バルセロナのシンボル、サグラダファミリア (Sagrada Familia) はスペインを代表する建築家ガウディが設計した2026年完成予定の大聖堂である。着工した1882年3月19日から137年が経とうとしているが未だに建設が続いているのは有名な話だ。ガウディが亡くなった1926年からちょうど100年後にサグラダファミリアを完成させよう!という計画も知っている人が増えてきた。
"2026年まであと7年!今、この瞬間も作業は続けられていて、刻一刻とその時が近づいている!楽しみだ!"
今や、年間450万人もが足を踏み入れる超人気スポットとなり、世界中の人たちがその完成を待ち望んでいる。
…が、実は2026年以降も作業が続くみたいだ。
【2026年に完成するって話は…?】
私たちは「完成」という言葉を聞くと…工事・作業がその日までに全て完了し、お祝いをする「完成」を思い浮かべる。しかし、サグラダファミリア大聖堂のいわゆる「完成」は『全ての塔の建設工事の終了』を意味する。スペインだからなのか、サグラダファミリアが例外なのかよく分からないが、2026年以降もまだ『本当の完成』まで時間が少しかかる。
【その作業って何?】
具体的に今分かっているのは2点、
・芸術面
・環境面
芸術面は、もっと彫刻を美しくしたり、色合いを加えたり、144年前に作られて少しボロが出ている部分を修復したりすること。環境面とは、周辺のアパートを取り壊す作業のことらしい。この大聖堂に入るためのメイン入り口を完成させるには周辺に立ち並ぶいくつものアパートを取り壊さなければならない。バルセロナ市役所がこの責任を担っているが、未だに自治体が動きを見せてない様子。(2018年末情報)
2026年の完成に向けて頑張ってますビデオ ↓
【情報源はどこ?】
2017年3月に新聞記者であるアントニバッサス (Antoni Bassas)氏が、現在のサグラダファミリアの9代目設計責任者であるジョルディファウリ (Jordi Faulí)氏に「2026年に確かにサグラダファミリアは完成するのでしょうか?」と取材を行った。
「そうですね、今のままの良いリズムで2026年まで作業は続けられるでしょう。我々はこれまで通り、皆様からの寄付金から大聖堂を建設していきます。もし訪問してくださる方の数が減ってしまうとちょっと問題が発生しますが…。まあ、これはいずれわかることでしょう、神様が望むようにことは進むわけですから。我々が日々心がけていることですが、最も重要なのは高い質で作り上げることです。」
と、ジョルディ氏は発言したのち「彫刻といくつかのシンボルは2026年以降も作業が続けられるでしょう」と言葉を残した。
【土地と建設の許可について】
2018年の10月にこの大聖堂に関する、あるニュースが日本でも大きく報じられた。それは『サグラダファミリアが約45億8700万円を支払って建築許可を得た。この136年なされていた建築は公的な許可を得ていなかった。』というものであった。今のところ得ている許可は建築を公的に行うもののみ。付近の住民の住居を取り壊す承諾と許可とまだまだこれからだ。
最も驚くのは…メイン入り口の場所!
今、観光客が出入りしている入り口2つは封鎖されることになる。まさかの池がある方でも、公園がある方でもないなんて。
完成予定のビデオは、下の動画開始〜40秒あたりまで。
完成が遅くなったとしてもみんなずっと楽しみに待っててくれるに違いない。
簡略プロフィール: kaedetaniyoshi
【追記: 2021年12月09日】
ガウディの没後100年となる2026年に「完成予定」だったが、コロナの影響で観光業がストップしてしまい (建設工事を続ける収入が無くなり)、新しい完成年を設定するのは現時点で『不可能』と言われている。建設開始から150年を迎える2032年の完成を目標に工事を進めていくという報道も多く見かけるようになってきた。2021年12月現在、未完成部分は全体の25%である。
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