「家賃は月700ユーロ以下」かつ「女性向け」の物件は、バルセロナの中心部だけで約2300件近くある。この中からより自分の希望条件を満たしている『ピソ (住宅)』を選んでいく。
・禁煙 or 喫煙
・女性限定 or 男女ミックス
・外向きの部屋 or 内向きの部屋
・エレベーター付き or 階段オンリー
・短期契約 or 長期契約
・シェアハウス or 1人暮らし
・学生限定 or 社会人もOK
・プライベートバス or 共有バス
・シングルベッド or ダブルベッド
・立地 or 室内のデザイン
19歳の頃の『希望条件』は、25歳の今といくつ被っているのだろう?優先順位がなぜ&どのように変わったのだろう?
【19歳の希望条件】
バルセロナへ来て、最初の数ヶ月はホームステイをしていた。そこから語学学校の学生寮を経て、1人暮らしを始めたのだが、初めての『現地で家探し』では次のポイントに注目していた。
① 絶対に1人暮らし!
② 大きなベッド
③ 広々使えるキッチン
④ 静かな立地
⑤ 家賃は月に880ユーロ以下
⑥ 可愛いお部屋
⑦ カタルーニャ広場付近 (街の中心)
⑧ 感じが良く、信頼出来る不動産会社
⑨ 日が当たる明るい部屋
⑩ 1DKもしくは1LDK
これが、1年後、次のように変わった。
【20歳の希望条件】
(変化していない条件は太字。)
① 絶対に1人暮らし
➡︎ 2人暮らしもOK
② 大きなベッド
③ 広々使えるキッチン
➡︎ 広さより大きなシンクがいる
④ 静かな立地
⑤ 家賃は月に880ユーロ以下
➡︎ 650〜700
⑥ 可愛いお部屋
⑦ カタルーニャ広場付近
➡︎ 徒歩5分圏内
⑧ 感じが良く、信頼出来る不動産会社
⑨ 日が当たる明るい部屋
➡︎ 内向きではなく外向きの部屋
⑩ 1DKもしくは1LDK
➡︎ 1人なら1LDKで2人なら2LDK
⑪ 洗濯を太陽に当てて干せる物件
⑫ 湯船に浸かりたいから浴槽付き
⑬ 大きなクローゼット付き
私はフライパンよりも鍋を使う料理をよくするので、洗い場が狭い (小さい) と、すごく不便なことに気がついた。だから20歳以降、大きなシンクが条件の1つに加わった。洗面ボウルも出来れば大きい方が良い。
『シェアハウス=大人数』とは限らないことを知り、「絶対1人暮らし」が「2人暮らしでも良いかも」と思うようになった。バルセロナの相場が頭に入り始めたのは、2年目以降。最初はやっぱり分からない。
月880ユーロ (約11万) は高い?
月400ユーロ (約5万円) は安すぎる?
時間をかけて物件探しをするまでは、見当もつかなかった。18歳でこちらに来たこともあり、日本の相場も把握していない状態で…。
【蛇足】日当たりと騒音の種類
内向きの部屋でも、日中はよく日が当たる家がたくさんあるが、洗濯の乾きは悪い…。これは、一度住んでみないとイメージがつきにくいと思う。あとは騒音の種類。
外向きの部屋は、外の道に面しているため、観光客や道ゆく人たちの声が聞こえる。そのほとんどが会話で、色んな言語で「ガヤガヤ」した感じ。朝や夜は比較的静か。
一方で、内向きの部屋に住んで聞こえる騒音は「ご近所さんの生活音」だった。お母さんの怒った声からの、小さな子供の泣き声だったり、テレビやラジオの大音量だったり、電話の声、大きな声で笑い合う会話 (スペイン人は声が大きい)、料理や洗い物の音など。近く感じた。
…
…
5年後
…
…
【25歳の希望条件】
① カタルーニャ広場から徒歩10分圏内
② バルコニーかテラス付き
③ 洗濯を太陽に当てて干せる物件
④ 勉強机、ダブルベット、クローゼット
⑤ 洗い物がしやすい広いシンク
⑥ 3階以上 (エレベーターはなくてもOK)
⑦ シェアハウスならプライベートバス付き
以上。
19歳の頃から唯一変わっていない条件は『カタルーニャ広場から徒歩10分圏内』のみ。大人数とのシェア生活を経て、1人暮らしを経て、2人シェアを経て、また1人暮らしを経て、徐々に自分の生活環境における「大事な要素」がこのように確立されていった。
【ゴシック地区を選ぶ理由】
自分の家探しをする対象地区は、4つ。
① ゴシック地区 (地図で見るとリセウより上)
② ラバル地区 (カルフールより上)
③ エシャンプラ地区 (バトリョより下)
④ サンペレ地区 (ウルキナオナ辺りまで)
⬇︎ お決まりのエリア。
私は、普段の生活の中で頻繁に公共交通機関を使うのは時間の無駄 (待つ時間、遅延、ストライキ、車内での時間、スリに遭う可能性、交通費、乗り物酔い、疲れる) だと感じるため、立地は自分の行動範囲のど真ん中を希望する。
大学やアカデミアがあるだけでなく、ザ・ヨーロッパな可愛い町並みを毎日歩くのが好きだし、主要駅 (カタルーニャ)、複数の大型スーパー、デカトロン (大きなスポーツ用品店)、お気に入りの図書館が身近にあって便利なのも、ゴシック地区に住み続けている理由。空港へのアクセスも抜群。海へ行くにも、サグラダファミリアへ行くにも徒歩30分!
テニスをするために、緑ラインの終点 (Zona Universitaria) へ週2-3回行くが、毎日+毎週絶対というわけではないので、Zona Universitaria のエリアに住もうと考えたことはない。
【百聞は一見にしかず】
地区や物件の好みは十人十色なので、まずは『色々な場所に住んでみる』のが良いと思う。長期契約 (10ヶ月以上) を結ぶのは、2年目以降が無難である。1年目は、他者の意見を聞くよりも読むよりも、自らの直観と経験を大切に。
【おまけ】ピソ探しが難航する最大の理由
日本なら、2ヶ月以上前から家探しをすることが可能だが、スペインは『すぐ入居できる人を募集!』が非常に多い。すぐって…。
現在は、コロナの時期ということもあり、みんな空き部屋の家賃がかつかつなのだろう。「1ヶ月半後に入居希望 (6週間後)」で、5人とコンタクトを取り、見学のアポまで持っていけたのはたったの1件。しかもその1件は、一般的なシェアハウスではなく、不動産会社が持っているバルセロナ中心部のおしゃれな学生寮。みんな退居1ヶ月前くらいに「来月引っ越します」と言うのだろうか…。
入居日に支払うデポジットと呼ばれる保証金は、通常、何も問題がなければ退居日に丸々返金される。(問題としてよく挙げられるのは、家賃滞納と家にある公共物を壊してしまった場合。) しかし、実際は違う形でこのデポジットを取られることの方が多い。
それは…期限前の引っ越し。
(例) 契約時: 2020年8月31日まで住みたいです。
➡︎「急に帰国することになり、8月10日にスペインを出ることになりました。」
➡︎『全然大丈夫だよ、デポジットをもらってるからお金のことは気にしないで!』
まるでおまけをしてくれたかのように、サラッと「no pasa nada! (どうってことないよ!)」と、言われるが、実はこちらが損をしている。家賃が700ユーロ (8万6000円) だとしたら、3分の1 (約2万9000円) の日割りで勘弁してもらえそうなところを、8万6000円も支払うのだから。
8月10日から入居してくれる別の人を自分で見つけたとしても、最初に預けた1ヶ月分の家賃 (デポジット) は取られる可能性大。
契約と言えば契約だし、誰も住んでいないにせよ、賃貸であればお金がかかるというのも理解できる。快適な住居を提供してくれた上、困った時にはお世話になった。だから「え?」とは言わず、気持ちよく別れるために私は「ありがとう!」と支払う。
でも正直、2-3年に及ぶ良好な関係がありながらも家主からこう言われると、やっぱり最後はお金なんだな、と少し残念に思う。私だったら、
・長期に渡って自分の家に住んでくれた
・建物を綺麗に使ってくれた
・家賃は毎月きっちり決められた日に支払った
人へは、おまけをする。…とは言いつつも、きっと家主にならないと分からない大変な何かがあるのだろう。だからお互いにとってベストなのは、契約いっぱい滞在する (最初に言っていた日まで住む) ことだ。
おすすめ記事: