BARCELONANDO :)

1995年香川生まれ岡山育ち。現在ヨーロッパ生活10年目。スペインとイタリアの大学生活・旅行・言語学 (5ヶ国語)・哲学・バルセロナおすすめ情報など、幅広いジャンルの記事を執筆中。

【緊急受診】バルセロナで骨折をした場合の救急病院

年が明けた冬のある朝。

叫び声で目が覚めた。

『ジーーーーーーーーザス!!』

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ちょっとやそっとの物音では全く起きない私がパッと目を覚ますほどの大きな声だった。

…ジーザス?

気にすることなく、いつも通り布団から出て、コーヒーを火にかけ、クロワッサンを焼き始めた。顔を洗おうとした時、一緒に住んでいるスペイン人女性 (メルセー) からチャットが届いた。

「Estás en casa Kaede?」
(KAEDE、家にいる?)

同じピソに住んではいるものの、それぞれが十分な部屋を持っている+生活リズムが違うため、一日に一回顔を合わせるか程度の私たちは、お互いが「今」家にいるかを把握していない。

『Bon dia, sí.』
(おはよう、いるよ。)

と返事をした直後、屋上で足を骨折したメルセーを見つけた。

 

【バルセロナの緊急医療】
コロナ以前から、初めて医師にかかる場合は、電話による事前予約が必要なバルセロナ。警察・消防・緊急医療とリンクしている番号は『112』である。これは、日本でいう「119」で、緊急事態が起こった際には、まず『112』へ電話をする。

しかし、緊急時総合連絡センターとは別にもうひとつ、番号がある。『061』は、救急病院に繋がる。

112
無料
英語: 可
対応スピード: ○
スペイン全土共通番号

061
無料
英語: 不可
対応スピード: ◎

「061」に電話をし、症状や状況を説明し、住所を伝えると、最寄りの病院を指定してもらえる。平日で、開いている病院が多いのは不幸中の幸いだった。

【ゴシック地区ver.】
大怪我や、緊急手術が必要な場合は、有名な大きな病院 (Hospital Clínic) のウルヘンシアヘ行った方が良いが、骨折程度であれば、ゴシック地区の、港の近くの、

CAP Gòtic Nou Ja!!
住所: Passatge de la Pau, 1, 08002

ビックリマークが2つもついた元気な名前の病院 (ウルヘンシア: 緊急外来) へ行くと良い。ランブラス通り寄りのラバル地区に住んでいる人も。ここか、ラバルのウルヘンシアを紹介されるはず。

【病院へ】
電話で、「お一人ではなく、付添人とお越しください」と言われた。手ならまだしも、足は歩くのに支障が出る…。髪の毛を軽く整えて、ズボンを履き替えて、3分もしない間にすぐ家を出た。

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近くには、リセウ駅、ドラッサネス駅、コロンブスの塔、ランブラス通り、エリサバ (有名な美術専門学校)、グエル邸、蝋人形館などがある。

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緊急の場合 (ウルヘンシア) は、予約なしで、そのままダイレクトに病院へ行き、診察を受けることができる。急な発熱も、今回のような骨折も。

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1階の1-8まである診察室の前には、5人ほど患者さんがいた。コロナで人数制限がかかってはいたが、警察署と違って「付添人」の数に制限をかけられることはなさそうだった。

スペインの病院は、日本の病院と違う。

バルセロナで行う医療通訳は、内容 (言語の高度さ) よりも、拘束時間や移動が大変だと思いながら待つこと15分。

中に入り、患部をお医者さんに見てもらった。

「…なるほど。…なるほど。ここは痛い?ここは大丈夫ね、ここは?…痛いわよね。なるほど。レントゲンを撮った方が良いですね。靭帯まではいってないわ。」

歩けない患者さん (メルセー) の腕を肩に回し、600mほど離れた別の病院までゆっくりと一歩一歩行くことになった。

折れてるのに、歩かせるの?
➡︎ このくらいなら歩けるだろう

松葉杖とか車椅子とかレンタルは?
➡︎ コロナで不可

日本ならこれを「ありえない」と感じるが、スペインでは許容範囲。メルセーがここで『歩く』という選択肢をサラッとのむところを見て初めて、本当にこれが「普通なんだ」と思った。

 

元気な状態で歩くと、5分で着く距離だが、15分はかかった。家を出る時から、タクシーを待って乗るよりも、とにかく早く痛みから解放されたいという思いを尊重してしまったことが後に心残りとなった。自転車に座らせて押してきたら良かったと思った。

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招待状を持って、

Centre d'Atenció Primària Drassanes (EAP Raval Sud)
住所: Av. de les Drassanes, 17-21, 08001

「レントゲンは、受付の列に並ばなくても良いですよ。エレベーターで、1階へどうぞ。」と案内の女性から言葉をもらった。

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レントゲンを取ると、案の定、左足の小指と薬指が折れていた。「ほら。絶対折れてるのに。わかってたのに。それなのに直接ここへ来させてもらえず、無駄にあっちの病院で最初に見てもらった意味が分からない。で、今からまた戻って、そこで初めて処置をしてもらえるなんて効率悪い。」と、メルセーのご最もな意見を聞きながら、来た道をまた歩いた。現にスペイン人がこう感じているのに、なぜこの状況が改善されないのだろうと疑問に思いながら。

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データは、最初の病院に送られていた。戻り、また受付を通過し、1時間半前と同じ待合席で順番を待つこと30分。

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中に入り、先生と一緒に骨の状態を見た。そのまま包帯を巻いて固定をしてくれるのかと思いきや…。

巻く担当の先生を待つ10分。

緊急 (救急) の電話をかけて3時間以上が経過していたのにも関わらず、まだ何も処置を施してもらえていない。むしろ最初に見せた時よりも悪化している。

日本の環境は、改めて素晴らしい…。

【帰りはスムーズ】
日本にはない良いところもある。

① スペインは、社会保険に加入していれば、国民保険証を持っていれば、公立病院の医療費は無料。一部負担などではなく、完全無料。だから診察後は、お金を払う順番を待つことなく、すぐに外に出られる。レントゲンもお金を払わなかった。

② お医者さんの処方箋を持って薬局 (Farmacia) へ行くと、薬代も相当安くなる。毎食後1錠ずつ飲む痛み止めを2箱 (15日分) 買った。安くなっても10ユーロ (約1300円) はするだろうと思いきや、…1.13ユーロ (約130円) だった。

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この医療制度は、非常に国民からも評価が高い。

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