イタリア人の誕生日パーティーは…
・22時半〜23時半に集合する
・誕生日の子 (主催者) が全額負担
・招待された子のみが参加する
・大学の授業より大事
・写真撮影が芸能人並み
・0時ジャストに大合唱
今日は、昨夜行われたレティツィアの誕生日パーティーの様子を日記形式で振り返りながら、日本の流れと比較してみる。
【2019年12月18日(火)】
今学期最後の授業日だった。教授の都合でキャンセルになった授業の振替はだいたい全部クリスマスバケーション直前の週に詰め込まれるため、9時から18時半までびっちりの1週間。20時半までは図書館で勉強するのが日課で、昨日も帰宅したのは21時。いつもなら22時過ぎには寝てしまっている。が…、親友の誕生日パーティーに参加するため、コーヒーを数杯飲みながら集合時間 (23時半) まで睡魔と戦った。カフェテリアに負けないくらい部屋中、香ばしいコーヒーのかおりに…。
イタリア人は『日付が変わる瞬間』を盛大に祝うため、誕生日会の開始時刻がとにかく遅い。だからみんな前日は、大学の授業を途中抜け。夜に備える。
大学の授業<誕生日パーティー
案の定、私以外のメンバーは16時上がり。「KAEDEももう家に帰って夜に備えて!」「まさか今日も20時まで学校にいないよね?!」「仮眠取って!じゃないと無理だから!」「お願いだから休憩して、夜絶対起きてて!」と、心配され『大丈夫、今夜だけは必ず起きとくから』と大学に残った。
夜ご飯を食べ、シャワーをし、着替えて待機。…23時過ぎ、大学の近くに住む私たち3人を主役であるレティツィアが音楽ガンガンで迎えに来てくれた。車に乗り込むと、あくびが出始めたが、ハイテンションで高速を130キロ超えで走る運転のおかげで一気に、完全に、目が覚めた。それから真夜中3時半まで睡魔が来ることはなかった。会場は、大学から車で10分ちょっとのところにあるピザ屋さん兼お菓子屋さん。招待されたのは、幼馴染を含む10名。中に入り「予約席」と書かれたイスに着き、飲み物を注文。コーラ、カクテル、ビール、レッドブル、ワイン、ホットチョコレート、各々が好きなものを頼む。私は温かいアールグレイ。イタリアは、主催者が全額負担。飲み物も、アイスも、食べ物も、ケーキもシャンパンも全部。
23時58分までは、時間を気にせず、ひたすらおしゃべり。いつも通り、話題が尽きることはなかった。23時59分、みんなソワソワし始める。日本の年越しみたいに。
AM00:00 誕生日
「アウグーーーリーー (AUGURI: おめでとう)」と叫び、定番ソングを大合唱。別の席からも歌が聞こえ、広いレストラン中「タンティアウグーリーアーテー」。歌い終わると、ケーキが運ばれてくる。ロウソクに火が着くと、もう一度みんなで歌を歌う。そして、現代っ子らしく、インスタのストーリー用動画撮影タイム。私はあとから1分半のムービーをプレゼントしようと、デジカメで様子を撮影。
スパークリングワインを順番に受け取り…
席に戻ってケーキを食べた。プレゼントを渡すタイミングが日本と違う。イタリアは、
1. 0時に歌を歌う
2. ケーキ登場
3. ロウソクに火がついたら、再び合唱
4. 食べる
5. ワイワイおしゃべり
6. 1人ずつ写真撮影タイム
7. また席に戻っておしゃべり
8. プレゼントを渡す
9. ケーキの残りをお持ち帰り用に準備
10. お店を出る
プレゼントを渡す前に、必ず主役と招待客のツーショット撮影会がある。1人ずつ撮ったあとは、2人、3人と増えていき、最後の1枚は全員で。
プレゼントはその場で開ける。もらったアクセサリーはその場でつける。手紙もすぐ読む。これがイタリアの常識。私は、前からレティツィアが欲しがってた「お箸」を、日本に帰国した時に買っておいたので、それと、和柄の手拭いと、チョコレートをあげた。他の友達が贈ったプレゼントは、マフラーと帽子、ハートのブレスレット、マグカップ、ボディークリームなど。
1時半過ぎにお店を後にし、コゼンツァの街の中心部へ向かった。おしゃべりをしながらゆっくり夜の街を歩くのが目的。平日の真夜中2時半は流石に貸切状態で、警備員さんと見回りの警察官しかいなかった。
この、パーティー後の散歩も割と恒例。すぐにバイバイせず、少しでも「長く」時間を共にするイタリア人。
AM02:45 帰宅
楽しい楽しい動画の編集で、長い1日は幕を閉じた。
【おまけ: 良い循環】
日本にはどちらかと言えば、誕生日を迎える人がお金を払わなくて良いようにする流れがある。主役が全額負担は、想像つかない。この「招待された子は1円も払わなくて良い」システムのメリットは、
・いやいや参加することがない
・参加者は本当に仲良しの子ばかり
・招待されたら必ず行く人がほとんど
・お互い気兼ねなく心から楽しめる
・「招待」によって特別感が更に増す
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