あまり知られてないが、実はカタルーニャにはガウディの弟子が作ったもう1つの「サグラダファミリア」が存在する。その教会の名前は Santuari de la mare de Deu de Montserrat (サントゥアリ・ダ・ラ・マーレ・ダ・デウ・ダ・モンセラット) と言う名前で、タラゴナの田舎にある。カタルーニャを象徴する教会の1つと言われているが、意外にもその教会の周りには山と穏やかなブドウ園が広がっている。ガウディの弟子の建築家 Josep María Jujol の作品で、今から19年前 (1999年) に完成した。ジュジョールはガウディのことを心から尊敬していたし、彼の作り上げる作品が大好きだった。
Santuari de la mare de Deu de Montserrat はこんな感じ ↓ で、周りはブドウ畑。田舎風景の中にポツンとある。
Jujol (1879-1949) は建築だけでなく、家具デザインや芸術・絵画の分野でも才能を発揮させた人物で、カサミラを完成させたのも彼であった。グエル公園やカサバトリョの建設にも携わった他、スペイン広場にある噴水をデザインしたのもジュジョール。晩年は生まれ故郷、タラゴナやカタルーニャ南部の村で住宅や教会の修復をした。
彼の作品からガウディ建築を連想することができる。
モデルニスモ兼、超現実主義 (シュルレアリスム) 建築家である彼の建築様式はジュジョールスタイルと呼ばれ、天才ガウディに深く関連づいているとして評価された。カサバトリョの外壁のデコレーションや家具の設計、グエル公園のぐにやぐにゃうねった形のベンチ、カサミラの内装など、彼が残した作品はバルセロナ中に残っている。有名な歴史家、Daniel Giralt-Miracle (ダニエル) は彼についてこう述べている「ジュジョールの素晴らしい才能を最初に見出したのはガウディだったのです。そして吸血鬼のごとく彼の素質を吸い取った。我々は正直、ガウディの始点とジュジョールの終点がわからないのです」日本人の建築家であり、デザイナーでもある森枝雄司さんは「彼はガウディの作品に生と色を与えるんですよ」と。独創性に満ちた彼の人生は今も評価し続けられている。
カサミラを完成させた当時の逸話があって…
「何人かの人はこう言った、ジュジョールは日中、作業をするだけでなく、夜も来るんだ。彼の夜行性と排他的精神からかな。ジュジョール自身が望む形とうねりを出すためにカサミラの鉄で出来たバルコニーを触ってるんだよ」
これが事実であったかどうかはさておき、ジュジョールがガウディの作品において非常に重要な存在であった、ということを象徴する話であることは間違いない。
もう1つのサグラダファミリアと呼ばれる教会はバルセロナの中心地から車で1時間弱のタラゴナ県のモンフェーリ (Monferri) という田舎の村にある。
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