物の言い方には、話者の人間関係における経験値がそのまま表れる。質も量も、よく分かる。
若いからと言って、経験値が低いとは限らない。人生経験が豊富だからと言って、人間関係を上手く築けるとも限らない。
お互いが気持ち良い時間を過ごせる『会話』とは?
『相手と場面にふさわしい言葉を選びながらコミュニケーションが取れるスキル』を持っている人は、国や言語に関係なく、一生得をする。
「夜・夜分」
「住所・お住まい」
「もらい物・いただき物」
「嫌い・好みではない」
「してあげる・させていただく」
「直接・直々に」
きちんと話せる人、書ける人が、この世界、生き残っていく。どんな関係でも、仕事でも。感じの良いお客さんには、商品やサービスに+αをつけたくなる。好きな友達には、特別な日でなくとも何かプレゼントを贈りたくなる。話が弾む相手と会話がしたい。この人のために何かしたいと思わせられる頼み方に応えたい。…人間だから。
物は言いよう
毎日何気なく使っている日本語だが、言い方ひとつで、相手に与える印象は大きく変わる。
綺麗な言葉遣いの人は誰の目にも魅力的に映る一方で、汚い言葉遣いの人は、知らない間に誰かの減点対象になっている。
『敬語』を完璧に使いこなせれば良いと言うものではない。相手のことを思った肯定的な言葉や、心が込もった言葉を発することもまた重要である。「同じこと」「同じ一言」でも、相手を喜ばせたり悲しませたりする。
現在は、リモートワークで、取引先や上司とメールをする回数が増え、これまで以上にチャットやSNSを活用する機会が増えている。だからこそ、語彙を見直す人も増加しているのではないだろうか。
【友達との会話の中で】
どっちでも良い。
➡︎ どっちも好きだから、選んで良いよ。
心配させてごめん。
➡︎ 心配してくれてありがとう。
あれ、来たの?
➡︎ あれ、来てくれたの?
代わりにやっといて。
➡︎ 代わりにしてくれたら嬉しい。
暇な時に書いておいて。
➡︎ 時間がある時にでも書いておいて。
来い。
➡︎ 来て。
あいつはケチ。
➡︎ あいつは節約するタイプ。
【店員さんに対して】
なんで今日はこんなに混んでるんですか?
➡︎ 今日はいつもに増して人気ですね。
(デザートは) 大丈夫です。
➡︎ 結構です。大変美味しいお料理でした。
(注文した料理は) すみません、まだですか?
➡︎ もう少しかかりそうですかね?
【目上の方に対して】
オレ的には良いと思います。
➡︎ 個人的には良いと思います。
➡︎ 僭越ながら、私 (わたくし) も意見を述べさせていただけるのであれば、先ほどの案は素晴らしいと思います。
ここで働くことになりました。
➡︎ こちらで働かせていただけることになりました。
行けたら行きます。
➡︎ 出来るだけ行けるように時間調整をしてみます。
それはちょっと無理ですね。
➡︎ それは少し難しいですね。
あの書類、もらえないんですか?
➡︎ あの書類、いただくことは出来ますか?
ヒント教えてもらっていいですか?
➡︎ ヒントを教えていただけると助かります。
対面より『活字でのやりとり』に気をつけた方が良いのかもしれない。その文字が自分を形作り、人間としてのイメージまでをも相手に植えつけてしまうから。媚びを売ったり、取り繕ったりするのではなく、素の状態をそのまま (過不足なく) 評価してもらえるように気をつけるべきである。
分別は、自分次第で変えられる。するかしないか。書くか書かないか。言うか言わないか。
高校生でも100点満点の言葉遣いをしている子がいる。25歳を感心させる大人顔負けの19歳がいる。この事実を目の当たりにした日から、年齢に関係なく出来る子は出来る。している子はしていることに気がついた。
一社会人として見られる場では、綺麗な言葉遣いが『出来るか出来ないか』の基準で『好感度の高さ』や『教養・品性』をはかられる。
物は考えよう
〇〇が出来なくなった
➡︎ △△が出来るチャンスが生まれた
超プラス思考の私は、マイナス思考の人を完全には理解しにくい。(無論、逆もまた然り。) 何を言っても「でも…」と「だけど…」で返してくるパターンであっても、一度は面と向かって話をする。…ただし、一回だけ。『時間の無駄』は嫌いだから、お互いのためにならないと思えば、話題を変えるか、本心に逆らい、その場しのぎの同意をする。
一向に意見と意見が交わらない場合、相手にとってもその時間は有意義なものではないだろうから、張り合うことはしない。
ネガティブな人は、何かを求めて (プラスな見解が欲しくて) その発言をしているのか、それともそれがその人にとって「普通」なのか、よく分からない。
「物は考えよう」である。
捉え方や解釈の仕方が変われば、世界 (事象) は一秒前と違って見える。
今の自分に満足出来ていない人は、自ら不幸になりに行っているように思える。元を辿れば、『世界の見方』に問題がある。自分や相手のみならず、周りにいる人たちさえ、誰も得をしない悲観的なことを口にしたり、余計な一言を放ったり。せっかく手に入れた機会や幸せを自ら「損」に変えてしまっているような、勿体無い言動を見聞きすることもある。
現実から逃げたり、自分を負の方向へ追いやるエネルギーを、チャレンジに向かって走るポジティブなエネルギーに変換すれば良いのに、と惜しく思う。まず前向きな思考を日常に取り入れて行くべきだろう。
忙しい
➡︎ まだまだ頑張る
出来ない
➡︎ とりあえずやってみる
時間がない
➡︎ 時間を作る
あの人嫌い
➡︎ 良いところを探そうとしてみる
言い方次第で自分の短所は、長所に変わる。目の前の相手が短所を口にした時、サラッと「それは〇〇な証拠だね」と、フォロー出来る機転も良い人間関係を築く上で大切だ。
優柔不断な性格
➡︎ 物事に慎重な性格
愛想がない人
➡︎ 裏表がない人
飽きっぽい性格
➡︎ 多趣味で好奇心旺盛な性格
気を遣い過ぎる人
➡︎ 人一倍気遣いが出来る人
無口な人
➡︎ 物静かな人
【まとめ】
気持ち良い『会話』には、お互いの気遣いや優しさが含まれている。これは初対面〜家族まで、全場面において当てはまること。
プライベートも仕事も『成功』させられている人は、周りをどんどん引き込むような、自然とみんなから好かれているような魅力的な人である。
物は言いよう、書きよう、考えよう。
…
…
【つぶやき】
言語哲学を専門としているからなのか、海外生活6-8年目は日本語に惹かれる時期なのか、社会に出たからなのか分からないが、相変わらず日本語の奥深さに感銘を受け続けている。たまに日本語を「堅苦しい」と言う人がいるが、それには同意出来ない。どんな言語にも「丁寧な言葉」や「敬語」は存在する。日本語の謙譲語とイコールな種類はなかなか無いが、何語でもそれに匹敵する言い回しや枕詞で相手を立てることが出来る。
2019年4月から気になり始め…
現在、研究としては終盤。巻かなければ。本当に巻かなければ。カレンダーを見るともう、2021年3月25日。下り坂を駆け下りている気分である。【ラウレア日記中編】…いつになることか。
イタリアの大学には、卒業論文を提出すべき期日がない。1人1人が自由に自分のペースで進めて行く。…このような環境下にいると、次の2点が頭をよぎる。
・縛りが一切ない単独な環境で走るペースを落とさない難しさ。継続の難しさ。
・やはり人生は終わりがあるから良い。1年は365日、1日は24時間という括りがあるから私たちは常に何かを目指して進んでいけるのだろう。
…
…
卒論のデータ集めと並行してバルセロナ大学は、イースター連休直前の試験とプレゼンと論文提出の山。
春はそこまで。
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