運ばれてきたスペイン料理を前に、外国人であることを周りに感じさせない通な食べ方をしたい人へ。
数あるスペイン料理の中から…
今日は、パエリア、ピンチョス、マッシュルームの鉄板焼き (マドリッド)、カタツムリの4品のピックアップする。
【パエリア】
基本的にパエリアは2人前から注文が可能な料理。3人前、4人前…、注文する人数が増えるごとにパエリアの鍋は直径が広がる。地元民は日曜日のお昼に家族と食べることが多いが、平日でもお昼に食べることがある。夜は食べない。
レストランで注文すると、席に運ばれてくるまでに時間がかかる。お米の量と種類、水の量、具材によって時間はまちまちだが、平均すると22分。大きな黒の鍋には、大きなスプーンが1-2本ついてくる。このスプーンで取り皿に分けて行くのだ。
パエリアは直接鍋から食べない。フォークではなく、専用のスプーンで取り皿に移してから食べる。2-4人であれば、簡単なのだが、5人以上になると海鮮系は特に配分が難しくなる。エビ、ロブスター、手長海老、ムール貝…を地元民はどのようにバランスよく均等につぎ分けているか。その答えは…
代表1人もしくは2人が…
① 取り皿の1つに大きな具材をまとめて置いておく。
② 全体的に軽くお米を混ぜる。
③ ピザをカットする時のようにお米を人数分に分ける。(スプーンで線を引く。)
④ お米と小さな具材 (イカ、貝、小エビなど) を人数分につぎ分ける。
⑤ ①で横によけた大きな具材をそれぞれのお皿に盛る。
【ピンチョス】
最近はコロナの影響で自分で好きなピンチョスを手で取ることが出来なくなってしまった。指をさして従業員さんに食べたい種類を伝え、お皿に盛ってもらう。
フォークとナイフを使い、手を汚さないように食べても良いが、スペイン人は手でパンの部分を持って食べる。たくさん具が縦に盛られている、崩れやすいピンチョスの場合は、フォークで押さえながら食べる人もいるが、だいたい大きな口でパクリ。
⚠︎ お会計の際は、食べたピンチョスの串の本数をカウントするため、串はお皿の上かテーブルの上に保管しておくこと。
⚠︎ また自由にセルフサービスでピンチョスが選べるようになった時は、パンの部分を素手で持って自分の取り皿へ移すこと。串の部分を持ってスルッとお皿へ移動させる行為はNGである。
【マッシュルーム】
今やマドリッドの名物となっている『Mesón del Champiñón (メソン・デル・チャンピニョン)』のマッシュルーム。ここはタブレットで画像を見ながら注文が出来る他、このマッシュルームに関しては食べ方のミニ動画まで予め見れるようになっている。
フォークやナイフを使わずに刺さってある爪楊枝を1本ずつ両手に持ち、下の写真のように食べるのが正しい。
【カタツムリ】
この料理は、レストランのレベル (あるいはカタツムリのサイズ) によって食べ方が変わるので2パターン紹介する。食べ方はエスカルゴと同じ。
カジュアルなレストランver.
お手頃価格で料理が楽しめるレストランやバルでは、小ぶりなカタツムリが出てくることが多い。カタツムリのこの一品は、『Caracoles (カラコーレス)』と呼ばれる。貝殻に入った状態で提供される。本当の正しい食べ方は、手で直接触るのがNGだが、地元のバルやレストランではみんな利き手に串を持ち、もう片方の手で貝殻も持ち、下の画像のように食べている。
① 利き手で爪楊枝 (または串) を持ち、もう片方の手で直接カタツムリをつまむ。
② 爪楊枝 (または串) を中身に刺し、えぐり出すように、かき出すように引っ張る。あまり力を入れなくてもスルッと出る。
③ 一口で食べる。
⚠︎ 出来るだけ手を汚したくない場合は、ナプキンで貝殻をつまむ。
高級レストランver.
「高級店」でなくても、注文後、銀色のハサミのような器具とケーキフォークのようなふたまたの小さなフォークがついてきたら下のマナーを守って食べなければならない。
① 左手 (利き手ではない方の手) でトングのようなハサミのような器具を持ち、右手 (利き手) でフォークを持つ。
② 器具を使い、穴が上向きにくるように固定して持つ。
③ フォークを刺し、中身をゆっくり出す。出にくい場合は、スパゲッティーを食べる時のように少しクルクル巻きながら引っ張ってみよう。
④ 一口で食べる。
⚠︎ 直接手で触るのはNG。
⚠︎ 貝殻を滑らせてどこかに落としてしまうのはかなり行儀が悪いので予め注意。
⚠︎ フォークを使わずに殻から直接食べるのはNG。
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