BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【煩雑な手続き】何のために住民登録をするの?

スペイン留学、移住、ワーホリ。長期滞在者なら誰しも必ず耳にする重要ワード、エンパドロナミエントは、住民登録を意味する。この手続きは、何のために行うのだろう?『任意』なのか『義務』なのか。もし取得していないと、どんな場面で困るのだろう?

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【エンパドロナミエントとは】
住民登録は、国籍を問わずスペインに居住する人をその居住地の市町村区の住民票に登録すること。この、『正式に住んでいる証明』手続きを経て、現在滞在している市区町村の住民として認定される。

どんな場面で必要になるか:

・居住許可あるいは労働許可を申請する時
・健康保険証を申請する時
・運転免許証の更新や切り替えの時
・子供を学校に登録する時
・車を登録する時
・社会保障 (福祉) 制度を受ける時
・進学の手続きを行う時

など。スペインに長期滞在をする留学生は、NIEのカードの申請や更新をする際に必要となる。

【どんな家でも登録可能?】
基本的には、学生寮、シェアハウス、ホームステイ、賃貸アパート、知人宅でも問題なく住所登録を行うことが出来る。しかし、中には「エンパドロナミエントが出来ない」と言われる例外が存在する。私が知る限り、3パターン。

① 家主に内緒で賃貸物件の無断又貸しをしている

② 単に契約期間 (滞在期間) が短すぎる

③ 家主が財務省に家賃収入を申告していない

バルセロナで生活をする中で、最も頻繁に見聞きするのは、最後の③のパターン。たいていの場合、オーナーは自分が持っているピソに住んでいないのにも関わらず、自分と家族がそこに住んでいる登録をし、旅行者やヨーロッパ圏の留学生に貸している。それがバレるのを防ぐため、「エンパドロナミエントが必要だ」と話をしても『出来ない』と断られることがある。

市役所へ行き、住民登録をするのにも労力と時間がかかる。

書類を準備し、提出日の予約を取得するのにも一苦労する。2021年6月8日現在バルセロナは、1-2ヶ月先まで予約が取れない。だから家の契約があまりにも短期な場合は、不動産会社やオーナーから登録不可だと言われる可能性が高い。

私が斡旋しているホームステイ先では、最低3ヶ月の契約というルールが設けられている。3ヶ月前後の滞在にも関わらず、快く『住民登録』をさせてくれるお家は有り難い。

 

【必要書類】
市役所に持って行くべきもの:

① 自分のパスポート (/NIE) の原本

② 賃貸契約書の原本とコピー

この2点のみで大丈夫だが、窓口の人によっては、追加でいくつかの書類提出を求める。市役所のパソコンの画面で物件の住民登録状況を見た際、不自然な動きがあると判断されると…直近3ヶ月の光熱費の支払い書 (última factura de suministro de luz, agua, gas) も印刷して来てくださいと言われ、名義人が家の持ち主と同じかどうかを確認される。これは、シェアハウスに多い。

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【引っ越しの度に変更すべきか】
新しい家に3ヶ月以上住むのであれば、住民登録変更をおすすめする。引っ越しから1-2ヶ月でまた別の家に移る、あるいは日本に本帰国するのであれば、わざわざ市役所に申し出る必要はないと思う。(その間に住民登録の証明書提出が必要な何かがあるのであれば、話は別。) スペインに居住する者はこの登録の「権利を有し、義務を負う」と言われてはいるが、…予約日次第。

【未登録=不法滞在?】
不法滞在扱いになることはないが、必ずエンパドロナミエントはしておくべき。何もデメリットはない。自分が正式にその街の住民として登録されている喜びもあるだろうが、私はきちんとした家の契約を結べているという安心感の方が大きい。

【取得していないと困る場合】
NIEの申請や更新が近い人は、引っ越し後、早めに市役所の予約を取り、住民登録証明書を取得しておいた方が良い。この紙がないと、警察署でNIEの手続きが行えない州もある。(例: バルセロナ、マドリッド)

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