2017年のサンジョルディの日にサグラダファミリアからいただいた一冊の本をたまに翻訳していく。オリジナルの言語はカタルーニャ語、日本語の翻訳はまだ誰も行なっていない本。でもサグラダファミリアが招待客に贈ってる本なんだからすごいはず。
題名: La basilica de la Sagrada Familia
著者: Jordi Faulí i Oller
出版年: 2017
出版地: マドリッド (スペイン)
ページ数: 168
⚠️ この記事では彫刻がよく見えるように大事な写真は画質を落とさないからページ読み込み速度が他ページに比べて遅い。
サグラダファミリア大聖堂
未完成のサグラダファミリア大聖堂の建設は1882年から始まり、現在も世界中の人々の寄付から続いています。
建築家アントニ・ガウディが自らの人生のほとんどを捧げ、今までの経験を全て活かした偉大な作品がこの大聖堂です。彼は亡くなるまでの43年間ここで身を削りながら作業を続けました。ガウディはこの大聖堂全体の明確な設計図を残していなかったので、彼の死後、残った弟子たちが師匠から受けたアイデアと熱い思いを受け継ぎ、それらに従いながら建築を続けていくこととなりました。
サグラダファミリアはキリスト教の信仰と共に進化を続ける唯一無二の建物です。非常に論理的で素晴らしいこの作品は形・彫刻・シンボルの集大成で、これからあなたが読み進めていくページにその全ての魅力が説明されています。
【補足情報】2つのファザード (門)
サグラダファミリアには2つのファザード (門) がある。池がある公園に面しているのは生誕のファザード (スペイン語: fachada del nacimiento)、反対側の公園に面している方は受難のファザード (スペイン語: fachada de la pasion) と呼ばれる。この偉大な作品に深く関わっている日本人彫刻家、外尾悦郎氏 (サグラダファミリア主任彫刻家) の代表作「ハープを奏でる天使」があるのは生誕のファザード。外尾氏のインタビュー記事はコチラから!
【生誕のファザードの彫刻の意味と解説】
これらの彫刻は全て慈悲を表現しています。
1. タウはキリスト様の象徴 (Tみたいな十字架)
2. ヒノキの木は生の木、「永遠」と「神が人類へ注ぐ愛」の象徴でその根元には聖なる階段へアクセスする道がある
3. "Sanctus" という文字は1本の塔に3回ずつ繰り返し刻まれている
4. ペリカンは自ら子供達に栄養をあたえる (聖餐の象徴)
5. キリストのモノグラム (記号)、天使に囲まれ、何かの刺激を受けている。(人類を救うキリスト)
6. 冬の寒さを表現しているアイスキャンディーや鍾乳石: その下には、全自然の鳥や花、植物が咲き、生きている
7. 使徒シメオン
8. 使徒タダイ
→ ユダ・タダイは新約聖書に現れるイエス・キリストの弟子の一人。
9. 神の母の冠
10. 鳥と植物
11. ゾロアスター教のマークが星でいっぱいのクリスマスの夜空にある
12. 大天使ガブリエルからマリアへの受胎告知
13. トランペットをふく天使が生誕を発表
14. ベツレヘム (パレスチナの街) の星
15. 窓を囲むロザリオ
16. 音楽の天使たち
17. 歌う天使たち
18. 生誕
19. 東方三博士
20. 羊飼い
21. 雄鶏と七面鳥
22. 「柱」と「罪に対するキリストの勝利を表す開かれたキリストの門のための系譜」
少し離れて見上げると、とても圧倒され、ガウディの偉大さを感じる。近づいて一つ一つの彫刻を見ると、彫刻美と繊細な表情に心を持っていかれる。
柱は亀で、雨が降ると口から水が出る。塔の先端には山盛りのフルーツ。そして、いたるところに生き物がいる。もう建物全体が自然そのもの。…天才。
このシリーズの次回は【サグラダファミリアの中の柱の太さ】かな。
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