BARCELONANDO :)

1995年生まれ。ヨーロッパ生活5年目。バルセロナ・イタリア・ヨーロッパ・言語学・哲学に関する記事。

【なぜスペイン語だけ挨拶が複数形?】buenoS díaS...

今日イタリア人の友達が「なんでスペイン語は挨拶が複数形なの?」と聞いてきた。スペイン人以外が疑問に思うのも無理ない、なぜならスペイン語以外の言語は挨拶「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」「おやすみなさい」が単数形だからだ。各国の「おはよう」を例に見てみると、 

スペイン語: "buenos días" (良い日々)
英語: "good morning" (良い朝)
ドイツ語: "guten morgen" (良い朝)
イタリア語: "buon giorno" (良い日)
フランス語: "bonjour" (良い日)
ポルトガル語: "bom dia" (良い日)
カタルーニャ語: "bon dia" (良い日)

スペイン語の "buenos días (おはよう) " を単数にしてみると "buen día (良い一日)" となる。が、ブエンディアはスペイン語で「おはよう」を意味しない。「良い一日を!」というニュアンスになる。なぜスペイン語だけ複数形なのか、未だにその謎は解明されてないが多くの言語学者がいくつかの説をあげている。友達に説明してあげた3つの有力な説を今日はここでシェアしてみる。

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【① 神のご加護がありますように】
スペイン人言語学者の Salvador Gutiérrez Ordóñez (サルバドール) は次のように考える『きっと おはよう は神からのお言葉だ、と考えられていたのでしょう。そして、ただその日だけ「いい朝を!= おはよう」ではなく、明日も明後日も良い日々が続くように、神様のご加護で毎日良い時間が送れますように、という意味を込めて複数形にしたと思われます』

【② 中世の名残】
現代は1日を朝・昼・晩の3つに区分するが、中世 (17世紀頃) は1日を7区分にして宗教のお祈りを何度も行なっていた。(これはスペインだけでなくヨーロッパのキリスト教が主な宗教であったエリアはどこもそうだった。)  7区分にしていたものの、夜が明ける前の3つ (夜半課・早課・一時課) を "maitines" (早課)"とくくって呼んでいた。同じように日の出〜日没前の活動は "laudes" と、日没後の晩課と晩堂課を "vísperas" (日没後)とまとめていた。それらの3つの単語は単数形でなく、複数形だ。なぜならそれぞれに1つ以上の活動が含まれているから。…この名残が "buenos días (良い日々: おはよう)"、"buenas tardes (良い午後 (複): こんにちは)"、"buenas noches (良い夜 (複): こんばんは)"現代も受け継がれている

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【③ 短縮された言葉】
先ほども登場した言語学者であり、スペイン国立言語アカデミー (スペイン語の標準を規定している団体) 会員でもある Salvador (サルバドール) が1番有力だ説としているのが「短縮された説」である。これは日本語の『今日は』の語源が『今日はご機嫌いかがですか?』という文が短くなって『今日は』となったように、"buenos días (良い日々を) " の言葉の後ろにはまだ文が続いていたと考えられる。

 

私は個人的に②の中世の名残じゃないのかな〜と思う。