これまで、スペインの大学入試の対策や過去問について書いてきたことはあったが、やはりみんなが気になるのは…
「結局、何がどう難しいのか」
【私が実感した5つの理由】
① 相当の文章力がどの科目においても必須: 文をきちんと組み立て、展開していく力、一貫した文章を書く力、論理的に物事を述べる力がスペイン語で必要。
② 選択問題で慣れている日本人の思考回路: 私たち日本人は「選択肢の中から正しい答えを選ぶ」という力にとても長けている。高校までのテストの中で少々『筆記』があったのは国語・現代文・小論文くらい。だから自然と日々の勉強も「選択肢」に備えてしまう。やたら年号を意識したり、大事な出来事の内容よりも地名、関わった人をフルネームで漢字で覚えたり…。これはスペインの入試で一切求められない。180度、勉強の仕方を変えなければならない。
③ 簡潔に頭でまとめてしまう日本人の癖: 話をしていてもそうだが、どうしても「まとめ」てしまうのが日本人。日本では簡潔に分かりやすく、短文で話の核を相手に伝えるのが良しとされる。が、スペインではある意味逆だ。スペイン人 (やラテンアメリカ人) と私の授業中のノートの取り方は全然違う。
私は「単語」で、みんなは「文章」でノートを取る。スペイン人は文系の授業で図を書いて矢印で繋げたり、色を付けて視覚的に覚えたりすることをしない。ずっと文を書き連ねる。同じ先生の言葉を聞いていても、私の脳には重要な「単語」しか残らないのに。これを変えるのがなかなか大変だった。
⚠️ 不要な部分まで覚える、という訳ではない。
④ 科目: 内容自体 (出題範囲・難易度) は無理!と根をあげるほど難しくない。ただ (英語を除いて) 習ったことがない科目ばかりだから「難しい」と感じるだけ。理系 (生物・化学・数学) の授業が終わった黒板や、過去問をちらっと見た時、見覚えがある図や言葉・数式を見かけた。一方で、文系の科目は完全に新しかった。もしかすると文系の内容の方が白紙からスタートになるのかも?
⑤ 記憶力: 世界文学史・スペイン語などの科目によっては、記憶力をアピールすると加点される。だからここぞとばかりに持っている記憶力を全て使った。具体的には、ある文学者の名前を書いた後に、その作品の書かれた年、出版された年+その作品以外に有名な本数冊 (それぞれの年号とテーマ) について書いた。記憶力をフルに使えば満点も叩き出せる。文学史なら、それぞれの登場人物の名前を正しいスペルで覚えるのが大変だった。
【時間配分】
自分がどれくらいの時間で、どれくらいの文量が書けるのか、しっかり把握しておくこともすごく大切である。この記事の1枚目に載せた写真、実は初めての模試を受けた時のもの。今になってみれば、公に載せるのが恥ずかしい程、文字が大きい+無駄に行間が広い+見るからに不慣れ感が出ている。
↓ は2回目の模試の前日、試しに書いてみたもの。
だいぶ「書く」ことに慣れてきてるのがパッと見でわかる。
…と、言うより、1枚目のあの感じで書いていても点数が取れないことに気がついた。制限時間内に裏表1枚書くのがやっとだったが、周りはみんなサラッと裏表3枚は書き上げていた。それに追いつこうと毎日、裏が白い紙を見つけては書く努力をした。
En cuanto a
Por lo cual
Por lo tanto
Así
De manera que
De tal forma que
Por ello
Por esta razón
Por este motivo
Por lo que
Dado que
Ya que
Puesto que
Es decir
Por consiguiente
En definitiva
Acerca de
Mejor dicho
En consecuencia
Por ende
Debido a lo cual
Así que
Así pues
Sin embargo
…
毎度 conectores (接続詞) たちは、全員紙の上に大集合。ちゃんとしたテストだからフォーマルなものを操らないといけない。
・Por eso
・porque
・Pero
の3つは少し幼稚いから控えるべき。
長くなってしまったが、まとめると…「持ってる知識を全て文字に書く」のが難しかった。1聞かれて100答えるイメージ。
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