在日スペイン大使館の要項に記載がある通り、学生ビザを申請する場合は、学校の入学許可書あるいは授業登録書が必要である。
しかし今回、どちらの書類を持っていなくてもビザが問題なく発給され、この絶対的なルールに例外があることを知った。…正確には、どちらの書類も用意出来なかった。
【状況整理】
・2015年からバルセロナ大学哲学部に在籍中
・2019-2020年度はイタリアのビザで滞在していたが、2020年の秋からはバルセロナ大学が学業のメインとなるため、スペインのビザに切り替えることに
・2020年8月に東京のスペイン大使館でビザ申請
・2020年9月にビザを受け取り、渡西
【入学許可書が発行不可のケース】
普通は、スペインの学校に申し込みをすれば必ず『入学許可書』『招待状』『授業登録書』のいずれかを発行してもらえ、それをビザ申請の際に提出する。この書類に関しては以下のように説明がある。
● 滞在目的を証明する書類(原本とコピー1 部)スペイン語のみ
a) 留学の場合:公立の教育・科学機関或いは認可された私立機関において、勉学の為、登録を済ませているか、或いは入学を許可されていることを証明するもの。学位や修了証書の取得につながるコースであり、授業時 間数は週 20 時間以上であること。授業開始日と終了日、コースにかかる費用、授業時間数が明記されている こと。
私は、入学許可書を大学から発行してもらえないと言われた。「もう既にあなたは本校の生徒ですから」と。入学許可書は、まだその学校の生徒ではない人へ『入学を許可するために』発行する正式な書類だから、在籍している生徒へは発行出来ないとのこと。
【授業登録書が発行不可のケース】
「じゃあ、授業登録書で良い」と、思いきや、スペインの大学の授業登録は、時期が9月半ばであるため、それより前にビザの申請をしなければならない場合、間に合わない。2020年9月28日(月)から大学が始まるのに、2020年9月22日(火)の授業登録開始日に申し込みをして書類を揃えたのでは遅すぎる。(ビザ申請から受け取りまでに最低4週間かかる。)
…こういうわけで、私がビザ申請をした2020年8月には、授業登録書を得ることも出来なかった。
【準備した書類】
「入学許可書も授業登録書も貰えませんでした」で、ビザ申請は100%通らない。何か書類を発行してもらわなければ…。と、バルセロナを出る前に、大学の事務室へ行き、相談してみた。
その結果、
今までの私の成績が載った証明書 (expediente académico) に、備考欄を設けてもらい、そこに「バルセロナ大学哲学部の生徒であること」「もともと在学していること」「今年度の授業登録が出来るステータスであること」などを書いてもらうことにした。
この expediente académico は本来、スペインでNIEの更新をする時に提出をする用だから…大丈夫かな?と思いつつも、これしか書類は準備出来そうにないので一か八か、提出してみた。
・授業開始日 ➡︎ ある
・授業終了日 ➡︎ アバウト
・コースにかかる費用 ➡︎ 記載なし
・授業時間数 ➡︎ 記載なし
4週間後、ビザが発給された。
バルセロナ大学で「240ECTSコース (240単位の学位コース)」と書かれてあれば、細かな授業時間数や費用は必要ないのだろう。良かった。
【このケースに当てはまる人】
ヨーロッパの二つの大学に通い、私のようなビザの切り替えをする人は非常に稀だが…。コロナの影響やある事情で、ビザが切れた状態で日本に一時帰国する留学生はいると思う。その時、再入国許可書を持っていないのなら、日本からスペインへ戻る前、ビザの再申請 (最初の時と同じように申請) をしなければならない。でも、語学学校以外の生徒は、入学許可書も授業登録書も時期によっては発行不可だから、上記と似た書類を準備する人が出てくるだろう。
【カタルーニャ語だった話】
帰国前に気づいたからセーフだったが、私が最初にもらった書類はカタルーニャ語で発行されていた。バルセロナに住んでいたら「この言語がスペイン語なのかカタルーニャ語なのか」意識することなくスッと理解出来るようになるから、気をつけなければならない。他の州の公用語においても同じことが言える。ビザ申請の時の入学を証明する書類は、必ず『スペイン語』と決まっているので、注意。
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