BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【実際の置き引き映像】バルセロナのスリの巧妙なテクニック

バルセロナの中心地にはスリのプロがたくさんいる。メトロの中・バスの中・エスカレーター・カフェテリア・道路、様々な場所で盗みを繰り返し、今日も生きている。そんな彼らの巧妙な手口を知っておくだけでも、スリ被害は防げる。どんな雰囲気の人が怪しいのか、どんな場面は注意が必要なのか、一緒に見ていこう。

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【カフェテリア】2017年6月にカメラが捉えた
下の写真は、あるカフェテリアの中の映像。パソコンに集中するお姉さん、子供連れの家族、おしゃべりを楽しむ若者がいる、ごく普通のカフェテリア。そこに50代の男性客1人がやってきた。彼は周囲を見渡すことなく、落ち着いた雰囲気で空いてる席へ。その席の後ろにはパソコンで仕事をしている30代の男性がいた。何かを見据えたかのように、その若い男性と背中合わせで座わり、かけカバンを外し、自分の椅子にかける。…この時、初めて近くのお客さんの様子をよくチェックしていた。

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自分のコートを脱ぎ、椅子にかけると見せかけて、、、後ろの男性のポケットに手を伸ばしていた。小さな女の子と目が合っても気持ちが変わることはない。若い男性のポケットの中の財布を取り出し、自分のコートのポケットへすぐに移動させる。一瞬の出来事だ。

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まるで何か探し物をしてるかのような素振りをしたあと、着席したばかりなのに立ち上がり、さっき脱いだコートをまた身につける。犯行時間はわずか40秒。被害に遭った男性は全く気づいていない。「後ろに来た人もう帰るのか」くらいにしか思っていない様子。

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男は何も注文することなく、奥の飲食エリアへ行き、盗みをし、店を出たのだ。この1分の動画は、ノーカットで報道された。 (映像はコチラ)

 

【メトロの中】これが主流のやり方
メトロやバスの中で実際に私も見たことがある『コートの下からスリ』。特に夏場以外に多い。手口は、会社員風の男性や青年が乗車し、暑そうに着ていたジャケットやジャンバーを脱ぐ。(自然に見えるが全て演技。) そしてそれを腕にかけて、リュックや、口が開いてるタイプのカバンを肩にかけている女性に近づき、そーっと開けて金品を盗む。横から見ていると丸見えだが、被害者や犯人の背中側の人たちからは全く見えない。

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あまりにも堂々と目の前で展開される『スリ』を止めた話は下の記事に書いた。

このタイプは、次の停車駅に近く手前で盗み、サッと降りる。メトロの中では必ず荷物は前に抱えて持つべき。私が見たスリは人が少なめの時間帯だったから、空いてる時にも気は抜けない。

【ホテル】
ホテルでの危険ポイントは、受付 (レセプション)朝ごはん。受け付けでチェックインをする時、荷物から手を離すと盗まれると思っておこう。後ろに並んでる人もスーツケースを持っているから自分と同じ旅行客だ!と思い込んではいけない。バルセロナはホテルの中だからと言って油断はできない。朝ごはんもそう。三つ星以上のホテルであれど、食堂へは自由に出入りできるところが多い。

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携帯・ルームキー・貴重品を机の上に置いたまま席を離れないように。机の真ん中か、盗まれないポケットに入れてしっかり管理しよう。

【レストランやカフェテリア】
先ほどのポケットスリ以外にも、地図を見ている時にその下に置いていた携帯をスられる、足元に置いてあったカバンから金品をスられる、そして注文方法を聞かれて教えてる時にカバンを丸ごと持って逃げられる被害が目立つ。近年では、ベビーカーに乗ってる子供を連れたスリも報告されている。親切心から子供が落としたものを拾ってあげていると、反対側に置いてたリュックごと。カフェで注文の仕方を質問してくる系は要注意。そもそもアジア人に聞くわけがないんだから。普通の人はレジで店員さんに聞く。

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【ショッピングセンターなど】
下の写真の右は、靴屋さんで起こった犯行。女性がちょっと試し履きをしようと手に持っていた買い物袋をイスの上へ。すぐ近くの靴を持ってイスへ戻るとわずか10秒で盗まれた。スリは男性ばかりでない。女性も手に折りたたんだスカーフやカーデガンをかけて近づいてくる。

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【メトロのエスカレーター】
エスカレーターは唯一、前の人に近づいても怪しまれない絶好の場所。被害多発している危険な駅は、サグラダファミリア、エスパーニャ、カタルーニャ、リセウ、ドラッサネス、ディアゴナル、パッセージダグラシア。全て、メイン観光スポットの近くにあるため観光客が多く利用する駅だ。とにかく『メトロ構内ではリュックは前!』私は、スペイン生活6年目でも必ず前にしている。

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【観光客を装ったスリ】新しい手口 
ブルガリア出身の女性2人。地図を片手に、不慣れっぽい様子で歩いているため、どこからどう見ても観光客。しかし、スリの常習犯だった。

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カサバトリョがあるパッセージダグラシア駅付近で撮られたこの写真は、逮捕直前。男性2人は私服警官で、観光客を装って、彼女たちから話しかけられるのを待っていた。すると「すみません、ここに行きたいんですけど、もうあなたは行きましたか〜?バルセロナ全然わからなくって〜」と、気さくに質問をしてきた女性。方角も聞かれたため、私服警官は指をさしながら教えた。その隙に、片方の女性がサッとカバンに手を伸ばす...。

 

下のは地区別の恒例手口マップ。中心地で増えているのは『偽警察』で、職務質問のように『私は警察官です。身分証の提示のご協力をお願いします。』と話しかけてくる。財布の中の身分証明を探してたら、パスポートケースをあさってたら、丸ごと持って逃げられる。

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あとはATMでお金を下ろした直後に、物乞いの人に「1円でもいいから…」と言われ、…全ていかれる。グエル公園とカタルーニャ広場付近では、服に色が濃い液体をかけられて「何かついてますよ!大丈夫ですか?拭かないと!」と親切そうに近づいて来て後ろを拭きつつ、盗みをするというパターン。

バラや小物を持って「買いませんか?」と近づいてくる人は全員無視しておけばいい。現地のスペイン人は目も合わせず、無視を続ける。あまりにもしつこい時は No. No, gracias. (ノー、ノーグラシアス) と言って追い払う。目を見ないこと。

 

【署名スリ】
日本から来た友達を連れてスペイン広場へ行った時『署名スリ』に遭遇した。初めてだったから本物かと思い、真面目に話を聞いてしまった。

女性2人が近づいてきて英語で「すみません、ただいま署名を集めています。ご協力願いませんか?」と。

無視した。

すると「すみません、サインだけでいいので…」また来た。全く引く気がない勢いだったから『なんの署名ですか?』と聞くと、恵まれない子供がどうとかこうとか。説明を1分ほど聞き、サインだけで子供達が救われるなら良いですけど。と答えた。ペンを渡され、ここに名前をお願いしますと枠を指で示された。既に10人以上の外国人の名前があった。

毎週のように来るスペイン広場でアンケートや署名をしている人たちを見かけたことは一度もなかった。怪しさを感じたので、本名を書かずにローマ字で『KAEDE DAYO』と書いた。国籍は『JAPAN』で生年月日は日付を数日ずらした。『楓ダヨ』と書いたのに日本語の苗字と名前だと信じ、彼女たちは次の指示を出して来た。

署名は終わったのに。

これは2ユーロの募金をする署名ですよ」と。え?みたいな顔をしたら2人の態度が変わった。やっぱり騙しか、と悟り『それは聞いてないからしません、そもそも長く住んでるのにこんなの初めてですよ』とスペイン語で強めに言ってその場を立ち去った。

財布を出したらアウト。

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