BARCELONANDO :)

1995年生まれ。ヨーロッパ生活5年目。バルセロナ・イタリア・ヨーロッパ・言語学・哲学に関する記事。

【日本は遅れてる?】今、世界でスペイン語は。

 

2017年のデータによると、世界で最も話者数が多い言語は中国語で9億5000万人、2番目はスペイン語で4億7700万人。第二言語としてスペイン語を話す人も含めるとその数は5億7266万1721万人にも上る。1位が中国語である理由はただ中国の人口が多いだけであって、人口統計上からネイティブスピーカーの数の割合を比べると中国語と英語の話者数は年々低下している。逆に、スペイン語は毎年増加していて2016年から2017年の間にも500万人も増えている。

1. 中国語    9億5000万人
2. スペイン語  4億7700万人
3. 英語     3億3000万人

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日本ではまだまだスペイン語は認知度が低くて「外国語」と言うと『英語』をイメージする人が多い。英語が唯一のインターナショナルな言語で、英語が話せたらどうにでもなると思ってる人も少なくない。スペイン語なんて話してる人そんなにいないでしょ?って。小・中学生の親御さんの多くは、スペイン語やイタリア語のワークショップをしますよ〜というチラシを作って配っても「ま〜難しそう!まずは英語教えてほしいな〜」「うちの子、英語ですらサッパリだから…」と口をそろえる。英語以外にも色々な言語があるんだよ、好きな言語を学べばいいんだよ、と子供達に教えてあげたいのに…。結局ニーズに合わせて、英語も追加で教えるが内心ではその現実をとても残念に思う。英語圏の代名詞であるアメリカでも近年、ヒスパニックが急増してるというのに…。サッカーに興味がある少年の方が割と大人より「スペイン語」が国際的言語で将来性がある言語と言うことを知っている。

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日本人の「外国語」=『英語』という固定概念は時に社会問題にもなりうる。そのいい例が国家試験、通訳案内士の制度改革。今までは無資格の人が外国の人にガイドや通訳をしてお金をもらうことは禁止されていた。超難関の通訳案内士の試験に合格しなければ、ガイド・通訳として働けなかった。が、2018年1月、通訳案内士法が改正されてしまい、無資格でもそれらの職でお金を稼げるようになった。なぜか?それは、もちろん英語以外の言語を話す外国人のニーズに日本人が追いつかなくなったからだろう。それもそのはず、英語を話せないスペイン語圏の人は山ほどいる。海外の人=英語が話せるという概念は大間違い

日本の外国語教育を強化しよう!じゃなくてハードルを下げてしまった点は最悪だと思う。ニーズに、世界に、追いつこうとしないから日本の外国語能力は世界的に見ても遅れている。産業や科学などその他の分野ではエリートな発展国なのに。『外にでる若者が少ない=英語以外が話せる人が少ない=外国語を教える教師が育たない=別の言語に触れる機会を子供に提供できない』という悪循環があるのだろう。

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上の世界地図の見方は、
スペイン語が公用語となっている国=赤
公用語ではないが話者が多い国=水色

世界には6000から6500の言語が存在する。そのうち中国語、スペイン語、ヒンディー語、英語は広範囲において話されているため『力がある言語』とされる。その4言語ほど普及してないが、国際的な言語と言われるのはフランス語、アラビア語、ポルトガル語だ。セルバンテス文化センターが出している面白い研究記事を見つけたので、これからシェアしたいと思う。この研究のタイトルは『生きた言語、スペイン語』で2017年11月27日に公開されたもの。

まず、スペイン語を話す人口がいかに多いかを示すデータから。

<スペイン語圏の人口>
1. メキシコ     1億2351万人
2. コロンビア       4924万人
3. スペイン        4652万人
4. アルゼンチン      4404万人
5. ペルー         3182万人
6. ベネズエラ       3143万人
7. チリ          1813万人
8. エクアドル       1677万人
9. グアテマラ       1653万人
10. キューバ      1142万人
11. ボリビア      1114万人
12. ドミニカ共和国   1016万人
13. ホンジュラス      888万人
14. パラグアイ       695万人
15. エルサルバドル     634万人
16. ニカラグア       621万人
17. コスタリカ       494万人
18. パナマ         409万人
19. ウルグアイ                    345万人
20. プエルトリコ      341万人
21. 赤道ギニア                      84万人

計 4億5592万9054人

メキシコの人口がこんなに多いとは知らなかった。この数値を見ていると、ラテンアメリカのスペイン語が重要視される理由がわかる。通りで、スペイン語の求人を見ていると南米の仕事がめちゃくちゃあるわけだ。

 

<(公用語でない)スペイン語話者が多い国>
1. アンドラ             3万人
2. オランダ領アンティル       1万人
3. アルジェリア         17.5万人
4. アルバ (南アメリカ)            1万人
5. オーストラリア         11万人
6. ベリーズ (中央アメリカ北東部)      16万人
7. ブラジル             46万人
8. カナダ                 41万人
9. 中国               5000人
10. アメリカ合衆国       4292万人
11. フィリピン          3325人
12. グアム (アメリカ)        1201人
13. インド             1000人
14. ヴァージン諸島 (アメリカ)    1.6万人
15. イスラエル              13万人
16. ジャマイカ           8000人
17. 日本                       10.8万人
18. モロッコ            6586人
19. ノルウェー                                     1.3万人
20. ニュージーランド                        2.2万人
21. ロシア                             3000人
22. 西サハラ              ー 
23. スイス              12.4万人
24. トリニダード・トバゴ       4000人
25. トルコ              1000人
26. スペイン以外のヨーロッパ    1400万人

計 4615万4424人

スペインの人口は 4656万人 (2016年) だから アメリカ・カナダ・ブラジルにいるスペイン語話者は4379万人って、すごい量。

上のデータは世界だけど、

ヨーロッパだけに焦点をあてたものもあった。

2013年にイギリスで「これから将来的に重要となってくる言語はなんだと思いますか?」という調査を行った時の結果は以下の通り。(なんと日本語もトップ10にランクインしてる!) 

1. スペイン語  76点
2. アラビア語  54点
3. フランス語  47点
4. 中国語    45.5点
5. ドイツ語   43.5点
6. ポルトガル語 41点
7. イタリア語  22.5点
8. ロシア語   19点
9. トルコ語   19点
10. 日本語     17点

 

<EUで外国語として学ばれている言語>
1. 英語    94%
2. フランス語 23%
3. スペイン語 19%
3. ドイツ語  19%
5. イタリア語   3%
5. ロシア語    3%

ヨーロッパ連合に加盟してる28の国のうち、フランス、スイス、デンマークではスペイン語が結構、重要視されていて学ぶ人の数が多い。しかしそれは第二言語としてではなく、第三言語としてだ。第二言語はやはり英語らしい。

 


<EUの中で特にスペイン語を学ぶ国>
1. フランス   72%
2. スウェーデン 40%
3. デンマーク  20%

ヨーロッパの中で最もスペイン語を学ぶ人の数が多いとされるフランスとスウェーデンであるが、その人たちのスペイン語レベルはどのくらいだろうか。下の図はその2国の「外国語としてのスペイン語学習能力レベル」を表すものである。青色は Pre-A1 (入門以下レベル) で、薄緑はA1レベル (入門)、濃い緑はA2 (初級)、黄色はB1 (中級)、赤はB2 (中上級) だ。正直、青色の人はスペイン語を「学んでいる」と言うよりは「学び始めた」というべきレベルで、過半数以上が初級 (A1) 以下であるから、この2国で学ばれているスペイン語のレベルは非常に低い

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参考にした記事: (セルバンテス、『生きた言語、スペイン語』)

 

以上のデータを見るとヨーロッパではスペイン語はあまり力を持ってなさそうに思えるが、実際にスペイン語はヨーロッパの様々な場所でよく耳にするし、空港や街の案内ボードや美術館の説明もスペイン語が多い。少なくとも私が行ったことがある国 (フィンランド、イギリス、オランダ、ドイツ、クロアチア、イタリア、スイス、フランス) ではそんな印象を受けた。

長々と書いてしまったけど要するに、

日本がこれから世界のグローバル化に追いついていくために、スペイン語は不可欠な要素だろう。もう時代は英語じゃなくてスペイン語かもしれないよ。という記事。