BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【バルセロナ版】スペイン人家族と日本人家族の光熱費を同じ条件下で比較してみた

スペイン非常に電気代が高い国である。だからスペイン人は電気の無駄遣いをしないように、節約意識を持って日々生活をする。1回あたりのシャワーにかける時間は日本人に比べてかなり短い。室内で靴を脱ぐ習慣がないため、家の床掃除に使う水の量は少ない。

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極寒の日以外暖房を使わない。夏も電気代を抑えるためにクーラーをつけないのが普通。服は毎日洗わない。洗濯はまとめて週に1-2回が一般的。

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…と、生活スタイルが全く異なるスペイン人と日本人。

今日は、バルセロナに住むスペイン人家庭と日本人家庭のリアルな光熱費を同じ条件下で (家族の人数と部屋数、全部屋の日当たり・電気の数・家電の種類・壁の耐熱性・窓の数を揃えて生活した場合の料金を) 比較してみる。

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【光熱費は月にいくら?】
よく「バルセロナで一人暮らしをする際の光熱費を教えてください」と言われる。私も一人暮らしを始める前は誰かに相場を聞きたかった。しかし、どの不動産会社に聞いても、スペイン人の友達に聞いても返ってくる答えは同じだった。

Depende. (人による。)

「いや、だいたいで良いんだけど。」と思っていた。

8年の月日を経て自分が答える立場になった。…「Depende」と答える。なぜおよその金額も言いにくいのか、その主な理由は次の3つ。

① 生活スタイルによる。
→ 電気を使う時間、シャワーを浴びる時間と回数、照明をたくさん付けたい人と暗めが良い人、主な調理方法、トイレに行く回数、家にいる時間の長さ、何人で住むか、洗濯を週に何回するか、夜型なのか朝型なのか、家電の種類と数。

② 家の条件によっても大きく変わる。
→ 太陽光がよく入る外向きのお部屋なのか、あまり自然光が取り込めない内向きのお部屋なのか、窓の数、階数、部屋数、リビングの広さ、家全体の広さ。

③ Certificación energéticaのレベルも大事。
→ 家探しサイトや不動産会社の広告には必ず『Certificación energética』の評価が明記されている。A (最高) からG (最低) までのアルファベットで表すエネルギー性能証明書は、建物のエネルギー効率を要約するための評価基準。同じ建物でも最低ランクGのお部屋はAに比べて家賃が安い。だが、いくら家賃が安くてもGの家は結局、多くの光熱費 (エネルギー) を要するため、かかるお金は同じかAの方がお得。

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つまり、生活スタイルや家の条件が異なる人と光熱費を比べてもあまり参考にならない。答える方もどう答えて良いのか分からない。

 

【スペイン人家族vs日本人家族】
スペイン人と日本人の生活スタイルの違いを踏まえ、同じ『3人家族』でもどれくらい光熱費に開きがあるのか見ていきたい。長期間のデータは取れないので、1-2ヶ月あたりの金額を比べる。

【1ヶ月あたりの水道代】
バルセロナの水道代はおよそ2ヶ月に1度請求が来る。今回のデータは、6月11日〜10月14日までのもの。

日本人家庭: 80〜85ユーロ/月

スペイン人家庭: 20〜25ユーロ/月

7月〜8月は1日に2回シャワーをすることもあり、私たちは1年で最も水を使う。(2回するとは言え、朝もしくは日中の1回は軽く汗を流す程度。) スペイン人のシャワーは、午前に6-10分。蛇足ではあるが、22%のスペイン人は1週間にするシャワーの回数が3回以下というデータもある。

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私の家は土足厳禁で裸足・靴下・スリッパで生活をする。だから2-3日に1回は必ず家全体のフローリングの床をモップで念入りに掃除する。その際バケツに水は溜めない。1回の掃除につき4-5回は水道でモップを綺麗に洗う。一方でスペイン人家庭は1週間に一度、水をバケツに溜めてモップを使用する。

【1ヶ月あたりの電気代】
スペインは電気代の高騰が止まらない国。平均消費量は一家庭あたり291kWh。だが、この数字はスペイン全土の統計。寒い地域は暖かい地域に比べて電気の消費量が多いことや、一戸建ての推定消費量は年間3754kWhであるのに対し、アパート (ピソ) は、3373kWhであるという違いに注意しなければならない。日本全国の平均的なエネルギー消費量は、1世帯年間4322kWhとなっている。私たち家族は今のバルセロナのピソで月に平均430kWh消費しているため、年間5150kWh (430×12)。やはり日本人の方が電気を多く使う傾向にある。

日本人家庭: 平均138ユーロ/月

スペイン人家庭: 平均30ユーロ/月

1ヶ月あたりの電気使用量は大きく違う…4倍。

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普段の生活の中でこの「4倍」が生まれる原因を探ると…

各々が自室で時間を過ごすことが多い。

電子機器を毎日フルで使い、充電している。(MacBook3台、iPhone3台、iPad1台、カメラ、持ち運び充電器、WiFiなど。)

夕食後も照明の数を減らすことなく、夜遅くまでみんなでリビングで過ごす。

洗濯機を週6回使う。

・どこかの部屋の電気の消し忘れがたまにある。(スペイン人は徹底して節電に取り組むイメージ。家族で住んでいる場合、お母さんやおばあちゃんがきっちりしている。)

・毎食調理にかける時間が長い。

電気の消し忘れを除いてその他の消費は無駄ではないため、節約のために頑張って削ろうとは思っていない。『普通』の生活を送る上で必要なお金と捉えている。

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2021年10月末にはエネルギー料金の高騰により、一般世帯の年間生活費が854ユーロ (約11万4400円) 増加するという計算が発表された。スペイン消費者協会 (OCU: Organización de Consumidores y Usuarios) によると2020年度の一般家庭の年間電気料金は約675ユーロ (約9万円) だったが、2021年度は936ユーロ (約12万5000円) に達するとのこと。

【終わりに】
バルセロナで1ヶ月ごとにかかる家関連のお金 (3人暮らしの場合) をまとめると…

・家賃 (???ユーロ)

・光熱費 (約3万円)

・WiFi (約4100円)

・セキュリティ費 (約7100円)

家賃以外に約4万1200円かかる。これを3人で割ると、1人当たり1万3733円。

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