手続き・ビザ関係、その他様々なサービスがストップする。お店もちゃんと閉まってるし…。

 

最後に、
日本と世界の有給休暇の比較を。

【有給休暇の日数】
日本の有給休暇消化率 (その休暇を使う率) は世界で最低レベル。(下の表は2014年のデータ) なぜこんなに低いかというと日本人は「罪悪感」を感じるからだそうだ。f:id:kaedetaniyoshi:20181213214722j:plain
2018年現在はどうなっているのかと言うと、
フランスとフィンランドは世界でもっとも年間の有給休暇数が多く、平均30日という結果が出ている。

ノルウェー: 21日
スペイン: 22日
ポルトガル: 22日
ドイツ: 24日
デンマーク: 25日
オーストリア: 25日
スウェーデン: 25日
スロバキア: 25日
イタリア: 26日
イギリス: 28日

ヨーロッパ(付近)で平均20日を切っている国は、ベルギー、ギリシア、ハンガリー、アイルランド、リトアニア、アイルランド、マセドニア、キプロス。

(参考: Los 22 días de vacaciones en España)

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日本は長い休暇を取る人の割合も世界で1番低い。だから逆に短い休暇を複数回取る人は世界で最多らしい。

スペインにもイタリアにも働きたくても働けない人がたくさんいる、特に若者。それに比べたら日本の「働ける」環境はとてもシアワセで有難いこと。

とは言え…中庸を忘れずに。

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