BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【ざっくりと超簡単に】スペイン語とイタリア語の違い

スペイン語イタリア語の…

【似ているところ】
・80%の単語は似ている
・文法
・発音がほぼローマ字読み

【違うところ】
・動詞と前置詞のペア
・助動詞と自動詞
・アポストロフィーをつかう
・イタリア語には ü を使う単語がない
・所有格
・似てる動詞ほど実は意味が全く異なる
・haber と tener の使い方
・接続法の使い方は全く違う
・スペイン語にはイタリア語の ci と ne がない
・間接目的語
・スペイン語は命令法をよく使う
・仮定法Si+未来形がスペイン語は使えない

【最後に】
・同時学習について
・小話

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【前置詞の違い】
スペイン語       イタリア語
Voy a Japón.    →    Vado in Giappone.
Estoy en biblioteca. →    Sono in biblioteca.
Estoy en casa.    →       Sono a casa.
※ sono は スペイン語で soy

【単語はどう似てる?】
スペイン語      イタリア語
igual (イグアル)    uguale (ウグアーレ)
mejor (メホール)     migliore (ミジョーレ)
vecino (ベシーノ)    vicino (ヴィチーノ)
ocupado (オクパード)  occupato (オックパート)

【イタリア語の ci と ne 】
Non ne voglio sapere.
= No quiero saber de eso. (o de él)
= それ (彼) について知りたくない。

Ne sono uscito.
= Salí de allí.
= そこから出る。

Me ne vado.
= Me voy (de aquí).
=(ここから) 行く。

Ci vado.
= Voy (hacia) allá.
= そこに行く。

Ci perleró.
= Hablaré con él, ella, ellos.
= 彼 (彼女・彼ら) と話すつもり。

Ci sono.
Aquí estoy.
= ここにいるよ。

Ci metti tanto.
Te demoras mucho.
= 時間かかりすぎ。

【似てるけど意味が異なる言葉】
スペイン語      イタリア語
salir (サリール: 出る)    salire (サリーレ: 登る)
aceite (アセイテ: 油)    aceto (アチェート: 酢)
vinagre (ビナーグレ: 酢)  -
caldo (カルド: 出汁)     caldo (カルド: 暑い)
cara (カラ: 顔)      cara (カラ: 愛しの)
subir (スビール: 登る)   subire (スビーレ: 苦しむ)

【直説法と接続法の使い方の違い】
スペイン語では肯定文で que 以下は直説法
Creo que es una buena idea.

否定形では接続法に変わる
No creo que sea una buena idea.

でも!

イタリア語では肯定でも否定でも接続法
Penso che sia una buona idea.
Non penso che sia una buona idea.

【間接目的語】
マリアにプレゼントをあげる。」

スペイン語では、
Le doy un regalo a María.

イタリア語では、
Do un regalo a Maria.

スペイン語の le は、間接目的格人称代名詞で、意味は「彼に」「彼女に」「あなたに」と、相手によって変わる。なので、le や les が指す対象をきちんと明確にするために、前置詞 a + (代) 名詞 を用いる。= 間接目的語の重複表現

【所有格】
「私の家」「君の本」
スペイン語では
mi casa と tu libro
イタリア語では
la mia casa と il tuo libro
→ 所有格の前に冠詞がつく。 

 

 

【アポストロフィー】
スペイン語ではアポストロフィーを使わないが、イタリア語では、母音が続く時にアポストロフィーを使って…

× Vado alla università.
○ Vado all'università.

【üを含む単語】
この ü を書く時は、ちょっとテンションが上がる (笑) スペイン語で「あいまい」は「アンビグエダッ」で、スペルは "ambigüedad"!ペンギンは「ピングイーノ」だから "pingüino"!この他にもまだまだある。もし、この文字が無かったら、gue は「ゲ」gui は「ギ」と発音される。

【表現の仕方も何気に違う】
スペイン語で「頭が痛い」は "me duele la cabeza."。日本語と同様「痛い ("doler")」という動詞を用いる。しかし、イタリア語では、"dolere" を使わずに mi fa male la testa. と言う。これをスペイン語に直訳すると "me hace mal la cabeza. (頭が私を悪くする)" で、何が言いたいのかなんとなーく分かるが、「痛い」だとは思わない。この類の違いもたくさんある。

【もし〜なら〇〇する?】
スペイン語: Cuando tengas tiempo, ¿irás a Roma?
イタリア語: Se avrai tempo, andrai a Roma?

スペイン語では、Si (もし〜) の仮定法+未来形が使えないため、イタリア語の Se+未来形は、Cuando+接続法 に置き換える。

【助動詞と自動詞】
実は、これがこの2つの言語を両方学ぶ上で1番難しい違い。

He venido a la fiesta.
(私は祭りにきた。)
➡︎ この He の原形は、haber (イタリア語: avere)。スペイン語では話者が女性でも男性でも過去分詞は venido のまま変わらない。

一方、イタリア語では…

男性の場合: Sono venuto alla festa.
女性の場合: Sono venuta alla festa.

過去分詞が話者の性別によって変化する他、メインの動詞はESSERE (スペイン語のSER) を使う。イタリア語のフレーズをスペイン語に直訳すると、Soy venido a la fiesta. となる。だからイタリア人がスペイン語を話すと、よくこうやって言い間違えている。

 

【スペイン語とイタリア語の同時学習】
同時学習をするより、まずはスペイン語習得を目指した方が良い。B2かC1になってからイタリア語を始めるとすごく楽だし、頭の中でごっちゃにならない。文法 (特に時制) が難しいのは断然スペイン語。

【小話】〜今朝の飛行機で〜
スペイン語が話せる英語ネイティブのCAが2名、機内乗り込みの際に乗客を誘導していた。イタリア語は話せそうになかった。が、バルセロナからナポリの便は乗客の7割がイタリア人。60代のイタリア人夫婦が2組いて客室乗務員に質問をした。

(イタリア人はスペイン人よりも疑問に思ったことをすぐに直接聞きたがる。)

夫婦1「(イタリア語で) 私たち夫婦なんだけど席が離れたから最後誰も隣に来なかったら夫をこの席に来させてもいいかしら?」

CA『…?』

夫婦1「夫婦なんだよ、夫と妻。わかる?」

CA『(スペイン語で) すみません、イタリア語がわかるものを呼んで参ります。』

夫婦2「(イタリア語で) さっき買った土産のこのビニール袋、上に入れたいんだけどスペースがないよ。」

CA『小さな荷物は足元にお願いします。(スペイン語)』

夫婦2「…?どこに入れれるの?」

CA『(スペイン語で) ここの足元にお願いします。』

CAは、2組の夫婦が話すイタリア語が全く分かっていなかった。やはりイタリア語とスペイン語は "似ている" が、日常会話は成立しにくい。

分かりやすく最初のご夫婦の旦那さんが「夫と妻なんだよ」と単語で説明しようとしたものの、イタリア語の夫と妻は「marito (マリート) と moglie (モッイェ)」そして、スペイン語では「marido (マリード) と esposa (エスポーサ)」

5W1H (いつ、どこで、だれが、なぜ、なにを、どうやって) 以外の単語は似てない場合が多い。だからそれらを使わない時、スペイン語ーイタリア語の会話は成立しない。

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