日本で『就職しやすい学部』と言うと、挙げられるのは…
・大学で学んだ内容が仕事に直結する『医学系』
・栄養士や教員免許などの資格を取得している『家政・生活・栄養系の学部』
・医療系の資格が取得出来る『看護・保健・医療系の学部』
・資格取得を主としない学部系統では『理工系』や『農業学系』
スペインではどうなのだろう?
【2020年-2021度データ】
スペインの労働市場の最新データが毎年見れる『Informe Inforempleo de Adecco』の2020年度版19ページを見ると、より多くの雇用の機会を持つ学部について明記されている。
2019-2020年度に引き続き、2020-2021年度も経営学部が1位だった。大卒レベルを対象にしたスペインの求人のうち、経営学部の学位を持った生徒が受けたオファーは全体の11.2%。
学部の系統別データを見ると、最も高い雇用率を得ているのは、法学社会学分野 (42.4%)。続いて、技術系の学士号 (36.2%)。最も低いのは、健康科学分野の学部で、15.1%。
経営学部に続き、企業から需要が高い学部は以下の通り。
・看護学部
・医学&生物医学部
・産業工学部
・労働科学部&労使関係学部&人事労務管理学部
・経営学&法学部
・情報工学部
・経営学と商業&マーケティング学部のダブル学位
・教育研究と教育学のダブル学位
・法学部
・機械工学部
・食品工学部
・電気工学部
・建築学部
・経済学部
・通信工学部
・理学療法学部
・産業電気工学部
・薬学部
・生物&生化学&バイオテクノロジー学部
【求人が多い州ランキング】
【就活で評価される外国語】
就職活動の際にアピールすることが出来る外国語、企業が優遇してくれる外国語TOP5は…
英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語
ただし、これはスペイン人のケース。私たち日本人は、海外に出ると第一に日本語が大きな武器となる。
(参考データ: Informe-infoempleo-adecco-2020.pdf)
【つぶやき】
しかし、単に日本語が話せるだけではもちろんダメ。スペインで (スペイン語がメインとなる市場で) 働きたいのであれば、ネイティブと同じレベルのスペイン語力が必要で、その『当たり前の前提』があって初めて日本語話者 (日本人) であることが評価される。だからまずはスペイン語力。現在の語力に満足することなく常に高い意識を持ち、上達のための努力を続けることが大切である。
【おまけ】コロナ後の変化
パンデミック化したコロナを受けて、国公立大学の医学部を志望する生徒の数が44% (4万4589名から今年は6万4164名) 高まった。同様に看護学部も出願数30%増加となっている。その他の健康科学系の学部も13%UP。しかし、スペインで最も入学が困難な学部は、前年度に引き続きコンプルテンセ大学 (マドリッド) の数学部と物理学部のダブルディグリーで、工学系と法学系の学部も非常に高い需要をキープしている。
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